全体を平等に見て、点数をつけると・・・・・。
共通のテキストは、丸戸氏らしく満遍なくキャラを使ったテンポの良い文章で構成されており、筆力の高さを伺える。
しかし、個別ルートでは出来の差が結構激しい。
由飛ルートでは、告白の際のグダグダ（個人的にこれが一番嫌だった）と、
陽気なノリのキャラが唐突にシリアスな展開になっていくのでついていきにくい印象を受ける。
一方後半は、伏線の取り方や話の内容が良かったなどである程度挽回している。
あと、最後のＨシーンは無駄に長い気が・・・。
玲愛ルートは、キャラ造詣のよさと声優さんのおかげでいい感じに進めることは出来た。
ですが、決定的に姉妹描写が足らない印象。もう少しラブラブ部分を差し引いても入れて欲しかったと個人的に感じる。
明日香ルートは、一般的なエロゲー的シナリオで平凡な内容。欠点もほとんどないし、長所も個人的にはあまりない。
かすりルートは、主人公の優柔不断さが良く出ているのと、紆余曲折を経て仲直りという流れの描写に深みがないので、ほめ難い。
恵麻ルートで、里伽子の感情描写や恵麻の心情描写、過去の描写の丁寧さなど、
光る部分が見えてきてやようやく共通でみせた丸戸氏の実力の高さを感じ取ることが出来た。
里伽子ルートでは、今までのシナリオが嘘のように出来が良くなり、伏線回収、シーン描写の良さ、里伽子のキャラ立ての良さが目立つ。
特別扱い的なものも見えますけど、十分に感動できるレベルに仕上がっているかと。
個人的にバッドエンドの切なさも結構好き。
ただし、里伽子の立ち絵に問題があるという欠点はある。
全体を総括してみると内容は十分に楽しめるのだが、
いいシナリオと普遍的なレベルのシナリオが混在しているので高得点にはならないゲームである。
ここから下は個人的な戯言ですので、無理に読む必要はないです。
なぜに恵麻はここまで人気がないんでしょうか？
まず、純粋にシナリオだけで見れば里伽子ルートに次いで２番目の出来を誇っているし、
ブラコンで、「仁くん～」なんてやっていますけど個人的にはいちばん好きなキャラですよ。
特に個別なんかは、ブラコンが目立つとはいえ里伽子と譲れない女同士の戦いをいい感じに繰り広げていますし、
仁がすごい大切なんだという事も丁寧に描写されていますので、ルート自体に問題があるとは思えない。
そして、里伽子の魅力を上乗せしてくれるのも恵麻ルートなんだから、もっと評価されてしかるべき。
それなのに、カトレアルートや由飛ルートの方が良いと言う意見が多いことに辟易している。
個人の好みという事もありますが、ここまでキャラ人気と評価が低いのには納得し得ないですね。
まったくもって「ありえないわ！」
以上が戯言でした（＾＾；）