感情描写等の見せ方はADV媒体としてA級だし、戦闘シーンも文句なく楽しめる良作ではある。
まず戦闘シーンですが、業界内で最高レベルの技術を使っていたのもあって見ごたえ抜群で非常に楽しめた。
この部分はまた再プレイしたいなと思える程で、他メーカーで資金に余裕があるなら、多少は見習ってみると良いのでは。
シナリオ、テキストだけがADVを支えているのではなく、演出もその一環であると感じられた数少ないゲームの1つである。
この演出技術の上手さだけで、話の内容を良くして高得点に結び付けられている人は個人的に鬼畜人タムー氏くらいのものでしょう。
その代わりいつもの評価を支えるテキストは日常部が多少冗長であったり、シナリオ自体も神といえるほど良くはない(A級の下といったところ)。
要するに、エフェクトと挿絵での演出の見せ方と戦闘シーンの見応えの高さの2つだけならかなりの高得点だが、
先にも述べている通り、シナリオが若干おざなりになっている印象があり、その部分を気にするかしないかで点数が分かれてしまう所。
ついでに言えば、所属部隊の(戦闘)要員も男キャラがもっと多い方が舞台的に良いと思う。
ギャルゲーですから致し方ないのかもしれないですけど・・・。
次に、みんなが言っているが「熱いノリ→説教される→ショックを受ける→立ち直る→もう一度熱いノリ・・・・」
これがループしすぎていて、非常にしつこく感じてしまう人が多そう・・・・・。
その辺をすっきり見せていればもう少し高得点が出せたでしょう。
それ以外の部分はヘタレが根底に張り付きつつも、人間らしい等身大な印象で、
決して嫌いになるような主人公造詣ではなかったように個人的に感じた。
特に、身近で経験した仲間の死などを糧に強くなっていく流れに平行してヘタレな部分が完全になくならないのが良い。
あと、平行世界物が好きな方は意外に良い作品に感じるかも知れない。
総合点数ですが、不満点(主にシナリオ)も結構あってその部分でプレイする気力が何回か下がったりもしたが、
戦闘シーンや山場となる部分は見ごたえ良くて、ちょっとでも再プレイしたい気を持たせてくれたので83点とします。
最後に戯言を。
製作期間の長さを考えれば、武器、兵装などの話について、もう少し練りこみが深くてもよかったのでは??
せっかく利害関係などの政治、派閥、そして戦争の過酷さなどの描写の見せ方は、結構いい線いってるんですからねぇ・・・・・。