はるか、夏子はそこそこ、蘭は別の意味で良い
はるかルートでの雑誌編集とライターの関係を軸にした展開はなかなか面白く、ろくでもない主人公なりの哲学・真面目さが垣間見られて興味深かった。ある意味収まるべき所に収まった夏子ルートも同様である。同時に、蘭ルートの全ての崩壊は彼にとっても年貢の納め時といって良く、別の意味で納得出来たのが印象深い。反面、愛美は「悪女」を糾弾されながらも主人公のことはツッコミどころ満載の「理由」で擁護されているアンバランスさが気になり、千里ルートに至ってはメインヒロイン達が揃って風俗嬢を卑下していることに首を傾げざるを得なかった。こういう話はファンタジーとなるゾーンをある程度明確にして、それ以外は出来るだけ嘘をつかない方が現実感が出て面白くなるものだが、その領域を広げてしまっては興ざめなのである。