(GiveUp) 普通の幸せ
一人芝居
丘の上でレオンがした行動が
とても自然というか
自分がさもそうしてるみたいで
あんなふうに呼びかけながら
広げて話しかけて
眺めて
・・
わかっていながら気がついて
それまでつらいと思ったくせ
たぶん泣けないと思ったけど
最後の最後実際そこで泣いてしまった
頬は痙攣するように
乾いていた目は潤ってこぼれていて
自覚しながら意識したのか麻痺したのか
自分は喜びからくる涙を
本当に流せる日って来るのだろうか
待っていてくるものじゃない気はする
悲しい気持ちからする涙のほうが多いはず
悲しいとか苦しいから流す涙が多分
自然で分ってしまって
悲しみが最後に待っていると分っていて流す喜びの涙
その合間の喜び
避けられない
死に別れとなって引き裂くまで
それが見つからないで終わる人生と
わからないまま終わってしまう人生と
自覚できて終わる人生と
---
--
電車でレール通りに走っているような感覚がある。
窓外の景色は空から海へと流れるように映りかわる
……綺麗すぎる眺めだな
さてと次の目的地は……
世の中こんな都合よくいくのかと……何気に思う
格好いいとかとは…それ違う
同じ人間なのに…
この人達は特殊すぎて特別すぎて
どうも現実感がない
そのなかで不意打ちで共感できたのは
普通の生活を求めたレオンとイリア達のおかげだったから……
この一番高い山を越えてしまった
その頂から周りをみたら、小さく見えた
あとは下る勢いの付くままの下山
下に向かうとだんだんと…次の山を確認し
歩調がゆるく…歩くのをやめた。
九郎と美月あたりの話になるか…
単純に九郎が美月を一緒になるか
それともそのままの関係を続けていくのか…
どうしてか気にする。
今この少々特徴的な山に上る気がしない。
随分…小さかったんだな…やっぱり拘ってるだけか。
コネと伝統
…とても嫌な感じだ、因習だ
九郎の父親は八郎…じゃぁ九郎の息子は十郎になるかい
…特別な人 命の価値 普通の命
非日常に憧れを持った九郎についていく少年
嬉しそうに なんか遊んでるみたいだな…
次の山を登る意欲をなくして休んでいる格好だ。
このまま休んでから帰っても…別に困らない
急にこの特別な環境に対しての興味が
薄れていくのを感じている。
でも大事なお土産が残った。
ドイツの話が出てきた時から
ユダヤ人、収容所、別れ
ずっとそれが頭にあり、いつそれがやってくるのか
不吉な予感が拭えなかったけど……
エレナ、イリカ、レオン達の話で泣いた…
それがなによりの収穫で、これ以上は
……望まなくていい