古き良き味のある名作
主人公を取り巻く周囲の登場人物と、山奥の洋館という舞台は変わらないまま、
オムニバス形式で、それぞれ全く異なる三つの物語を楽しめる斬新な作品。
テキストは主人公が作家という設定なだけあり、何度も読み返したくなるような味わい深い表現が印象的。そしてピアノ音楽は美しく、どこか懐かしい気持ちにさせてくれる。言葉では上手く言い表せないけれど、この作品を初めてプレイした際大切な古い書物に出逢った時と似たような感覚さえ覚えました。まるで古い紙の匂いが漂って来そうな、手触りの良いページをゆっくりとめくっている時のような心地良い安心感に浸る事ができます。2001年の作品なのでちょっと古臭さを感じますが、そこも魅力だと思います。