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shiratoriさんの勇者と踊れ! ~ぼっちの俺が異世界召喚されて美少女達と学園最強パーティーを組みました~の長文感想

ユーザー
shiratori
ゲーム
勇者と踊れ! ~ぼっちの俺が異世界召喚されて美少女達と学園最強パーティーを組みました~
ブランド
catwalk
得点
72
参照数
2953

一言コメント

背景画、演出、BGMどれをとっても標準以上の素晴らしい出来。個別ルートを一つだけやる分には……ネ!(追記:12/8,11,15,22,26,30)

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

履歴
2019/11/30:初稿("共通"ルートをプレイしてみての感想)
2019/12/08:"フェリシア"ルートをプレイし終えての感想を追記
2019/12/11:"アリア"ルートをプレイし終えての感想を追記
2019/12/15:"ルーシィ"ルートをプレイし終えての感想を追記
2019/12/22:"イリス"ルートをプレイし終えての感想を追記
2019/12/26:"ハーレムルート"&"ラスボス敗北ENDルート"をプレイし終えての感想を追記
2019/12/30:「サマリー」を新たに追記し、これまでの追記は日付の昇順で再編集

2019/12/30追記
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□サマリー
最近、FUNAさんのWeb小説を読んで「異世界転生/異世界召喚」ものを勉強中なのですが、結局のところ、異世界に行く方法が、宇宙船なのか、地底なのか、タイム***、etc. という似非科学的な手法ではなくて、転生、召喚という神の見業によって実現しているだけのような気がしています。要は、現状の知識を持って他世界に行くことが重要で、行く手段や形態はある意味どうでもよく、突き詰めると「主人公が生まれた環境とは違う環境とのギャップを楽しむ読み物」なのではないかという気がします。

そういう意味では、SFやファンタジー作品と何も違わないわけです。あっ、でも、特殊能力(魔法とか、魔法とか、魔法とか)が何の努力もなく付与される傾向が強いってところは、通常のSFやファンタジー作品とは大きく異なる点なのかも。読者の変身願望にシンクロできれば大成功って感じでしょうか。とは言っても、五十歩百歩ですかね、やっぱり。

翻って本作、一言でいうなら、何一つ新しい試みがない、パクリ商品。ただし、粗悪品ではない正規な作り。決して「パチモン」ではなく――そう、「バッタもん」なのです。ですが、腐っても鯛、「バッタもん」でも正規品と変わりはなく、ジックリ噛み締めて味わうカンカイの如く、そこそこ楽しめて、気がついたら自己最長の三万五千字以上も書き連ねてしまいました。

本作は、4人のヒロイン達と一緒に、異神を倒す勇者の物語なのですが、そこによくあるSF的な味付けとこじつけで、さも尤もらしい非科学的な理屈(つまり屁理屈)をこねてみせるという、非凡な作品なのです(笑)。そのため、各ヒロインの個別ルートは、どれか1つを最初にプレイする分には、そこそこの満足感を得られるでしょう。

とはいえ、そこは「バッタもん」、個別ルートのアドベンチャーパート、ダンジョンパートとも共通部分が多用されるというB級品質なため、二番目以降に選択した個別ルートは、スキップ多用で、骨抜きストーリー(エロシーン連続)になってしまったのは、ご愛嬌。因みに、このサイトで高評価の『ぬきたし2』でさえ、この様な骨抜き仕様を採用しているのですが、個人的には開発期間短縮策の一環での、手抜き仕様だろうって思っていますけどね。

この様な構成を採用する作品が今後も多いようだと、これからもエロゲー業界は益々衰退し続けるのだろうなって思ってしまいます。自分達で自分達の首を絞め続けていることが理解できていないと思われますので、敢えて強く警告しておきます(とはいっても、業界の人が読むことがなければ、警告にもならないか)。

というわけで、個別ルートに入る前までの共通ルートまでは、暫定で87点としたのですが、最終的には70点台が妥当かなって気がしています。ですが、私にはいろいろ考察しがいのあるシナリオだったことは間違いなく、この程度の作品が、あまり頭を使わなくても済む気楽さを保てて、自分にはちょうど良い塩梅なのかもしれないと思った次第です。
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2019/11/30初稿
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□"共通"ルートをプレイしてみて
○はじめに
私、現時点ではまだ第2話冒頭部分で、アリアがパーティーに参加したところまでしかプレイできておりません。そのため、一言感想は「したい」と希望的観測状態なのですが、それでも早くも見切れたと確信しております。アドベンチャーパート、ダンジョンパートとも予想以上に面白いです。一言感想に書いたとおり、素晴らしい作品だと思います。
(プレイの進捗状況に応じて、今後コメントを少しずつ追記していく予定<2019/12/30完了>)

さて、私にとっては、エロゲーでの「異世界転生/異世界召喚」ものの二作目なのですが、一作目の『ソーサレス*アライヴ!』は、ストーリー全体を通して出来不出来の落差が大きく、出来具合にむらがありました。翻って本作、そんなことはないと信じたいのですが、ただ、サブシナリオ担当者が6人もいますからね。とても心配です。

ところで本作、発売前の本サイトでは散々なコメントでしたが、あれは悪意に満ちた意図的な営業妨害工作コメントだったと、本作をプレイしてみて心底確信いたしました。もうねぇ、購入意欲が大幅に減退してしまいましたよ。それでも最近は、自分の感性を信じるように方向転換しているので、体験版もやらずにとことん無視。勝ったな(`ー´) ドヤッ!

私、今月は『どっちのiが好きですか?』と本作を予約購入したのですが、なんの躊躇いもなく本作を最初にプレイしました。これは、上記のとおり、本サイトでの本作の発売前コメントが、散々な内容だったからなのです。実際問題、悪意的工作活動の影響か、本サイトの発売予定表における2019/11/29発売(20本)での購入予定者数ランキングでは、1位が『どっちのiが好きですか?』で20人、本作は11位で3人でした。五指に入らなければゴミ同然なのに、十指(じっし)にすら入らないのですから、ゴミ以下のとほほ状態です。

そのため、製品版で事の真偽を早急に確認する必要があると判断しました。結果、こんな何らかの意図的な悪意ある目的で作品を貶める行為が、許されて良いのだろうかと思った次第です。私のコメントが、少しでも本作の汚名返上につながれば幸いです。でも、最後までプレイした結果、手のひら返ししている可能性も否定はしません。

現時点では、もう「埋もれた名作」確定の状況に陥ってしまいましたが、購入判断基準は単純に、少し中二病設定気味なのが気にならないなら買い、気になるなら買わないでしょうネ!


○操作性、演出、BGM、シナリオとも秀逸
・良好な操作性
きびきび、さくさく動きます。マウスでボタン等をクリックしていると、心地よいです。ただし、毎回思うのですが、SiglusEngine(VisualArt's ゲーム実行エンジン)のCPU使用率が、通常6~8%なのに、ログ参照時は15~18%になり、PCのファンがぶんぶん回り始めるのは、本当に勘弁して欲しいです。私は、よくログ参照しながらメモ帳にメモるのですが、キーボードで文字すら満足に打てなくなる場合がよくあり、本当に困っています。

・演出がGood!
全体的に背景画は素晴らしいし、立ち絵の顔の表情変化も文章内容に的確に追随しているし、テキスト表示も上下に表示エリアに出し入れする工夫をしていたり、一番驚いたのが、次のシーン、
 アリア「ええい、起きろ! わたしを無視して眠るなあっ! 起きろと言うておるのに……っ!」
 ト書き:相手にされないのがよほど悔しいか、少女は俺に飛びかかって腹に乗っかると、寝巻きの襟を掴んでガクガク揺さぶった。
 興「おいやめろ乱暴に揺さぶるな酔うから酔うから」
この時、アリアの立ち絵が上下に揺れるのですが、なんと良く見ると、ゴスロリファッションに合わせた首のチョーカーや胸と両肘に蝶結びリボンをあしらった服の一部分も、非同期に上下に揺れているのです。E-moteじゃないのに、本当に工夫してがんばっているなって感心してしまいました。
そういえば他のシーンでは、立ち絵が前に迫ってくる演出にしている部分もありました。左右じゃなくて、前後に移動させる工夫をしたりするなど、見た目に飽きさせない、細かな演出は、高評価したいです。

BGMも相当に凝っていて、上手く演出をサポートしています。

シナリオは、プレイヤーへの配慮が行き届いています。例えば、次のとおり。
 ・アドベンチャーパート
   作品世界での用語説明パートをシナリオ上で用意(例:魔法)
   登場人物の名前紹介シーンをさり気なく用意
 ・ダンジョンパート
   懇切丁寧なチュートリアルをシナリオ上で用意

ただ、シナリオ担当者は次のとおりで、サブシナリオ担当者が6人もいる状態ですから、作品全体を通して出来が維持できているのかは、ちょっと心配です。今後ゲームを進めていくと、評価が下がる最大の懸念事項ですからね。
 メインシナリオ:藤田輝
 サブシナリオ :桜沢大、神無月ニトロ、天草白、井藤園、シナおじI氏、道師すくね


○その他(気になった読み方)
・末裔
フェリシア「わたくしは神竜に選ばれた聖王の末裔。あなたと同じく、神竜の力を受け継ぐ者です。だから――」
 ⇒声優さんが、「末裔」を「すえ」と読んだので、最初、声優さんの読み間違いなのかと思っていたのですが、少し先に進んだら、「すえ」とルビが振られている文章がありました。そのため、「末裔」の読み方を調べてみたら、次の調査結果がありました。
ふりがな文庫:https://furigana.info/w/%E6%9C%AB%E8%A3%94
“末裔”のいろいろな読み方
  読み方  割合
  ――――――――
  まつえい 84.2%
  すえ   10.5%
  ばつえい  2.6%
  みすえ   2.6%
  ――――――――
「まつえい」以外の読み方、初めて知りましたよ。

・良い
ネフリティス「同世代の仲間と学び競うことで、きっと君は成長する。神竜の力を覚醒させる良い刺激になると思うよ!」
 ⇒声優さんは「良い刺激」を「いい刺激」と読んだのですが、私は素直に「よい刺激」だと思いました。まぁ、これは好みの問題ですけどね。でも、「末裔」を「すえ」読ませるこのライターさんの文章スタイルから考えると、「よい刺激」と読ませると思うのですけどね。

・止めん
アリア「わたしの話を真面目に聞くと言うまで止めんっ!」
 ⇒声優さんは、「止めん」を「とめん」と読んだのですが、私はいつも思うのですが、一般的には、
    (とめる):主語が、主に主語以外の人の行為を制止する
    (やめる):主語が、主語の行為を自ら制止する
  となると思うので、「やめん」が正しいのではないかと思うのですけどね。いくら常用漢字音訓表の枠内では、「止める」は「とめる」としか読めないとしても……。

・早急
ネフリティス「諸君は駆け出し探索者として、早急に兵士級を討伐できる程度の戦闘技術を身につける必要がある」
 ⇒本来の「早急」の正しい読み方は「さっきゅう」なのですが、この声優さんは正しく読みましたね――今日日「そうきゅう」と読む方々が圧倒的に多いにも拘わらず。合格です。

・ギルドルーム入手で、パーティ結成&昇級祝賀会開催の話し合いの場で
匡「落ち着け、まだ諦めるような時間じゃないって、なっ!?」
 ⇒アリアの胸が成長していないことに対しての会話文ですが、「時間」って「歳」のことだと思うのですが、なんで「時間」なんだろう?
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2019/12/08追記
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□"フェリシア"ルートをプレイしてみて
やっと、フェリシアルートをプレイし終えた段階ですが、本作のストーリー構成は、一本調子でとても単純みたいですね。
 共通――個別
    (フェリシア)<-- 今、ここをやっと完了した段階
    (アリア)
    (ルーシィ)
    (イリス)
個別の選択肢が上記の並びなので、以降、この順番にプレイしていくつもりですが、今のところ何の問題もありませんね。ストーリーも、最初から最後まで浮き沈みなく、とても良かったと思います(基本に忠実で破綻なく)。ただ、この後の個別ルートのストーリーがどうなっているのかで、評価は変わってくるかもしれません。つまり、アドベンチャーパートのストーリーやダンジョンパートのゲーム内容が、全て異なっているのか、使いまわしなのかによって。

話は変わりますが、私は、本ゲームをプレイする前は『ぬきたし2』をプレイしていました。本サイトでの評価は、中央値90。とんでもなく高評価ですが、私は、SSビッグスリー二人目の途中で、飽きてしまって、ただいまプレイを中断中です(私って、やっぱり普通の方々と感性が違うのでしょうか?)。その後、学習がてらに、Web小説の「異世界転生/異世界召喚」ものを読んで、本作のプレイに備えていました(笑)。

因みに、中断した理由は――上記に関係しますが――どれも同じストーリーらしく、個別に入っても共通シーンが多くて、二人目なので、一度読んだ部分は当然の如くスキップしますよね。『ぬきたし2』は、シナリオ重視作品だと思うのですが、今回はシナリオが前作よりとても冗長なので、それが仇となって、スキップしたら、読み物として本当にスカスカのエロシーン連続みたいな状況に陥ってしまい、中断の憂き目に……。

そのため、本作では、その辺の問題がどの程度回避できているのかが、私にとっては、残りのヒロインをプレイするに当たっての、最重要評価項目の一つとなります。まぁ、『ぬきたし2』とは違ってストーリーが冗長ではないので、もし共通部分があったとしても飽きて中断はないとは思うのですが、それでも、エロシーン連続、ストーリーすかすか状況になったら、ギブアップしてしまうかもしれません。

また、上記で「基本に忠実」って書きましたが、具体的には「身近の人物が最大の敵」という王道展開ですかね。そのため、黒騎士の正体については、私はかなり早い段階で当たりをつけられました。最後のラスボスはちょっと意外でしたが、これも基本に忠実な結果といえますかね。そういえば、ダンジョンパートのゲームでの最終局面での対戦相手達も、基本に忠実な結果といえるでしょうね。これらは、別に貶しているわけではありません。私は、「王道展開大いに結構派」ですから。失敗リスク回避の何が悪いって思っています。

最後に、ダンジョンパートのゲーム性ですが、基本、簡単です。私には、これくらいが丁度いいです。パズル部分は、先に進むにつれて難易度が上がるのですが、基本、頭の中だけで処理可能で、紙等に書いて考える必要もありません。基本的に簡単なので、頭の中だけで考えて処理しないと、面白さが半減してしまいます。

恐らく作り手は、パズルを全部埋めないで戦闘シーンに移ることも考慮して、戦闘シーンのレベル調整をしているので、宝箱のカードも用意したと思うのです。しかし、パズルを全部埋めて手に入るボーナスポイントで能力を上げ続けると、特典カードを使う必要もなく、勝ち続けられます。そのため、戦闘シーンを存分に愉しみたいのなら、簡単に勝てないように自分でこの辺の調整(パズルを全部埋めない等)をする必要がありそうですね。よくいるでしょう、銃とか使わないで、文字どおりナイフだけで切り抜けたりする強者(つわもの)が……。

因みに、負けるとどうなるのでしょうか? 全ルート完了して、暇だったら、確認してみようかと思います。

※今のところ、一言感想内容は変えないけれど、点数は82点に下方修正が必要といった感じです。
※"フェリシア"ルートの詳細は、本稿の最後の方に「□個別ルート感想」として追記しました。
 それにしても、後3ルートもあるのか。本感想完了までの道のりは、長そう……。
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2019/12/11追記
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□"アリア"ルートをプレイしてみて
"フェリシア"に続き"アリア"のルートをやり終えました。こんなに早くやり終えられたのも、"フェリシア"ルートのプレイ感想で想定した最悪パターンでの構成だったからです。どうやら、どのルートもストーリーの構成は全く同じで、各人毎の相異による差分を置き換えただけ、つまり、差分以外はひたすらスキップ進行になってしまうことが判明しました。

この手の構成は、メインのライターさんが、どれか1つのルートを完成させたら、後は、残りのルートは、差分だけをサブのライターさんが流れ作業的に書きあげて次々完成っていう、いわゆる工場制手工業作品(私が勝手に命名)を生み出すわけです。

制作する方は、コスト削減と各種管理(いわゆるQCD)がしやすくて良いのかも知れませんが、プレイするユーザーにとっては、最初の1ルートだけは満足できますが、残りのルート、どうしてくれるんだよ状態に陥ってしまいます。

本当に、個別ルート内まで共通ストーリーが蔓延ってしまう作品が多くなってきている現状は、何が原因なのでしょうかね。制作者は、これがユーザーにとってベストな構成だって本気で思っているんでしょうか。やっぱりこれは、エロゲーユーザーが嘗められている証なのでしょうか。

私は、断固として抗議したいですね。一番効果的な抗議方法は買わないことなのですが、プレイしないことには構成が分からないから買わざるを得ないという、悪循環。対処方法は、この様な構成の作品は制作しないブランドを見つけての、信用買いしかないのでしょうか。誰か、知見のある方、一覧を作って欲しいです。

本当に、私の一言感想と点数、返して欲しいです。直さないけど(笑)。

さて、抗議活動はこれくらいにして、内容に関してですが、建国祭から学園卒業式後のガーデンパーティに至る過程での、アリアの成長くらいしか見るべきものがありません。そもそも上記の状態ですから、ここしかライターとしては腕の見せ所が発揮できなかったというわけですね。具体的には、「『わたしのものになってくれ!』⇒『俺はアリアのもの、アリアも俺のもの――』⇒『二人で共に手をたずさえ、共に幸せを掴む!』」といった変遷です。詳細にご興味がありましたら、「□個別ルート感想」の「○"アリア"ルート」をご参照ください。

因みに、ダンジョンパートは、完全な使い回しでした。ご丁寧にも、1ルート完了したら2ルート目以降は、スキップ可能な選択式になっておりました。こんな配慮をするくらいなら、本来は、個別に色々なパズルパターンを用意するべきでしょうに……。ケチり過ぎです、本当に!
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2019/12/15追記
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□"ルーシィ"ルートをプレイしてみて
最近、FUNAさんの「異世界転生/異世界召喚」ものWeb小説を読んでいます。何を唐突にと思われるかもしれませんが、単に、私の好みをお知らせしたかっただけです(笑)。ではなく、本作の今の構成では、各個別ルートを連続してプレイし続けることなど、私には不可能です。ある程度、内容を忘れた頃にやらないと。でっ、忘れるためにFUNAさん作品ってわけですね。

さて、本ルート、導入部分だけからは、けっこう期待できそうな予感がしました。具体的には、匡がルーシィの部屋を訪ねて、
 匡「俺たち、友達だろ。ちょっと話したくなったから、気軽に訪ねてみたんだし」
 ルーシィ「友達……」
 匡(……あれ、どうしたんだ? ルーシィの態度が――)
 ルーシィ「……わたしも」
 ト書き:ルーシィがゆっくりと顔を上げた。
 ト書き:いつの間にか、さっきの無表情から一転、いつも通りの快活な笑顔に戻っている。
 ト書き:いや、いつも以上に嬉しそうな、明るい笑顔だ。
 ルーシィ「キョウくんのこと、大事だよ」
 ルーシィ「大切なお友達で……一緒にいると楽しくて……幸せで……!」
の件(くだり)の部分(ちょっと間引いてます)。本当は、「好きだ」って言って欲しかったのにってのを強烈に匂わせたのに、朴念仁の匡には伝わらず、仕方なく笑って誤魔化すという、定番中の定番設定。

ルーシィの「……」がとても効果的に効いているよね。「恋人」って言って欲しいんだ、「楽しく」なんてないんだ、まして「幸せ」なんてありえない、を全部ひっくるめて最後にダメ出しで強調した「!」マーク。にも拘らず、
 匡「そ、それはさすがに大げさじゃないか……?」
というスーパー朴念仁ぶりを発揮する主人公。匡とルーシィの「……」の意味合いが違うように表現しているのも素晴らしいですし、ルーシィの「!」に対して匡の「?」で締める対比構成の妙も、素晴らしいです。すれ違いの掛け合い会話文として、ちょっと勉強になりますね。

ただ、普通は、仄めかす程度に抑える機微が、文学的な表現技法かなって気もしますが、あからさまに記述するのが、ここを担当したライターさんのスタイルってわけですね。このスタイルが、良いのか悪いのかは、冒頭の時点では判断がつきかねますけどね。最終的には、最初から最後までの流れの中で、うまく嵌まっているのかどうかで、決まると思います。

まぁ、ライターさん的には恐らく、読み手は馬鹿が多いから、ハッキリ明示しないと意味が伝わらないって考えの持ち主なんだと思います。正しいっちゃ正しいのかも。「仄めかす程度じゃ、何言ってるのか分かんない」って方々が、一定数いるのは事実だと思いますし。

で、結論から言うと、ここまでのルートの中では、一番、面白いと思います。ライターさんの力量は、冒頭部分からある程度判断できますので、後は最後まで崩れないで維持できているかどうかだけですからね。これまでの3ルートで出来具合の順番をつけるなら、
 ルーシィ>>フェリシア>>>>アリア
でしょうか。因みに、各ルート間での共通部分を除いた各ルート固有のエッセンスだけの観点での評価です。"アリア"ルートの感想で書いたとおり、最初にプレイしなかったら、ぐだぐだですからね、今の構成では。で、そのぐたぐた部分だけを煮詰めて評価した結果の順位です。つまり、まだ私がプレイしていない"イリス"ルートを除くと、"ルーシィ"ルートを最初にプレイした方が、一番満足感が得られる可能性が高いと思います。逆に"アリア"ルートを最初にプレイすると、悲惨かも。

本ルートも、詳細にご興味がありましたら、「□個別ルート感想」の「○"ルーシィ"ルート」をご参照ください。
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2019/12/22追記
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□"イリス"ルートをプレイしてみて
4人のヒロインの中で、生い立ちからして謎のイリス。内容も、主人公の生い立ちを絡めて、いたって真面目路線。本ルートの冒頭では、次の文章から始まり、主人公はイリスの部屋を訪れるのです。

 匡「……そういえば、どうせならコレのこと、訊いてみるか」
 ト書き:胸元を押さえた拍子に、ペンダントのことを思い出した。
 ト書き:フェリシアに見て貰ったこともあるが、彼女にはこの文字は読めなかった。

"シークレット&シリアス"ルートの開幕です(笑)。そのため、攻略順番もこのルートを最後にした方が良いと思ったのですが、他ルートの感想で指摘してきたとおり、どのルートも最初にプレイしないとぐだぐだ状態になるので、出来立てほやほやを堪能したいのなら、次のヒロイン4人の中で、

 フェリシア:聖王女(筆頭ヒロイン)なのに「普通」
 アリア  :魔王の娘(ヒロイン成り損ない中二)で「ツンデレ」
 ルーシィ :庶民の娘(明朗快活でダイナマイトボディ)で「ドジっ娘」
 イリス  :謎の娘(秀才魔法士)で「文学少女」 ★今ここ

自分が最も好むヒロインルートを最初にやるのが、一番だと考えを改めました。 
 
私は、ここの冒頭の文章、沢山書き写しちゃいましたよ――突っ込みどころ満載で(笑)。例えば、

 ト書き:長い間一緒にいたわけでもないのに、何故かイリスのことは信じていいような気がしてしまう。

そんなわけあるかいって思うでしょう、普通は。なんて安易なって。でも、後の「イリスは語る――解答編」の場面(ここも沢山書き写し)で、これが変じゃないって理解できてしまうのです。また、

 匡「そういえば、イリスも両親がいないんだよな……。イリスはそのことについてどう思ってる……?」

といった、いきなり確信をつく質問を散りばめたりして、シリアス路線まっしぐらです。"ルーシィ"ルートとは真逆で、書き方も、仄めかす程度に抑えるを徹底しています。つまり、オーソドックスなスタイルって感じですね。これは、例えば、次の文章にも表れています。

 ト書き:気をつけないと見逃してしまうほど仄かな微笑み。それでも俺には満面の笑顔に見えた。

表現方法が基本に忠実。ザ・小説技法って感じ。やっぱり、仄めかす程度に抑えるを徹底してますね。そもそも、文章自体に「仄かな」とか書くくらいですから(笑)。真面目な話、たぶん、イリスの性格に合わせているのでしょうね。そして、最後に駄目押し。

 ト書き:夢の中で、義母に見守られながら義父と釣りをした。
 ト書き:大きな魚が釣れたことを喜んで、俺は誰かに報告したけれど、それが誰だったか思い出せない。
 ト書き:でも、俺はとても幸せだった――。

「『誰かに報告』って誰?」って思いますよね、普通。でも、このライターさんは、仄めかすを徹底しているので、最後までプレイしても、これに対する解答なんて述べられていません。でも、最後までプレイすれば、誰でも理解できることでしょう。

そもそも、私は冒頭の文章をそのままメモったから、こうやって後から振り返って分析することができるのですが、普通にプレイだけしていたら、冒頭部分の文章なんて忘れ去られてしまって、単なるゴミくず扱いでしかなくなってしまっていることでしょう。でも、ライターさんは、全体の構成を考慮しながら書いていることが、如実に分かるのです。

ビバ、ライター、あんたは偉い。しかし、小説なら後から文章を簡単に振り返ることが可能ですが、ゲームでは難しいですよね。よくシナリオ重視のゲームでは、各章をリスト化して、後から簡単に選択参照できるようにしている場合もありますが、本ゲームではそんな配慮はしていないのですから、今回のような冒頭では、多くの方々に理解してもらうのは、困難だと思われます。本当に残念無念です。

因みに、4ルート終えたのですが、ギャラリー2マスとシーン1マスが埋まっていません。分からないので調べてみたら、まだ、
 ・ハーレムルート
 ・ラスボス敗北END
というのがあるらしいのです。やっぱり敗北ENDはあったのか~。本ゲーム攻略の道程は、長い。トホホ……。

本ルートも、詳細にご興味がありましたら、「□個別ルート感想」の「○"イリス"ルート」をご参照ください。
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2019/12/26追記
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□"ハーレムルート"&"ラスボス敗北ENDルート"をプレイしてみて
普通のエロゲーのハーレムルートは、ヒロイン全員と一緒に楽しいセックス(つまり酒池肉林の乱交パーティー)イベントである場合が殆どだと思いますが、本作品のハーレムルートは、「主人公争奪戦」をするわけでもなく、単に「ヒロイン四人とのまったり人生」という結論を導くための、エロ要素ゼロのちょっと意表をつく内容です。

 神竜なき今、世界の守護者は勇者のみ
   ↓
 勇者の力は血統継承
   ↓
 子供ができなければ、世界の損失
   ↓
 誰か一人を伴侶に選んで!
 一人を選べないなら、全員を娶って!
 (一夫多妻の推奨)
   ↓
 四人のヒロイン全員を選ぶ!
 (エロシーンなし)
   ↓
 めでたしめでたし

って、何じゃこりゃ~!? ライターさん、頭にウジ湧いてんじゃね? いや、エロゲーじゃなかったら、超普通の展開だとは思うのですけどネ! でもこれエロゲーだから。この葛藤を乗り越えた先に見えたものは……――何もありません。(^^; 超普通じゃない展開を求むるのも、むべなるかなですよね。いやね、もう、ここまで開き直られちゃうと、いっそ、清清しいです(笑)。
それにしても、エロゲーでのハーレムルートって、付け足し程度のオマケ仕様が多いのは、何故なのだろうか? 本格的なハーレムルート(エロシーンばかりなのはご勘弁)作って欲しいな、本当に!!!


次に、ラスボス敗北ENDルートですが、いや~、ハーレムルートとは正反対の作りで、ちょっと感動してしまいました。わざとなのか、わざとなのでしょうね、この対比構造は(単にライターさんの能力差が出たともいう)。ネフリティスとのエッチシーン、今回で三回目ですが、どれも文章が上手いです。普通、この手の敗北ENDって、陵辱シーン(大概は触手付き、蟲蟲蟲)の場合が多いと思います。しかし、本作では、主人公とネフリティスの和姦シーンなのです。もの凄く意表をつかれてしまいました。

主人公は、体内に<異神の心臓>を埋め込まれ、神と一つになり半身と化す。そしてネフリティスとの退廃した生活、いや性活(笑)。そんな主人公にネフリティスは、
 ネフリティス「さて、では次はどうする? 今度はどの世界を食べようか?」
と問う。主人公は、
 匡「そうだな……この次は、俺の故郷でも行ってみるか?」
 ト書き:俺の望みは、彼女の望み。
 ト書き:彼女の望みは、俺の望み。
と答える。
"アリア"ルートのジャイアニズム「俺の物は俺の物、お前の物も俺の物」もどきの考え方再びですが、それに対してネフリティスは、
 ネフリティス「くふふっ……! 私も同じだよ。我が半身。我が永遠の伴侶」
 ネフリティス「全ては君の望みのままに。それこそが我が望みでもあるから」
 ネフリティス「さあ、ふたりで愉しもうじゃないか! 我らの欲があまねく三千世界を喰らい尽くすまで……!」
 ト書き:嗤う、嗤う――高らかに声を上げて、俺達は嗤う。
 ト書き:まるで合わせ鏡をのぞくように、共犯者の笑みをお互いの顔に浮かべて、俺達はこれから喰らい尽くす世界を二人で嗤った――。

凄い文章ですねぇ。このノリでいって欲しかったですよね、ハーレムルートも。「嗤う」と「喰らい尽くす」が文章のスパイスとして、とても効いているよね。因みに「嗤う」とは、 相手を下に見て嘲笑するネガティブな意味合いの言葉です。つまり「馬鹿にしたように、見下したように」笑うのです。最高です。そして、ここでの嗤いの対象は、「これから喰らい尽くすあまねく三千世界」なのです。スケールでかいです。大好きです、こういう大法螺文章。SF作品では、よく見かける文章スタイルではあるのだけれどネ!


これら二つのルートも、詳細にご興味がありましたら、「□個別ルート感想」の「○"ハーレムルート"&"ラスボス敗北ENDルート"」をご参照ください。

因みに、ハーレムルートを遣り終えてから気がついたのですが、いつの間にかゲームのタイトル画面の操作アイコンに、「SPECIAL」が追加されていたのでした。どうもヒロイン四人のボイス集というか簡易ドラマCDもどきというか、絵なしのサンプルボイスが、各人16ずつ用意されているのです。色々な新規シーンでのヒロイン達の声が聞けます。
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□個別ルート感想
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○"フェリシア"ルート

★★★星空観賞シーン
ト書き:無数の星が煌く夜空は、言語を絶する美しさだった。
 ⇒冒頭の星空観賞シーンでの夜空の背景画、まばらに星が煌いている空に薄い雲が殆ど全体にかかっているのですが、なぜそうしたのか意味不明です。少なくとも、シナリオ内容とは月とすっぽんの夜空。空の絵を使いまわした結果でしょうか? この背景画を許容したのは、納得できませんね。これは相当な手抜き仕事だと思います。

★ネフリティスとのセックス
ネフリティス「ふっ、ぅう、臭いも濃くて良い感じだ。いかにも雄の臭いだな」
 ⇒このライターさんは、セックス関係の「におい」は「臭い」と書く派ですね。とても良いです。私は、「匂い」と書くお花畑シナリオはとても軽蔑していますから。因みに、ネフリティス関係のセックスシーン・サブシナリオは、ライターさんが違う気がします。

★★★★黒騎士
黒騎士の正体、この時点で分かっちゃったかナ! つまり匡の……。

★★★フェリシアとの初エッチ(ネフィリティスの甘言で媚薬を飲まされて)
ト書き:しかし、乳房を愛撫する手が止められるはずもなく、手のひら全体でその感触を愉しむ。
 ⇒最初、乳房を愛撫しているシーンが続くのですが、まったく絵がそうならないので、困りました。そのため、ずっとテキストを見ている状態になってしまいました。作り手としては、フェリシアの裸体を観賞させたかったのかもしれませんが、私は、文章に追随しないイベント絵は、手抜きだと思う派なので、許せません。何のためにコンピュータ上で動かしているんだよって、いつも思ってしまいます。

誤字脱字
・フェリシアとの初エッチシーンで
匡「……フェリシアが痛いの我慢してるだけなら、こっちも井持ちよくなれないなぁ……」
 ⇒気持ち。ローマ字変換で「K」を打ちもらしたのですね。分かります(笑)。因みに、ここまでプレイして、初めて見つけた誤字です。

★なぜセックスするのかの理由
心が穢れに侵食されるの防ぐためっていう、よくある理由。
(理性をなくして苦しみ、無意識に助けを求める)

★学園武闘大会の件で学園長の呼び出し
シエラ「元気出してね? 先生はこれから会議なのでご一緒できませんが、挫けず頑張って下さい……」
この後、なぜか学園長室にフェリシアが同行している。匡しか呼ばれてないのに何故に? と思っていたら、少し話が進むと、メンバー全員が同行していた。まぁ、舞踏会での匡のパートナー選びも兼ねているシーンでした。ただ、ストーリー展開が、ちょっと大雑把すぎる気がします。

★「欲深い」の読み方
ネフリティス「だが、欲深い貴族や権力者の野心から、ギルドを守ってくれる気持ちがあるなら、ぜひ勝って欲しい」
 ⇒間違ってはいないとは思うのですが、声優さんは「よくふかい」と読みました。しかし、普通は「よくぶかい」と読むのでは。

★夜間デートでの遺言話
匡「『そんな無理して辛そうな顔で頑張るより、もっと楽しそうに生きて欲しい』」
匡「『その方がお前を好きなみんなが、お前を大切に思うみんなが、きっと嬉しい』」
匡「『だから、いつまでも元気で笑っていて欲しい』――って」
 ⇒今際の際、苦しい息の下にもかかわらず、養父母が伝えてくれた言葉なのですが、実は私には、この遺言があまりピンときませんでした。なんか良い話にしようとして、すべったみたいな感じです。

誤字脱字? or 声優さんの読み間違い?
フェリシア「わ、わたくしもっ、はしたくっ……なっちゃ、ううううっ! ああぁ! なあああぁぁ……!!」
 ⇒「はしたなくっ」って声優さんは読んだ。たぶん声優さんが正しいとは思うのですが、フェリシアがエッチで喘いでいる時の言葉ですからね。ライターさんは、まともな言葉になっていないことを示したかったとも考えられます。そうすると、声優さんの読み間違いとなるのですが、どっちでしょうか?

★シエラ先生とのエッチシーン関係
このシーンを担当したライターさんは、今後、もう書くのは止めた方が、皆のためだと思いました。
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・手抜き
ト書き:思わず我慢できず、乳首にむしゃぶりつく。
匡「ちゅっ…ちゅるっ」
シエラ「ひゃっ、口に……そんなっ。舌がっ……うねうねって……乳首にからみついてくるぅ……」
 ⇒絵が文章に追随しない。ぜんぜんむしゃぶりついてくれないし、減点です。

・誤字脱字
ト書き:わざと、くちゅくちゅと音を立てながら乳首をなめていると、すぐに乳輪ごと堅さを増していく。
 ⇒乳首の「かたさ」は、敢えて漢字にするなら「硬さ」が適切だと思います。なぜなら、「かたい」には次の三種類の漢字があると思うのですが、それぞれの反対語は、次のとおりだからです。
 固い:緩い(ゆるい)
 堅い:脆い(もろい)
 硬い:柔らかい(やわらかい)
乳首が立っていない状態が、「ゆるい」「もろい」とは言わないですよね。因みに、ここを担当したライターさんは、当然の如く、"ちんぽ"の勃起状態も「堅い」を使います。勃起していない"ちんぽ"は、脆いんかいって感じです。

・誤字脱字
ト書き:ちょっとでも緊張がほぐれるように、全身を優しく愛撫しながら、鬼頭を押し当てる。
 ⇒「亀頭」です。このライターさんをちょっとプロファイルしてみると、普通、「鬼頭」が文字変換候補の最初の方に出てくるとは思えないので、このライターさんは、知り合いに苗字が「鬼頭」という方がおられて、よく使用しており、文字変換学習されちゃっているのでしょうネ!

★★★シエラ先生エッチシーンの担当ライターは文章が下手
シエラ「ああっ……先生の中でっ……アサヒナくんが……んっぐ……ぴくぴくしてる……中でアサヒナくんを……感じてるのぉぉおおっ!」
匡「ふぅっ……お、俺も先生を感じてるよ……ぐっと締め付けて……温かくて……すごく心地良いっ!」
 ⇒ヘッタクソ~。なんですか、この読みづらい文章は。これが延々と続くのですから、なんとかしてくださいって、なんともならんけど。それ以前に、もうねぇ、言葉で状況説明するの興醒めだから、やめて欲しいです。このライターさんに限らず……。

声優さんの読み間違い&誤字脱字
シエラ「あああっん……アサヒナくんのがっ……動いているの……ふぁっ……ちゃんとわかりますっ……中で……ぐりぐりっってこすれて……んんうっ……気持ちいいっ」
 ⇒声優さんは「動いてるの」って読んだ。
 ⇒私は「ぐりぐりって」だと思う。そもそも、促音「っ」を重ねるってどういうこと。このような促音便の使い方は正しいのだろうか? そもそもどう読むの? 二重につまって読めってこと(もっとためれってこと)? 声優さんは普通に「ぐりぐりって」と読んでたぞ。

声優さんの読み間違い
シエラ「だめっ……だめなのぉぉおおおお……やめないで……やめないで……もっと突いてくださいっいいいい……奥~っ……奥が感じるのっぉおおおおおっ」
 ⇒「奥~っ」を「奥へっ」って読んだ。ただ、根本的な問題は、このライターさんの文章が駄目なことに起因していると思います。
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★★★恐怖の館(お化け屋敷)イベント
「学園祭で女の子と腕を組んで歩く夢」を実現するべく画策する匡なのだが、その場面で最初から腕を組んでいる絵を出すのは、どうなのよ。手抜き以外の何物でもないです。

★休憩から戻って
ト書き:カフェの制服――メイド服に着替えたフェリシアが、謙虚に微笑む。
 ⇒この場面で「メイド服に着替えた」ってのは、説明文として変。そもそも休憩中もずっとメイド服だったのですから、メイド喫茶に戻って来ても着替えなんかしていないし。それとも、立ち絵の服装がそもそも間違っていたのかな?

★★★★★ゴースト音声発生(収録ミス)
巨人との戦闘直前のフェリシアの会話文、
 フェリシア「そうですね……戦って、勝ち取りましょう!」
の音声再生直後に、台本(と思われる)ページをめくる音が聞こえた後、
 「え~と、3873(さんはちななさん)」
とのテキスト外の女性の音声が再生されました。怖いですねぇ、ちびりますねぇ(笑)。真面目な話、「さらなるクォリティアップが必要と判断」して発売日を1か月以上延期した筈なのに、どこがクォリティアップしたのでしょうか? それにしても3873とは何ぞや?

声優さんの読み間違い
シエラ「え、教師と教え子の……? って、きゃあああああっ!? ごめんなさいアサヒナくん、すぐに退きますからっ!」
 ⇒「うぁあああああっ」って読んだ。これは、何か指示があったのかもしれませんが……。

★★★匡が二人
フェリシア「実はですね、キョウにこれを飲んでいただきたくて参りました」
フェリシア「なんでも疲労回復の効果があるそうで……是非キョウに疲れを取っていただこうと」
匡・偽「さっきの薬だよ。あれ、一時的に飲んだ人間によく似た分身を作るんだ。もちろん、実体だってちゃんとあるぞ」
 ⇒ネフリティスが与えてくれた束の間の海辺の休日、
   ネフリティス「島で一番豪華な天然温泉の宿に、部屋を用意してある!」
   ネフリティス「地元の名士御用達の高級宿だ。そこで休暇を満喫してくれたまえ!」
   ネフリティス「宿の管理する私有地が海辺にあって、広くはないが手入れの行き届いた浜で海岸リゾートも楽しめるぞ」
  さんざん海で遊んだ後、旅館の匡の部屋での出来事です。実はネフリティスがフェリシアに渡した薬だったのですが、飲んだら匡の分身がって、『魔法少女オリハルコン』かい。この後3Pなわけだが、動画の『魔法少女オリハルコン』の足元にも及ばない出来なので、ちょっと幻滅です。

★★★★★建国祭
フェリシアとの花火観賞シーンで、肝心の花火が見られないのは、最大の手抜きだろうと思う。普通は、盛大に夜空を覆う打ち上げられた花火を見せる演出にするでしょうに! と思っていたら、最後のフェリシアとのキスシーンで、静止画の花火が見られました。ただ、動画として、最初から花火をバンバン打ち上げるシーンとして見せて欲しかった。何のためにコンピュータ上でゲームを動かしていると思ってるんだよって、心底思ってしまいます。ドラマ性、大幅減退イベントシーンでした。盛り上げるべき時に、盛大に盛り上げないでどうするって思ってしまいました。

★★★器、差別
オルフォス「勇者、お前はヒトではない」
匡「!」
オルフォス「身のうちに神の因子を授かり、魂を変容させられ、神の力を受け入れる“器”となった超越者――神の眷属」
オルフォス「お前はヒトの範疇を超え、人外の力を得た異端者」
オルフォス「お前がいくら否定しようと、お前の中にヒトにあらざる力があるのは事実。ヒトはお前を頼りながらその力を畏れるだろう」
匡「……っ」
オルフォス「世界に平和が訪れた後、お前は思い知ることになる」
オルフォス「お前のような異端をヒトは容易に受け入れない」
オルフォス「異端が存在を許されるには、その能力が求められる必要がある。ゆえに――」
オルフォス「お前が認められるには、規格外のお前の力を頼りとする、世界を脅かす強大な敵の存在が必要だ」
オルフォス「外敵がいなくなった時、ヒトの範疇を外れたお前の強大な力を、諸王や為政者は持て余し恐れるようになるだろう!」
 ⇒Fate以来、“器”設定が多くなったのは、気のせいだろうか。基本的に私はSF好きなので、特殊な能力持ちに対する差別設定は定番だとは思っているので、何も違和感はないのですが、普通に考えたら、進化論的には、優越種が差別されて追い込まれるってことは有り得なくて、逆だろうって思ってしまいます。

声優さんの読み間違い
アリア「遺跡の転移陣を使えば、亀裂を超え原野を超え、いにしえの都もひとっ飛び!」
 ⇒「原野」を「野原」と読んだ。文章の雰囲気的に「野原」は変だよね、やっぱり。「原野」が相応しいと思います。


○"アリア"ルート

★成長
アリア「キョウ、わかったぞ。仲良くなろうと必死にアピールするのは逆効果な場合もあるのだな。こうして自然に近づくのが一番いい」
アリア「一方的に自分の気持ちを押しつけるのは、猫の気持ちを考えない行いだ。相手のことを大切に思っていないのと同じだ」
アリア「ずっと独りだったわたしだが、ちゃんと相手の気持ちを考えて行動すれば、これから友達が出来るような気がする」
 ⇒創立祭でアリアとデート時に猫カフェ模擬店に寄ってのシーン。こんな場面で、アリアの成長を語るのかって思ってしまいました。別に悪くはありません。ちゃんと、定番設定を入れ込んでいるのですから。

誤字脱字
アリア「ク、クラスの女どもが、そう言やったのだ。これを着て――」
 ⇒声優さんは「そう言ったのだ」と読んだ。たぶん正しいのでしょうが、ライターさんは、別の言い回しを書こうとしたのかもっていう気もします。

★創立祭の空き教室でのセックス
ト書き:アリアの腰に置いていた手を滑らせていき、脇腹から慎ましい胸までゆっくり愛撫する。
 ⇒こう書いてあるのですが、当然の如く、絵はそうならない。ここが、ゲーム評価の分かれ目になると思うのですが、私は、文章に絵が追随するゲームを高評価するわけですが……。

★夜のデート
アリア「それで、だ! わたしの今の状態が、本当に恋というものなのかを確かめ、かつ、お前をなびかせるためにも――」
アリア「――いまから“デート”に出かけるぞ! 大人しくついてくるがいいっ!」
 ⇒もう、この時点までに何回もセックスしているのだから、今更、"恋"とか"お前をなびかせる"とかアリアの思考パターンおかし過ぎだろうと思ってしまうのですが、こういうのは、楽しんだ者勝ちですよね。せっかくお金出してゲームを買ったのだから、高尚な(?)薀蓄たれてないで、基本、制作者の想いとレベルに合わせてあげる度量が必要だと思うのですよね。でないと、お金出して買った自分が馬鹿だということになってしまいますから。

 ⇒で、結局、次の展開に。
アリア「言われたとおり花を見たが、なにも変わっていないぞ!」
アリア「相変わらず胸がドキドキするし、息が苦しくて顔が熱い! 恥ずかしいっ!」
アリア「お、お前なんて見たくないのに、いないとソワソワするし、いつの間にかお前のことばかり考えてしまう!」
アリア「おい、キョウよっ! わ、わたしは、お前に……恋を、しているのか!? どうなんだ!?」
 :
アリア「今すぐ、この気持ちを確かめる方法を、お前が考えるのだ、キョウ! 反論も異論も認めーーーーんっ!!」
 ⇒まぁ、普通に考えたらキスするって展開だよな~とか考えていたら、少し先に進むとそのまんまでした。
匡「……じゃあ、……キ……キス、してみる、か」
 ⇒私の思考パターンも、制作者と同レベルだったみたいです。情けない。ここは、いきなりパンツおろすとかの発想ができないと、真のクリエイターにはなれない気がします(笑)。『ぬきたし』のライターさんなら、いきなりパンツおろす展開ですよネ! それにしても、その後の展開が、次のとおり。
アリア「うぅぅ……っ、そ、それにしたって冗談が、過ぎるぞ……わたしとお前で、キ……キス、など……」
アリア「家族でもない、他人……し、しかも、男と、女で! こんな時間に、こんな破廉恥な場所で!」
 ⇒いや、これまで家族でもない匡と、アブノーマルな場所で何回もセックスしているだろうって、再度、突っ込んでみるのも、虚しいわけで……。このルートを書いたライターさん、アリアにどういう思考回路を組み込みたかったのでしょうか?

★★★★★建国祭
フェリシアとの花火観賞シーンと同じ演出なんで、不満点も全く同じなのだけれど("フェリシア"ルートよりは花火が見られましたが)、このシーンでのアリアの言葉が、"アリア"ルートで言いたいことの全てを表していますね。
 アリア「先祖の悲願を叶えようと躍起になってきたが、本当はわたし自身がおまえを欲しいと思っていたことに気がついたのだ……!」
 アリア「好きだ、キョウ! わたしのものになってくれ!」
この二つの言葉だけで語りつくせてしまうのが、"アリア"ルートです。どんだけ中身のないルートなんだよ。逆にこれらの言葉だけの内容を、よくぞここまで引っ張ったと、感心してしまうというか、呆れてしまうというか。世の中、嘗めてますね、本当に。
因みに、「先祖の悲願」とは「勇者を我がものにする」ということです。そのため、アリアの締めの言葉も「わたしのものになってくれ!」になってしまうという、感動シーン台無しシナリオときたもんだ。結局、先祖の呪縛からは逃れられない運命のアリアなのであった。そういう意味では、首尾一貫したこのシナリオは、やはり褒めるべきなのであろう。中身ないけど(笑)。

★★★★★魔道王国のアリアの部屋で
匡「俺はアリアのもの、アリアも俺のもの――」
匡「つまり、アリアには俺が必要で、俺にもアリアが必要ってことだ」
 ⇒自国に帰ったアリアを追った匡が言った言葉ですが、いわゆるジャイアニズムの「俺の物は俺の物、お前の物も俺の物」を捩ったわけですよね。建国祭での言葉を受けて、ラストシーンで転換を図ったわけですが、シナリオとしては頑張った方なのではないでしょうか。

★★★★★学園卒業式後のガーデンパーティで
アリア「この先の人生を、お前はわたしと共に歩んでくれるか……?」
匡「ああ、もちろん! この先の俺の人生は全部アリアのものだ」
 ⇒結局、転換むなしくと思っていたら、
アリア「二人で共に手をたずさえ、共に幸せを掴む!」
 ⇒転換成功ってことですね。


○"ルーシィ"ルート

★声優さんの読み方の妙
①ルーシィ「……わたしも」
②ルーシィ「……実はね」
③ルーシィ「……あ……」
④ルーシィ「……確かに」
 ⇒どれも、最初の「……」をどう声で表現するのか、難しいですよね。本来は無音な部分なのですから。そもそも、文章だから表現可能な技法なのに、実際の言葉としての声で表現しなければならないわけですからね。さて、ルーシィ担当の声優さんは、それぞれ次のように表現しました。
 ①「わたしも」の言い方をちょっと工夫したみたい(breath的な何か。私の文章力では表現不能)
 ②「ふっ……実はね」(鼻にかかる溜息的な『ふっ』。語彙が乏しくて御免なさい)
 ③「ぁっ……あ……」(②に同じ。「あ」も直後の「……」を考慮して「あっ」って読み方でした)
 ④「んっ……確かに」(②に同じ)
本当なら、全部、①みたいな読み方をするべきなのかもしれないのですが、技量が及ばなかったのか、前後の文章の流れから、声優さん的には②③④では声に出す読み方が良いと判断したのかは、私には知見がないので分かりません。ただ、この声優さん的には、いろいろ工夫しながら表現しようとしているってことは分かりましたので、きっと、出来る声優さんなんでしょう。

★ルーシィの秘密
ルーシィ「わたしね、今とっても幸せ!」
ルーシィ「だって、わたし……これまで本当に心から打ち解け合えるお友達って、どうしても作れなかったから」
ルーシィ「昔、ちょっと色々あったの……」
 ⇒このライターさん、冒頭から飛ばしますね。アクセル全開です。ドラマチックなストーリー展開とそれを強調する書き方が好きなんでしょうか? いつでもこのスタイルなら何ですが、ルーシィのキャラクターに合わせて書き方を変えたのなら、出来るライターさんですね。そう思って読み進めると、
ト書き:――それは、彼女の友達が飛行魔法を練習している時のことだったそうだ。
ルーシィ「わたしが『頑張れー!』って応援した瞬間、友達は空中から落ちてしまったの……」
ルーシィ「わたしの応援で、魔法が失敗してしまったみたいに……ね」
ルーシィ「そしたら、周りからもね……『あの子が応援した途端、落ちる』とか、『不吉ね。ひょっとしてあの子、不幸を呼ぶ娘じゃない?』なんて……」
 ⇒主人公とルーシィの最初の出会いのシーンが、ここに繋がるのか。全体構成を考えてストーリーを錬ってますね。やっぱり出来るライターさんなのか? 今後の展開に期待を持たせる冒頭です。

★テキストの間違い?
ルーシィ「そういうわけだったんだ……もうっ、ギルド長もやりすぎよ」
 ⇒「ギルド長」を「ネフリティス先生」と読んだ。まぁ、指示があってそうしたのでしょうから、テキストの間違いでしょうね、きっと。他のルートのテキストはどうだったのかな?

★学園武闘大会
ルーシィのレアスキルであるパワー増幅能力が、ちゃんとダンジョンパートの戦闘シーンでのルーシィのスキルに対応していて、ちょっとビックリしちゃった。ちゃんと整合性がとられていることに対してね。実際、ゲーム部分では活用させてもらったし。

★★★ルーシィと最初のセックス
ト書き:肉づきのいい量感たっぷりの乳房。可憐な野苺を連想させる綺麗な乳首。陰毛が淡く生えそろった薄桃色の秘所。
ト書き:ざりっとした陰毛の感触が指先に伝わり、胸がドクンと高鳴る。
ト書き:陰毛を指先でかき分けながら、割れ目を指の腹でそっと撫でる。
 ⇒ここのセックスシーンの文章は、全体的になかなか良いのですが、これらの文章は特に良い。「陰毛が淡く生えそろった」、「ざりっとした陰毛の感触が」、「陰毛を指先でかき分け」って所が。これまでの私のエロゲー人生で、「陰毛」について言及した文章は、これが最初かもしれません。3箇所も「陰毛」について触れているのですから、ライターさんの好みなんでしょうね。それなのに絵の方は、ぜんぜん「陰毛」を描写してくれません。そもそもエロゲーって、陰毛が描写された絵の方が圧倒的に少ないですからね――エロゲーなのに。
  だから、このシーンの絵におけるルーシィの秘所に、「陰毛」が描写されていないのが、本当に残念でなりません。まぁ、VisualArt's のブランド作品に、それを期待しても無理があるのかな。このライターさんは、ちゃんと「陰毛」を描写することを厭わないブランド作品のシナリオを手がけるべきですね。でないと、シナリオと絵の相乗効果が全く期待できないでしょうから。

※3回目や5回目のセックスシーンでも、以下の描写がありました。
3回目:愛液でしっとりと濡れた陰毛や薄桃色をした肉の割れ目、その上部のぷっくりとしたクリトリス。
5回目:両手でグッと尻の割れ目を開いているため、陰毛に覆われた薄ピンク色の性器や、その上部でヒクヒクと震える尻穴までが完全に丸見えになっている。
 ⇒きっとこのライターさんにとっては、セックスシーンにおける「陰毛」が、料理におけるスパイスに匹敵するのでしょう(笑)。でも、フェチレベルにはぜんぜん達していませんね。私なら、

「汗に濡れそぼった陰毛を手櫛で梳きながら、指の間に抜き挟まった一毛の、微かな匂いに嗅ぎ浸りながら、唾液で潤んだ舌の味蕾でトレースし、その食感を余すところなく味わい尽くした」

くらいの変態フェチレベルでの描写にしたいところですね(笑)。因みに、文筆家でもない私に、文学的香りの文章を求められても困りますので、悪しからず。

ト書き:ずちゅ、と濡れた音を立て、花びらを内部に巻き込みながら、俺の指がルーシィの内部に沈み始めた。
ト書き:熱い――生まれて初めて感じる、女の子と内部の熱。
ト書き:温かな粘膜を指の腹で引っかけるようにして愛撫すると、ルーシィの下半身がビクンと跳ねた。
ト書き:その振動が膣の中にまで伝わり、ただでさえ狭い膣内がいっそう狭苦しく収縮して俺の指を食い締める。
 ⇒全体的に、ずっとこんな描写が続くのですが、文章が上手いですね。正直、”アリア”ルートをやり終えた時点では、残りの2ルートは「駄目だな、こりゃ」って感じに陥ってしまったのですが、全くの杞憂でしたね。このルートは、かなり期待できそうです。

ルーシィ「キョウくんがわたしの中に入ってる……なんだか、不思議だね……」
ト書き:感慨深げにつぶやくルーシィに釣られて、俺はあらためてお互いの性器が繋がり合った結合部を見下ろした。
ト書き:ひっそりと閉じていた花弁は驚くほど大きく伸び広がり、怒張したモノを付け根まで受け入れている。
ト書き:ペニスの表皮に、ひく、ひく、と震える熱い襞肉の感触が伝わってくる。
 ⇒いや~、このライターさん、やっぱり良いよ。細かな機微の描写ってのが、分かっているよね。一生、付いて行きます、わたくし(笑)。でも、誰がどこを担当したのか分からないので、現実には付いて行けないのだけれど。本当に、どのライターさんがどこを担当したのか、公開しろよって思ってしまいます。

ト書き:開いた唇からチロリと覗く赤い舌や、そこから垂れ落ちる透明な唾液がやけにエロい。
 ⇒「チロリと覗く赤い舌」とか「垂れ落ちる透明な唾液」って記述が、私の魂をくすぐります。
ト書き:周囲に生々しい淫臭が振りまかれ、いやらしい気持ちが加速する。
 ⇒「淫臭」を「匂い」なんて書かれた日には、とても幻滅しただろうけど、いいよいいよこのライターさん。ますます気に入りました。
ト書き:ぐっと降りてきた子宮口に亀頭を擦りつけるようにして、高ぶりきった射精感のままにペニスを痙攣させる。
 ⇒「子宮口に亀頭を擦りつける」って書いてくれるのが良いよね。この手の記述は良く見かけるのですが、やっぱり書くことが重要だと思います。
ト書き:今までの人生で味わったどんな快感よりも圧倒的な愉悦が腰骨から背骨へ、さらに背骨から脳髄に向かって一直線に駆け抜けた。
 ⇒いや~、なんかラストスパートって感じの描写がなんとも。実際、この文章を絵にはできないとは思うのですけどね。感覚の記述だから。
ト書き:俺が発する快楽のうめき声と、ルーシィが漏らす愉悦の嘆声が重なり合い、淫らなハーモニーを奏でる。
 ⇒なんか料理番組の試食解説みたいなノリになってきて、楽しくなってきたんですけど(笑)。ぶっちゃけ、本ゲームの今の構成では、2ルート目から共通部分をスキップしたら、殆どエロシーンの連続にしかならないわけですからね。つまり、エロシーンがつまらなかったから、「はい、アウト!」なわけです。

★汚されちゃう
ルーシィ「このスライム、わたしの中に入ろうとして……ううっ、このままじゃ身体を、汚されちゃうっ……!」
 ⇒ルーシィの声優さんは、この場面での「汚されちゃう」を、ちゃんと「けがされちゃう」と読みましたね。しかし、大概の声優さんは、こういう場面での「汚されちゃう」を「よごされちゃう」と読むのですけど、何故でしょうか? そういう場合、本当に幻滅してしまいますよ、わたくし。文章の意味、分かって読んでないだろうって。

★スライムの催淫効果でのセックスシーン
この場面での個別ルートは、どれも同じく騎乗位シーンなのですが、ルーシィはダイナマイトボディーだから、やたらとエロい。でも、エロく見える本当の理由の本質は、よく見ると、自分の背面から左腕を回し、お尻側から手の平で主人公の肉棒を握った上で、自分の膣に挿入しようとしている行為を、描写させているからでしょうね。それも、しっかり5本の指で握っている描写ではなくて、3本(最初は「親指、人差し指、中指」かと思ったのだけれど、自分で手頃な棒を握って確かめてみた結果、「親指、中指、薬指」だと判明)の指が、微かに見える程度というこだわり方が、なんとも私のエロ心をくすぐります。

ところで、ここまで”ルーシィ”ルートは、誤字脱字もなくて、本当に完璧だったのですが、ここで痛恨のミス発見。なんと、セックス後のトークで、
匡「まあ、とにかく……反省だな。今度は周囲にも気を配ろう……」
ルーシィ「そ、そうだね……わたしも、気をつける……」
匡「…………」
フェリシア「…………」
ト書き:俺とルーシィは繋がり合った体勢のまま、見つめあい。黙り込み。
 ⇒「フェリシア」って、覗き見でもしてたんかいって思ってしまったじゃないですか。勿論、「ルーシィ」の間違いなのですが、エロゲーやってて、初めて遭遇したな――こんな間違い。それとも、間違いではないのでしょうか? それはそれで、驚くべき展開なのだけれど。”フェリシア”ルートでのゴースト音声といい、品質管理に相当な問題がありそうですよね、このブランド。

最後に、スライムによって服を溶かされちゃったルーシィのその後が、本当に気になって気になって仕方がありませんでした。
ト書き:――その後、はぐれた仲間達との合流を果たした俺達は、皆と共に迷宮攻略を再開した。
 ⇒スライムに服を溶かされちゃって、替えの服装、どうしたのかなって思ってしまった私は、制作者にとっては、嫌なクレーマーなのでしょうか。いや、実際問題、どうしたのでしょう。替えの服装、持ち歩いていたってことなんでしょうか? 謎です(笑)。まさか、まっぱで迷宮攻略を再開し、そのまま帰ったのだろうか?

★★★ルーシィが勉学に励む理由
勿論、一流の探索者になりたいからなのですが、なぜ探索者になりたいのかは置いといて、ここでの私の興味は、親に探索者になることを反対され、探索者育成学園の試験に不合格なら諦めるとして挑んだ試験に、
 ト書き:『絶対に合格は無理だろう』と両親が考えて許可してくれた入学試験に、ルーシィはぎりぎりながら見事合格。
ってところです。なぜなら、そもそも必死で勉強して入試に挑んでさえぎりぎりでしか合格できないような人が、学園で同学年の最上位クラスに選抜されるわけがないからです。そのため、ここはもっと辻褄の合う理由の書き込みが必要だったのではないかと思いました。

★★★★★成長
ト書き:共に歩んで、成長していこう――心の中で、そう強く誓った。
 ⇒二人で一緒に成長ってところが良いよね。パートナーって言葉が、一番フィットするルートかもしれないです。

★試験前のルーシィとの勉強会
むらむらしての4回目のセックスシーンで
声優さんの読み間違い
ルーシィ「先っぽが、ああっ……ふあぁぁっ……蕩けちゃ……ううっ、んっ……」
 ⇒「蕩け」を「とけ」と読んだ。正しくは「とろけ」。ここまでは完璧な読みだったのに、残念でした(笑)。出来る声優さんの称号、返上ですね。そもそも、このシーンで実際に身体が溶けちゃたら、大事でしょう。ここでの意味は、「心を奪われる」という比喩表現として使っているのですから、読んでで変だと思わなくちゃ。

★創立祭
ト書き:菓子作りで貢献したことでクラスの皆にも感謝され、ルーシィのクラス内での評価はさらに向上したようだ。
ルーシィ「ありがとう、キョウくん。こうしてみんなと楽しく過ごせるのは、全部キョウくんのおかげだよ……」
 ⇒ルーシィの心の傷解消に貢献した成果ってことですね。それにしても、引っ張りますねぇ、この話題。

★創立祭でのセックス5回目
絵が、またペニスを握っているよ。しかも今回は右手で。ルーシィの利き手はどっちなのかな。基本的に、ルーシィはペニスを握るのが好きって設定なんですかね。

ト書き:亀頭の先からあふれたトロトロの先走り液が、周囲にプンとした青臭い匂いを振りまいている。
ト書き:髪に付着した精液からはプンと生臭い匂いが漂ってきて、淫靡は気分をますます高める。
 ⇒射精先の選択肢における各ルートでの記述ですが、「青臭い匂い」や「生臭い匂い」での「匂い」は、個人的には変だなって思ってしまいます。そもそも「におい」って、心地よいにおいが「匂い」、不快なにおいを「臭い」として区別する場合が多いと思われます。だとすると、「青臭い」「生臭い」もののにおいが、一般的に「匂い」として良いのかどうか。いや、世の中には「くさや」「ドリアン」「シュールストレミング」が、美味だという人がいるではないかと反論される方がいるかもしれませんが、味はともかく、においが心地よいという意見は殆どないのではと思うのです。それ以前に、そもそも「臭い(くさい)」のに「匂い」とは、これ如何にって感じです。

誤字脱字
ト書き:まるで噴水のように勢いよく吹き出る射精の光景を、ルーシィは目を瞬かせて見つめている
 ⇒文章の最後に句点がない。普段なら記載したりしないけれど、本ルートは、ここまで殆ど誤字脱字がないので、記載してみました。

★★★★★初めてのキス
ルーシィ「あ、あのね! 言っておくけど、わたし、男の子にキスするなんて、これが初めてなんだからね……!?」
 ⇒他のルートでもそうなのだけれど、もう5回もセックスしておいて、「キスするの初めて」なんて言われてもねぇ。これって風俗嬢はキスしないっていうことの、なんちゃって純愛版ってことなのでしょうか。何しろ、やってることは五十歩百歩ですからね。つまり、何回もセックスしてから、キスをする。これって、多数とやってるか、特定の一人とやってるかの違いでしかないわけで。そういう意味では、ぜんぜん純愛じゃないよね、この作品。忘れそうになりますが、そもそもセックスしている理由も、「心が穢れに侵食されるの防ぐため」っていう大義名分のためですからね。

★★★船室?
ネフリティス「ふふ、そいつは重畳。宿に食事の用意もある。君達のために趣向を凝らした料理だ。期待してくれ」
 :
ト書き:作戦行動に間違いないか軽く確認すると、以降は各自でゆっくり休みを取るよう早めの解散となった。
匡「ふうっ、楽しかったな」
ト書き:存分に海で遊んだ後、俺は船室に戻って一息ついていた。
 ⇒いつの間に、宿から船室に移動したんだ。作品の展開がさっぱり分かりません。そもそも、この後、ネフリティスに薬を盛られたルーシィが匡が泊まっている部屋に駆け込んで来て、セックスし始めるわけですが、次のとおり。
ト書き:先ほどよりも格段に愛液の分泌量が増しているんだろう、互いの性器がこすれ合うたびに、いやらしい水音が船室に鳴り響く。
 ⇒どうやら匡の部屋は船室らしいことが判明。ところが、その翌日にネフリティスに合った場面での会話は次のとおり。
ネフリティス「ふふ、確かに星の美しい夜だったが、窓を開けて過ごせば艶めいた声が隣の部屋にも届くぞ? 気をつけたまえ」
 ⇒この場面の背景は、宿の1Fなんですけど。どこから船室が? わけ分かりません。他のルート、どうだったのだろう。ぜんぜん覚えていない。(^^;

★拙い
ト書き:――拙い、やられた……! 障壁を何枚か抜かれた!
 ⇒「つたない」って、どういうこと? 調べてみたら「まずい」という読み方もできると知ったのでした。普通、「拙い」って書いたら「つたない」としか読まないでしょう。「まずい」は、漢字を使うのなら「不味い」と書くでしょうに、普通は。と、自分の無知ぶりを棚に上げて、ライターさんを恨む私であった。

誤字脱字
ルーシィ「ふふ! あーあ、それにして残念だなあ。磨き上げた玉の肌をキョウくんに見てもらえないのは」
 ⇒それにしても。声優さんは正しく読んだ。

★花火大会
誤字脱字
ト書き:(我ながら堅くなりすぎだろ……落ち着け、俺)
 ⇒硬く。理由は、"フェリシア"ルートでの誤字脱字で書いたのだけれど、この場合は、
  「外見がこわばって柔らかみがない。また、緊張していてぎこちない」の意味の場合は、「硬」を使うのです。例(硬い表情)

★二人でお風呂
花火大会を見て帰宅後
ルーシィ「すごい、こんなにたくましいなんて……!」
ト書き:ルーシィの声に混じる感嘆と畏怖。
ト書き:そうか、ルーシィにとっても、こんなに間近で、明るい場所で俺のモノをじっくり見るのは、初めてに近いのかもしれない。
 ⇒創立祭の時、日中の明るい教室でセックスしてただろう。しかもフェラチオだったから、今よりもっと間近で、じっくりと。これは、考慮不足の記述ミスですね。いくら「初めてに近いのかも」って書かれても、言い訳にもならないでしょう。


○"イリス"ルート

★★★★★我が子
冒頭で、ペンダントに書かれている内容について触れています。

 イリス「――『生まれた我が子に、女神の守護のあらんことを』」
 イリス「母親が我が子のため女神に捧げたよくある祈りの聖句。それが、今はもう使われていない古代語で刻まれている」
 イリス「……あなたの親は、あなたの幸せを祈っていた」
 匡「幸せを願いながら、子供を捨てるのかよ……っ」

概要感想で、本ルートのライターさんは、「仄めかす程度に抑えるを徹底」と書いたのですが、これを書きながら、今やっと気がつきました。ペンダントは単なる謎解きのアイテムとして用意したのではなくて、「子供」や「我が子」っていうキーワードが、本来のテーマなんだと。ちゃんと冒頭から伏線張って、ラストに繋げていたんだって。この冒頭だけ読んだだけでは、このライターさんの凄さは分からないのだけれど、後のストーリー展開で分かります。最後のセックスシーンで、次のように述べているのです。

 ト書き:最後の一滴まで出し尽くし、長かった射精がようやく終わった。
 イリス「お腹の中、温かい……」
 ト書き:イリスが愛おしそうにその白い腹部を撫でる。
 イリス「子ども、出来ちゃったりするのかな……」
 イリス「キョウとの赤ちゃん、出来てたら嬉しいかなって……」
 ト書き:潤んだ瞳のまま、イリスは俺を見つめた。

私は、この場面「何かの伏線ですかね。ラストシーンでですかね、やっぱり。これよりずっと前の、街で子供を一時的に預かったシーンで、既に伏線張ってましたからね。その時点で既にピーンと来てしまいましたが、ここでダメ押しですからね。間違いないでしょう」とメモったのですが、間違いでしたね。(^^; 考えが浅はかでした。そもそもラストシーンに赤ちゃんが生まれるシーンなんか無かったし。このライターさんは、そんな茶番を書きたかったわけではなくて、匡やイリスの生い立ちから、輪廻転生とはまた違った、次代に引き継く「生命」と「継承」の意味と意義を問いたかったのだろうと思います。

誤字脱字
ト書き:ふと、イリスの言葉を違和感を覚える。学園で知り合ったばかりの相手が口にしないようなことを言ってるからだ。
 ⇒言葉に。

★「……」の読み方
イリス「っ……!」
 ⇒「ぁっ、はぁ!」みたいな。「はぁ」は鼻から息を吐く感じかナ! 基本的にイリスの声優さんは、三点リーダーは吐息的に表現していますね。

★「ずつ」と「づつ」
ト書き:そうするうちに、イリスの表情からは苦痛の色が少しづつ薄れていた。
 ⇒今や「づつ」と書く人の方が、多くなりつつあると感じています。恐らく、キーボードでローマ字変換する場合、「d+u」が「z+u」より打鍵しやすいことも影響していると思います。ただ、「現代仮名遣い」では「ずつ」が本則(正しい使い方)なのですから、歴史的仮名遣いがメインになりつつある現状は、どうなのよって、いつも思ってしまいます。

★ここの担当ライターは、エッチシーンの文章が上手くない
イリス「い、痛くはないけど……あ、やぁっ……キョウのが奥に届くたび……身体、おかしく……っ!」
 ⇒私は、三点リーダーを多用する文章は、基本的に嫌いです。読みづらいから、声優さんの読みもたどたどしくなるし。

★最初のセックス後
匡「魔法薬が原因とは言え、とんでもないことをやらかした! 何もかも俺が悪い!」
匡「イリスは許してくれたけど、俺は自分を許せない。だから――頼む!」
匡「俺に何でも命じてくれ! 償わせて欲しいんだ……!」
イリス「これはあなたと私が望んだこと。あなたに罪はない。私は傷ついていない」
イリス「誰にも譲りたくないから、私はあなたを受け入れた。強制されたことじゃない。全ては私自身が選んだこと」
 ⇒他のルートも同じなのだけれど、私だったら、「じゃあ、死んで!」って、最初は冗談としてヒロインに言わせると思う。他のルートと違って、「誰にも譲りたくない」って本音を書いたのは評価できるかな。

★★イリスは甘えられるのが好き
イリス「でも、あなたが甘えてくれたら、もっと嬉しい……」
 ⇒「イリスは、見た目の子供っぽさとは正反対に、母性愛に満ちた性格らしい。最初のセックス時の考え方も、それに起因しているということかな」とメモったのですが、イリスの生い立ちが分かると、母性愛なんていう単純なものではなかったことが、後に判明するのです。

★★★イリスとは
ト書き:しかし、イリスはなんだって、こんなに俺の面倒を見てくれるのだろう?
 ⇒やはり、ここが最大の疑問点かな。きっと、匡の生い立ちを知っているからなのだろうけど。
イリス「今の私は、自分を大切にするなんてことは、必要ない……」
イリス「一番大切なのは、キョウ、あなたなの……」
 ⇒ここまで匡に入れ込む理由が、本ルートでのキーポイントですかね。
※上記は、その時点での私の感想なのですが、イリスの真実を知らないなりに、確信はついていますよね。

・穴に二人で落ちた洞窟で
★★アナルの奥って何処?
イリス「んっ、はぁぁっ……! あ、奥、届いて……っ」
 ⇒膣なら奥は膣口で行き止まりだから、「奥、届いて」で意味は通るのだけれど、肛門の中の直腸の行き止まりって何処よって思ってしまいます。やべ~、なんか直腸検査を思い出しちゃったよ。

★★★二回目のセックス
ト書き:肉棒全体が膣壁に包まれると、イリスは熱い息を吐いた。
 ⇒この文章は変。「肉棒全体が膣壁に包まれる」のは匡なのに、この文章の主語はイリスなのです。つまり、肉棒全体が膣壁に包まれたかどうかを判断する(できる)のは飽くまで匡なのに、イリスが判断している文章になっているのです。従って、読点の前後が関連性のある一つの文章とするなら「肉棒全体を膣壁で包むと」のように飽くまでイリスが主体で判断する(できる)ようにするか、「匡は肉棒全体が膣壁に包まれる。イリスは熱い息を吐いた」のように、前後の順番だけを示す関連性のない二つの文章に分けるかのどちらかになるのではないでしょうか。

★かき抱く
ト書き:イリスの腕が、俺の頭を強くかき抱く。
 ⇒他のエロゲーのシナリオでもあったのですが、「かき抱く」に「強く」と修飾するのは変だと思うのです。なぜなら、「かき抱く」自体が「強く抱く」ことを意味するからです。そのため、もし修飾したいのなら「ひしと」とかになると思います。

★★夜のデート
イリス「……命は、儚いから。すくっても、すくっても、指の隙間からこぼれてしまう、水みたいに……」
匡「……今はこぼれたりしないで、しっかりイリスに抱かれてるだろう?」
イリス「……うん。でも、失われたものは戻ってこない。それが、大切であればあるほど、とても哀しくて、辛くて、苦しいもの……避けたいもの」
ト書き:イリスに昔、何があったのかはわからない。だが、深く傷つく何かがあったことだけはわかる。
 ⇒デートなのにシリアス。今後、イリスの過去が明らかになるのが、とても楽しみ。

★★★中間の学力考査試験前の教室でのセックス
匡「そっか。じゃあ……まずはこっちからな……?」
ト書き:そう言って、左手で臀部からイリスの薄い胸に持っていく。
 ⇒ロッカーに二人で入っての後背位なんですが、絵がちゃんと文章に追随して、左手が尻から乳房を揉むようになるのが良いよね。こうでなくちゃ。

★創立祭でのセックス
特に語ることはありません。メイドとご主人様っていう設定のコスプレエッチ

★★★イリスの秘密
夜、二人で寮を抜け出して街へ。王都の大通りを経て、王都中心部に造られた、憩いの場――中央庭園。そこで、匡がプロポーズ。
 匡「なあ、イリス。俺は望んでもいいか? これからもイリスと一緒に居たい、ずっとイリスの隣に居させて欲しい――って」
それに対して、イリスが語る衝撃の事実。
   :
   :衝撃の事実は省略
   :
 イリス「今はまだ言えないけど、いつかあなたに全部話す。それまで待って欲しい」
となったのでした。

★皆で露天風呂の後、イリスとテラスでお茶
イリス「キョウ。今もまだ、私を戦いに巻き込んだと思ってる?」
匡「…………」
イリス「それは違う。巻き込まれたんじゃない、私は望んでここにいる」
イリス「巻き込んだなんて思い違い。むしろ屈辱。これは私の戦い」
イリス「あなたと共に戦うため、私はここにいる。あなたの力になるため、私はここにいる」
イリス「私を使って。それが私の心からの望み」
 ⇒イリスを突き動かす原動力は何なのか。その秘密を早く知りたいです。

★★★建国祭での花火
イリス「……綺麗……」
ト書き:頭上に次々と大輪の華を咲かせる祝いの花火を見上げて、イリスはうっとりと呟く。
 ⇒花火が光っているのを、間接的に点滅させているだけで、実際の花火の描写はない。どこが「次々と大輪の華」なんだよ。他のルートも大同小異、似たようなものだけれど、いいのか、こんな演出で。ケチりすぎだろう、まったく。
  と思っていたら、この後の匡の告白シーンで、4回も盛大に花火が揚がっていました。それも、花火の打ち上げが終わった後に。どういうこっちゃ?

★★★★★匡の告白とイリスの真実
花火終了後の場面で、やっと。私は、イリスがアンドロイドだと想定していたのだけれど、それ以上でしたね。何かは書きませんけど。

ト書き:祭典を締めくくる最後の一発が華々しく散ると、名残を惜しむ吐息と共に、花火の残光は消えた。
 ⇒この後、他のルートよりも盛大に4回も花火が揚がるんですけど、どないして? 明らかに上記の文章と矛盾しますよね。

誤字脱字
イリス「幾つもの世界を食い潰した<深淵(アビス)>の異神を、上位者は脅威とし見なし、警戒した」
 ⇒脅威と見なし

延々とイリスの生い立ち説明があった後、
匡「好きだ、イリス」
 ⇒ここでやっと告白です。
イリス「キョウ、私もあなたが好き……!」
匡「イリス……!」
ト書き:同じ気持ちだったと確かめたことで感極まった俺は、気がつけばイリスを抱き締めていた。
 ⇒ここで、匡がイリスを抱き締める一枚絵。
  ◆花火1回目
ト書き:嬉しくて幸せで堪らなくて、俺は抱き潰してしまわないよう気をつけながら、精一杯の力でイリスをかき抱く。
  ◆花火2回目
イリス「私が怖いのは、あなたに嫌われること……それだけなの……」
匡「イリス……」
匡「……そっか。イリスと俺はそんなところも一緒なんだな」
イリス「え……?」
  ◆花火3回目
匡「ずっと俺の傍に居てくれよ、イリス……」
イリス「……っ、うん、わかった……!」
  ◆花火4回目
イリス「キョウ、ずっとあなたの傍にいる。離れない……!」
ト書き:そう言って、泣きそうな笑顔で俺の胸に縋りついてくるイリスを、俺は黙って抱き返した。

※他のルートより演出を頑張ったのは分かるのですが、「祭典を締めくくる最後の一発が華々しく散る」って最初の段階で書かれた後の告白シーン後に、花火が何発も揚がるのは、いかがなものか。

★★★この後、二人でセックス
イリス「ん……ちゅ……」
ト書き:恐る恐る触れるだけのキス。ただそれだけなのに、なぜか胸はやたらと高鳴っていた。
匡「キス、初めてだな……」
イリス「うん……そうだね……」
ト書き:何度も身体を重ねてきたのに、キスが初めてというのもなんだかおかしな話だ。
 ⇒本当にそう思う。他のルートのライターさんと違って、書いてくれたのは評価するけど……。★
イリス「あの……もう一回して……」
匡「ああ……」
ト書き:再び、唇を触れ合わせる。
イリス「んふ……ちゅ……ふ……」
ト書き:今度は、イリスの柔らかな唇を軽く啄ばむようなキス。
ト書き:不慣れなキスにも、イリスは熱い吐息を漏らして反応する。
 ⇒このキスシーン、他のルートと違って、イベント絵なしなんですけど。真っ黒背景にテキストが表示されるだけなんですけど。こんなのあり? ★
匡「服、脱がせるぞ……」
 ⇒ここでやっとセックス用の一枚絵。キスシーンの絵の変わりに用意したって感じですかね。良く見たら、背景の空、花火が盛大に揚がっているんですけど、それもずっと消えない、しかも無音で(笑)。そもそも、花火の打ち上げは、とっくの昔に終わってるんだってば……。 ★
イリス「約束……これからも、ずっと一緒」
匡「ああ、ずっと一緒だ」
 ⇒テンプレですね。ずっと一緒。 ★


○"ハーレムルート"&"ラスボス敗北ENDルート"

★勇者の伴侶
ハーレムルートは、ルーシィが結構しゃしゃり出るのですが、
 ルーシィ「うん、それでいい。みんながあなたを失うくらいなら、みんなであなたを手に入れる方がずっといい!」
 ト書き:力のこもったルーシィの言葉に、皆が揃って同意の頷きを返す。
 ルーシィ「それじゃ、キョウくん――ううん、わたし達の旦那様! あなたの妻としてこれから末長くわたし達をよろしくね?」
この文章、私は、直感的に「『末長く』は『末永く』じゃないの?」って思ってしまいました。そのため調べてみたところ、
  長い:時間に限りのあるときに使う
  永い:時間に限りのないとき(終わりのないとき)に使う
という違いがあるため、「いつまでも終わりを迎えることなく、ずっと続いてほしい二人を祝福するときに使う言葉は『末永く』が適切。『末長く』では、漢字本来の意味として『そのうち終わるんだろうけれど、出来るだけ長く続くといいね』というニュアンスになってしまうので注意」という説明を見つけました。しかし、「人は必ず死ぬ」という不変の真理があるため、実態に即すと「末長く」が適切となるのかもしれません。それでも、これは気持ちや印象の問題ですからね。

★休日の過ごし方
ト書き:王都エルトリア――王国の都で俺達は出会い、仲間となった。俺たちの全てがここから始まった。ここは始まりの場所だ。
 ⇒「始まりの場所」って言葉は、ハーレムルートの場面にはぴったりだよね。
匡「もう一度、全員の希望を聞くぞ。まずはフェリシアはどこへ行きたい?」
 ⇒一人ずつ確認すると全員違う希望を述べて、収拾が付かなくなり、
匡「全部行くことにしました!」
匡「どれか一つだけなんて選べないし、せっかくの休日なんだから、一日かけて回れば大丈夫。たっぷり楽しめると思う」
 ⇒八方美人で優柔不断な主人公なのであった。いやそうじゃなくて、このシーンをもっと膨らませて、本格的なハーレムルートを作るべきだっただろうって、心底思ってしまいました。

★「抱く」の読み
声優さんの読み間違い
ネフリティス「君を抱く闇は、とても居心地が良いだろう……?」
 ⇒ラスボス敗北ENDルートでのこの文章。「抱く」を、声優さんは「いだく」と読みました。私は「だく」だと思ったのだけれど……。なぜなら、
   だく :物理的なもの(形のあるもの)に対して使う
   いだく:感情など抽象的なもの(形のないもの)に対して使う
  という違いがあるためです。ここでの「抱く」対象である「君」は、「匡」のことですから人です。つまり、物理的な形のあるものなのです。だから「だく」と読むのが正しいと思います。「だく」行為をするのは、形のない闇だけれど(笑)。
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以上、最後までお読みいただいた方々、お疲れ様でした。