プリっちの前編後編たし合わせ、2で割ったらこんなんなったよ♪
最初に断っておきたい点が一点。この点数に、バトルパートの評価点数は含まれていない。正直言えば、バトルパートには大変満足している。前作(と言っていいかは不明だが)のプリっちから格段に進歩しており、大変満足できる内容となっていた。だが、これはあくまでもギャルゲーである。よって、バトルパートは全く評価点に加算しないで、シナリオのみで点数をつけた。
さて、そんな訳でこの作品なのだが、自分は正直この作品には非常に期待していた。基本的に予約はしない自分が予約購入をし、しばらくは積んでおく自分がたったの二週間でオールクリアするというのは、正直言って奇跡に近い。その理由はライターと絵描きにある。どちらも評判の高いお三方だし、自分としても鉄板だと確信していた。……なだけに、この点数ははっきり言って信じられない。特にシナリオ。どうした、お二方ッ!?
未熟ゆえ比較対象としては非常に少なく物足りないだろうが、自分はお二人の作品はそれぞれ二作品ずつやっている。しげた氏のは「パティにゃん」と「プリっち」、そして丸谷氏のは「ゆのはな」と「かにしの」だ。それをもとに自分なりに考えてみるに、前者の売りは元気印の魅力的なキャラが大暴れのドタバタ話に一気に展開の変わるシリアル話、そして後者のは明るくも妙に理知的なキャラが織りなす温かいストーリーと言ったところだろうか。なんの根拠もなく分類すると、ななか・ロロット・リアが前者で、聖沙・アゼルが後者寄りというように感じられた。……繰り返し言いますが、何の根拠もなく自分がそう感じただけなので、全く間違っていても責めないでやってください。一応、前もって土下座しておきますゆえ。
で、そんな無責任な分析をもとに本作を見てみると、両者の売りが完全に相殺されているように見受けられた。しげた氏のドタバタはなんか妙に抑え気味だったし、プリっちで見せたあり得ないくらいの展開やシリアスさは影も見せなかった。丸谷氏の理知的な文章は明るいテキストには合わず、優しい雰囲気は激しいドタバタとぶつかって相殺。結果、普通の雰囲気と化してしまった。それぞれの良さがかろうじて見えたのが、聖沙のシナリオとアゼルのラストわずか(と言っても、腹に穴あいただけだけどね。すぐに復活したし)くらいだったように思えた。
ってわけで、自分には非常に期待はずれでした。……というかこの二人、シナリオを書く上では相性悪いんでないの? そんなことを感じさせた一作でした。まる。
気になった点について、少々もの申す。
・どうしても許せない点がある。ロロットシナリオのエピローグだ。
『いなくなった → エンディングテロップ → ただいま → あっけなく終了』
【俺】「……はっ?」画面の前で膠着、どんだけご都合主義の投げやりシナリオだよ。こんな流れ久しぶり、八月並み。
・声優陣について。無駄に豪華なプリっち、そして全然知らないクルくる。でも妙にうまい気がしたので、個人的には満足。ロロットと紫央だけは……ちょい違和感あったけど。
・聖沙の家族を明かして欲しかった。なかなか会わせない上に、意味ありげな聖沙の言葉の数々。魔族か、天使か、はたまた混血か? まさか主人公の父親の仲間だったのかだの、いろいろ推測していたのに全部パー。
【俺】「マジかあぁぁぁぁっっ!」
画面の前でマジ切れした私めでありました。
・パッキーについて。声優さんやっぱうまいね。でもこの存在ってちょい無理がある気がする。遣い魔で魔王と仲がいいのにあっさり息子に送ってるし、息子に存在を隠し続けてこれたのもまたすごすぎるだろ……。おまけに初代から一緒だったのに、長命な魔将について全然知らないし。どのへんが賢者だったのかもあやふやだったし。ただのエロで殴られ要員じゃん。
以上。長文駄文、いつもながら失礼にて候。
ここからは余談です。
最近、「魔王」と言う単語に親しみを覚えてしまった。めちゃめちゃ小難しく、企業のアドバイザーまでこなしていたアルファベット上の魔王に、本作の世襲制の明るく貧乏なキラキラ魔王と、ギャルゲーだけで連続して魔王が登場していた。ましてやテレビでもドラマがやられており、おまけに書店でも本屋大賞のお方のがどんっと積まれていた。
もしかして今って、魔王ブーム……ナノデスカ?