純愛癒し系に見えて鬱要素あり
シナリオはベタですが、手作りの木製家具のような、温かみのある世界観。
絵はお世辞にも上手いと言えず、デッサンに狂いがあったりもしますが、月光や朝の陽光に包まれるヒロインのCGには見惚れました。
ヒロイン全員が男の影がある稀有な作品。なので苦手な方は回避推奨。
中にはレイプされて妊娠中絶、肉親や愛する人と死別等、鬱展開があり重いです。
悲しい過去があるからこそ、ヒロインがそれを受け止めて乗り越える過程にぐっときましたが。
一見、重要なファクターであるはずの廃校設定はおまけ程度でした。
登場人物たちは、廃校という事実にほんのり感傷的になりつつも、それに抗う事なく当然のごとく受け止め、淡々と時が進んでいきます。
ちなみに前作「TALK to TALK」との共通の世界観ですが、前作キャラは名前しか登場しません。
幼馴染の汐音は、主人公と小学校低学年からの付き合いで、一途に彼を想っていますが、ルートに入ると主人公の煮え切らない態度に捨て鉢になり、主人公の親友と付き合います。
「どうでもよくなったから」という理由で付き合うものの、汐音にキスも拒まれ、自分から別れを告げる状況になった親友が最後まで不憫だった。
スパーティーで盛り上がってた三人の仲があんな風にこじれるとは。
主人公が自分を棚上げし、「薄情なバカ女」と汐音を悪しざまに言ってましたが、主人公が鈍過ぎてちゃんと決断しなかったのも要因の一つ。
ただ、汐音との初Hシーンで陰毛抜いてふざける描写があったのは吹いた。
美姫はとにかく悲惨で、主人公がいなければ立ち直れなかっただろうなあ。
幸せになって欲しいと願いながらプレイしていました。
全て知っているうえで受け止める悠里が本当にいい子だと思った。
香耶ルートに登場する鈴菜がとても魅力的だったので、攻略できないのが本当に惜しい。
正直、香耶より彼女のシナリオが見たかった。