理想の田舎暮らし
・柚ルート
実は血縁関係がなかった兄、しかしその真実を知ったところで、経済的にも精神的にも離せず、時は流れ・・・。
灯籠流し(御霊送りって表現されてた気がする)のシーンが屈指の名シーン。
音楽が、テキストが、CGが、見事な調和のもとに美しく静謐な空気を作っていた。
柚とのこともだけど、岳史さんが村に受け入れられる流れも注目したい。
御霊の三年送りに則ってシナリオも三年かけて描かれている。
柚と、亡くなった互いの母たちと、村とのことを丁寧に描ききった名ルート。
・涼香ルート
涼香と祖父の話がメイン。
猪左夫さんを落とすために用意した宴のシーンが、飯テロ作品らしさ炸裂で素晴らしかった。
涼香がちょっと重たい子になっちゃったのが残念だったけど、柚も含めて三人で家族になろうというくだりは好きだった。
・こごみルート
スーパー世話焼きモードに入ったこごみちゃんをひたすら愛でるルート。
岳史さんがかわいいw
ただ岳史さんがぶっちゃけJCを欲しいと思う強い心は見いだせず、描かれもせず、まぁ無理があったなぁって感がある。
・すずなルート
すずなルートは村が云々とか家族がどうのとかなくて、岳史さんとすずなの交流に焦点があてられてた。
それだとフツーに聞こえるんだけど、ほんと丁寧でね。
素晴らしいしか言えないマシーンになった。
設定上の存在にされても仕方がない上のお姉ちゃんもセリフ登場させるとか、そういう細部を惜しまない作品。細部に神は宿るとはよく言ったものだ。
テキストが良いのですよ、とにかく。
こんなに退屈な題材(笑)なのに、クリックが全く止まらなかった。
だったら他の作品に浮気せずプレイしろよって感じなんだけどw
すごく軽い。スッと頭に入ってくる。
BGMもそれに合っていて、明るくのどかな田舎の雰囲気がよく出ていた。
それでいて印象に残る曲が数曲もあるのはすごい。
「おかしはたのし」「ごちそうのじかん」「なついろレシピ」がお気に入り。
CVは一部を除くとすごく好き。
名前しか登場しない棚下さんとか佐々木さんとか新聞とかめっちゃいい。
先生(かわしまりの)もいいし、あざみさん(青山ゆかり)のオカンっぷりも良かった。
こごみちゃん(俺たちの秋野花)はコロコロしてて耳が幸せだし、涼香(羽鳥いち)の落ち着いた声音はとても好き。
ダメだったのは柚(市川ひなこ)と小田巻(卯衣)。
柚はなんと言いますか、曲で言うとこう流れるだろうな~って旋律がそうは流れず、中途半端な音の高さで留まり続ける感じ。
OP曲みたいな感じで演技してくれたらもっと聞けた気がする。
小田巻は何喋っても大仰なのが嫌だった。もっとスッとして欲しい。