「満腔、満腔、満腔」と連呼する器量と技量があるのなら、認めましょう。相変わらず、小難しい言葉を並べやがって! これだからインテリは…。
どうせ世間は、「つり乙2」か「かみまほ」だろうし、どちらも第二弾修正パッチくらいは出るだろうから、後でゆっくりやろうと心に決め、宅配で一緒に届いた3つのパッケージから、何のためらいもなく本作を掴み、「重っ!」。他の2つ「軽っ!」。ビジュアルファンブック、重いぞ、重すぎだぞ。重いので、3つのパッケージの中では、一番、お金がかかっている様に感じてしまう。そりゃ、ゲーム+ドラマCDが1,800円で残りが3,000円の配分なら、さもありなん。
ただ実のところ、私的にはゲームだけできれば良かったのだが…。ダウンロードがネックで、仕方なくコンプリートブックを買う羽目に。
パラパラとめくっていたら、完甘千人の説明の所で「<プレント>管理」なる一文が目に飛び込む。プレントって何?って思ったら、プラントの誤植なのね。一瞬、そんな用語あったっけと真剣に思い悩んでしまった。それ以前に、"完甘"が"甘完"になっているのですが。
それにしても、アペンドディスクかと思ったら、これ単体で独立して動くのね。「体験版か製品版と合わせて、お楽しみください」って書いてあるから、勘違いしてしまった。
ところで、私、今回、一番、不可思議なのは、パッケージの装丁などに使用されている絵です。菱吾どこいったの、菱吾。なんで、美鳥と朔なの。えぇ、分かってます。そっちの方が販促に都合が良いからなんでしょう。でも、そういう一貫性のない、いい加減さが、品質を駄目にする要因になっていると思います。ポリシーないんですか、ポリシー。
今回も、起動メニューに「取扱マニュアル」があったので、前回同様にチェックしてみたのですが、相変わらずの駄目っぷり。(10)項目以下の内容のずれ等は直されましたが、肝心の(10)が何かを示す項目名称「システムウィンドウ」の表記がない。もう、ここの担当者、一遍、死んで下さい。
また、前回もそうなのだが、実際の取説のタイトル表記は「取扱いマニュアル」なのに、起動メニューでの表記が「取扱マニュアル」なのは表記上の一貫性がなさすぎる。こんなのが積み重なって、誤植が横行することになるんじゃないのと思う。ゲーム以外の付加価値分のお金を上乗せするのなら、せめて誤植撲滅運動でも展開して欲しいです。
誤植といえば、今回も、いろいろ楽しませてもらいましたよ。
例えば「両家の子女の美鳥」とか「すぐる入学初日」とか「至近距離距離」とか。
さて、愚痴はこの位にして、実際のゲーム内容ですが(といっても、美鳥と菱吾しかないのだが)、私は、次の様に感じました。
美鳥ストーリー:やはり、企画当初から存在していて、都合でカットされた。本来は本篇にあるべきルート
菱吾ストーリー:他のルートが完成してあることを前提とした、今回のために新たに作成されたもの
私の本篇に対する長文感想は「76点:何かが足りないと、私の本能は告げた」です。
「何かが足りない」とは暗に美鳥ルートのことを指していた訳ですが、大正解だと思いました。やはり、本篇には美鳥ルートを入れるべきだったと。
実際、今回の美鳥の話は、それなりの出来だったと思います。対して菱吾の話は、私が期待したものでは無かったです。私は、過去の成田との大冒険を読みたかったです。その大冒険を踏まえての菱吾と成田の感動のフィナーレ、そう思ってやり始めたら、あららのらーみたいな。この内容なら、敢えて菱吾ストーリー、作る必要があったのかなと。
私は、美鳥⇒菱吾の順にやったのですが、本来、作る必要もなかった菱吾ストーリーを敢えて作成したのだとすると、それなりのインパクトのある内容でないといけないと思います。こんな他ルートの回想録みたいな作りで、お茶を濁している場合ではないのでは。期待していただけに、非常に残念です。
まぁ、本来存在すべきだった美鳥の話だけでも読めて、良かったと思うべきなのでしょうかね。
ライターの文章は、相変わらずの冗長さなんで、やはり戦闘シーンは、テンポ的に辛い。私は速読ができないので、文章が長いと、場違いな状態に陥ってしまいます。別に文章が長いのは構わないのですが、シーンに合わせた、書き分けが必要なのではと思う。
例えば、『なないろリンカネーション』のライターの簡潔で読みやすい文章と比較すると、正反対ですよね。ななリンのライター、文章の書き方をきちんと勉強しました的な感がありありなのに対して、本作のライターは、色々な小説を読み耽った結果、ライターになったって感じですよね。どちらが個性的な文章かの評価は措いといて、シーンのテンポに合わせた、文章の長さの書き分けはして欲しいかなと。
点数は、美鳥は78点を付けても良いですが、菱吾は残念なできで62点くらい。そのため、本作としては70点です。演出面はどちらもすごく良いので、それに救われたってところでしょうか。
以下、美鳥、菱吾ストーリーの個別感想を記します。
ゲームやりながら、その場で思いつくままメモったままなので、間違っていたり読みづらい、あるいは纏まりが無いのは、悪しからず。
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◎美鳥篇
「『力』を与えられるとは、そういうことだ。持てる物には、持てる者の義務がある。無力な只人には無き責任を背負う。」
⇒某アニメの影響で、昨今は「noblesse oblige」の垂れ流し感がなくもない。なんか、流行り言葉に迎合する風潮が許せないというか、もっと、ライターには自分の信念で語って欲しいなって思う。
それにしても、相変わらず、言い回しが回りくどい。
美鳥「わたくしは命を拾いました」
普通に"命拾い"じゃ駄目なんですかね。これ、文章の個性というより、おかしくないと思うのは、私だけ?
演出は、戦闘時の動きやエフェクトはすごいのだが、もっと拘るべき所があるのでは。例えば、「は、ははは、はち八蜂!? どうしてハチィ!?」の場面とか。美鳥の立ち絵の顔の驚き具合がぜんぜん足りず、インパクトゼロ、違和感、ありありでした。
美鳥の変質時の一枚絵、「るい智」の呪い髑髏の一枚絵と同じタッチですよね。そこは一本、筋が通っているなとは思った。
「この状況で無策に戻るのは、あまりにも無謀だ。」
⇒"無策で"なのか、"無闇に"とすべきか。
菱吾「菱吾、ビックリざます。こう変化球でくるとは。ベントラーと唱えてみるのも一興では?」
⇒面白いです。こういう何気ない一文は、好みです。
満腔の自信:満腔は面白い。エロゲーなら、満腔、満腔と連呼する文章、書いて欲しいです。
美鳥「そんなに暴れてはいけませんわよ。もっと礼儀正しくしなければ」
成田「それは、彼に言うべきだ」
⇒メイドが男だって、この時点で知っていたんだっけ?
セックスシーンへの入りは、あまり上手くない。もっと精進して欲しいです。
相変わらず、小難しい言葉を並べているのだが、「恐懼」とかライターは普段からこんな言葉、使ってるんですかね。
●菱吾篇
寂寞、齷齪:せきばく、あくせく、読めねぇよ。
菱吾:『はーどぼいるど』には教会がつき物なのです。ハトが好きな映画監督も、そういうことを言っていた気がします。
⇒ジョン・ウー。倉田さんの『R.O.D -THE TV-』を思い出す。
エトランゼ:ライターはフランス語が好きなのか。
最初、回想で来たので、てっきり過去の成田との大冒険の数々が~と思っていたら、幕間の小劇ですか。期待外れです。
「どうという事のないおじさんが、どうという事のない店で、ただ独りで食事をする、というドラマ化もされた人気コミックがあると聞いたことがあります。」
⇒孤独のグルメ、ドラマ化される前、コミックを読むことを薦められた覚えがある。その後、ドラマ化されてビックリ。
「象が踏んでも壊れるとは思えませんし」⇒ライターは一体、何歳なんだ?
相変わらず、戦闘シーンは、文章が冗長。読んでるだけで、だれるだれる。
声優さんの読み間違え
黒船:「玄間の技は、殺しの技。故に一撃は尽く必殺。」
⇒「ことごとく」を「つく」と読んだ。一撃だから"突く"を思い浮かべたのだろうな。
セックスシーンへの入りは、こちらもあまり上手くない。
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