後半はどれもよかったが、共通はここで言うほど万人受けしない気も・・・・。
共通テキスト
下ネタでうまく笑いを取りつつ飽きない文章を構築しているはずなのですが、
個人的にはあまり笑えなくて、逆にテンポの悪さが多少目立ってしまった印象。
特に、寛がシリアスな所で変なギャグを入れてきたりする所は大きなマイナス点。
そんな中で、劉家輝だけはノリが非常に面白くて笑わせていただいた。
あとは青葉が結構笑えたのですが、北都南さんの演技力の良さが大いにかかわっているので、文章で笑えたとは言いづらいかも。
もう一つは、共通部分が非常に長い。
自分は13時間くらいかかったので省ける部分を見つけて整理したりすれば、
もう少しテンポ良く、飽きにくい文章構成になった印象はある。
個別ルート
まず青葉ルートですが、個人的には一番好きなルート。
中身は、家族というより2人の絆を深めていきながら、青葉の過去の清算のためのシナリオである。
特に良かったところは、未来を拒絶して自分が信じる過去の郷愁の念(祖父との少ない思い出)を生きがいにしていた青葉。
でも実際は祖父にも邪険にされていて、思い出など皆無と知った時の司が、青葉の悲しみを受け止めるシーン。
自分は結構感動した。
次に準ルートですが、こちらは家族計画という言葉がしっくりと来るいい内容。
一方中身は、準はあまりルート中では姿が現れない。代わりに景がよく出てくる。
なので、準と景の姉妹シナリオという感じで作られた印象。
話の内容は、準と司の高校時代の苦い思い出、景の姉に対する複雑な想い
現代進行形の養護施設の運営費なども絡んで中身は家計で1,2争う重い内容。
そして、それらが全て邂逅されていく流れの運びが非常に良かった。
続いて春花ルートであるが、このルートは内容的に家族計画からは離れた感じの印象。
ですが、司と春花の愛物語的な内容でこれはこれで出来が良いなと思った。
ルートの見所は終盤の手料理を振舞うシーンで、春花は一言も母親に自分の正体を教えず甘える事をせず、
「私が犠牲になれば家族が幸せになれるのならそれでいい」という芯の強さを感じられた。
司も春花に対して恩返しをする方向を模索し続けながら春花を大切にしていていい男だった。
ここでの司が、個人的に一番格好良かったと思う。
続いて末莉ルートですが、これはシナリオ量と内容が濃くて、山田一氏が一番気合い入れて作ったことが伺える。
中身は、そのロリコンを増やしたという噂に違わない茉莉の魅力がたっぷりと入った内容。
シナリオの方にも手抜き感が一切無いので、レベルは高い。
このキャラは○学生ホームレスということもあり、抱える物は察しがつくようにかなり重い。
必死に嫌われないようにしようと媚びてしまう所なんかも納得できてしまうくらい痛く感じられた。
扱いはメインに見えるが本当は違うらしい、
最後に真純ルートですが、これは出来が良いけど不憫だったかなという印象。
当然抱える心の問題が多いのだが、他の4人は幼少から抱える心の問題に対して、
こちらは社会人になってから抱えた物なので、どうしても印象が薄らいでしまい、
感情移入しづらい印象で、最大の欠点となってしまっている。
そんな評判の悪いルートですが、司と2人で今度こそ幸せを掴んでくださいと思える内容で個人的には結構好き。
意外とギャンブルが好きなのも好感がもてたのでキャラ自体も好き。
BGM関連
これは、悪くない仕上がりできちんとシナリオを盛り立てている。ただし印象に残るようなものも無かった。
OPは、個人的に最高レベル。内容に同調する詞が光っており名曲である。
CG、背景
原画は福永ユミ氏。顎がとがりすぎている印象があるが、かわいらしい感じにはなっている。
後、立ち絵の表情が崩れてしまうところが多かったのが残念な所か。
システム
一応、ボイスリピート以外は一通り入っている。最低限そろっているので、問題はないと思う。
スキップが快適なのは非常に良かった。
総評
後半は世間で言われる、高レベルな感動ストーリー(それでも90点台にはならない)になっているが、
前半部がテンポ悪くて、皆さんの言うような傑作にはあまり感じなかった。
期待しすぎてプレイし始めてしまったのが、いけなかったかもしれない・・・・・・。