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shaneさんのシエスタ ~すすき野原の夢物語~の長文感想

ユーザー
shane
ゲーム
シエスタ ~すすき野原の夢物語~
ブランド
AMEDEO
得点
75
参照数
62

一言コメント

バッドエンドが泣ける

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

ビジュアルアーツ傘下のブランドなだけあり、コミカルな日常シーンや、マスコット的ペットの存在、家族愛テーマに「らしさ」を感じました。
世界観がリンクしている兄妹作「ススキノハラの約束(エロゲー)」よりも、恋愛描写が丁寧です。
全年齢ですが事後シーン(裸でシーツにくるまったCG)はあり。
本編の期間は9/3~9/18 +αですが、現実世界と夢世界でのストーリーが毎日それぞれ展開される為
フルコンプするにはそこそこ時間がかかります。

バッドエンドが見どころ。
油断してると涙腺を刺激されます。

メインは涼兄で、CGも多めです。
「ススキノハラの約束」では涼が主人公だったので、攻略対象になってるのは驚き。
バッドエンドでは、帰って来ない亮兄を玄関前でジョリー(犬)が待っている間に、
ジョリーが老衰で亡くなる展開には凹みました。

小早川一平ルートは、まさに青春ど真ん中な幼馴染ケンカップル。
小早川は主人公に対し、好きな子をからかう小学生男子のような振舞いをし、
主人公も毎回ムキになって反発するものの、憎からず思ってる。
試合に負けて泣く小早川を背中合わせで慰めるシーンとか、
昔の青春漫画のようにベタベタなシナリオですがほっこりしました。

忍先輩ルートはオカ研のミーティングが意外に本格的。
冷たそうに見えて、真顔で冗談っぽい事を言ったり、
おまけシナリオでもピンチを助けてくれたりと、面倒見のいい先輩です。

しんちゃんルートはハッピーエンドでも悲恋寄りで切ない。(夢世界の方)
悪意を持った人間や嘘つきにも騙されたフリを通し、笑顔でい続ける天使系キャラ。
人によってはイライラするかもしれませんが。

アランルートは他のルートに比べると見劣りしてしまった。
飛行機貸し切りで夜景を見ながらディナーって、某快フレを思い出した。
アランに関してはバッドエンドも泣ける要素はなく、婚約者の存在を隠して主人公を妾扱いとは。

おまけシナリオの花村陸ルートは家族愛がテーマ。
あと忍先輩がいい人。

20年ほど前の作品ですが、古き良きビジュアルノベルでした。