シナリオにも重点を置こうとして、中途半端になってしまった作品……かな?
アトリエかぐやの製品を購入する方の大半は、このメーカーに期待するところがあるはずだから購入するのである。しかし今作においては、そこのところを無視した結果になっているような感が否めない。非常に残念である。とりあえず、この作品を自分なりに三観点から分析していきたい。
注)なおこの分析は、あくまで私なりのものでありますので、万人共通のものであるとは、とても言えません。なので、もし読んでくださるという奇特な方は、「こういう考えもあるんだな~」と参考程度にしていただけると幸いです。
まず第一に、過去のこのメーカーの作品との比較である。BerkshireYorkshireの作品は、全部で10作。うち自分は6作をプレイしたが、そのどれもがH重視で、Hないたずら・トラブルが頻発、もしくは好奇心旺盛なお姉さまに無理矢理迫られたりというところから入り、いつの間にやら相思相愛、めでたく初体験、そしてなし崩し的にH連発というパターンだった。その間には、お互いが好きになっていく過程や大きなトラブルといったことはほぼ皆無だった。今作はそんな過去作を逸脱し、ストーリー性もつけようと試みた、そんな感じがいたします。その心意気や良し。たしかに、過去作に比べHシーンは後半に集中。しかもそのどれもが相思相愛の中でのものになっている。しかしその過程の描き方が、いかにも稚拙。もう少し、心情描写をはっきりとしてくれないと、読み手側は、いつ誰の心がどのように動いているのかが見えない。これでは、結果として過去と変わらず、このイベントの後すぐに好きになったという、事務的な進みに感じられてしまうように思えた。このメーカーに期待しいるのはそこではないのだから、素直に過去作を踏襲していただきたいところだ。
第二に、このメーカーの傾向の似ている作品との比較である。BerkshireYorkshireは意外にもロリキャラ作が少ない。私的にはこの原画家はロリキャラの方が魅力的に感じるのにな~、などと私的な嗜好はおいておきまして、過去10作中、ロリ作品は今作含めて3作でしょう。「妹汁」そして「まほこい」である。前者は買い手の期待に十分応えてくれているのですが、問題となる比較対象は後者。この作品も、上記のようにストーリー性がわずかに入ったのに加え、陵辱という新たな世界を加えていました。何故かは知りませんがこのメーカーさん、ロリキャラの作品の時だけ何か一つ冒険をしてみようとしているように感じるのは自分だけでしょうか。結果として、「まほこい」の評価は低いですし、自分も使えないなと認識しました。素直に、ロリでH中心にしておけば、このように文句を言われることはないように思うのですが…。
そして第三に、当然ながら他メーカーの作品との比較である。何度も言いますが、このメーカーに求めているのはシナリオではありません。過去の栄光があればこそ、他メーカーの作品を押しのけて購入に踏み切れるわけです。それを無視し、このようなシナリオをつけてHを薄くするのでは、買い手の期待を裏切るといえるでしょう。シナリオに期待する買い手は、当然ながらそれだけのものを持つライターさんの書くゲームを求めます。それはエロを期待する買い手が、かぐやを求めるのと同じ理屈です。それをわざわざ崩して、結果として中途半端にしてしまうのはもったいない限りでしょう。
以上三点から、かぐやには考え直していただきたい。もちろん、これは期待しているからこそ言っているのです。しがない単なる一ユーザーの意見ですが、このように感じているユーザーがいることは知っていていただきたい。
とまあ、怒りはここまでにして、純粋に評価を。
絵柄は満点。というか、この原画家のロリ絵ひさしぶり~~!!やはりさすがでしょう。文句なしです。
声優陣もまあ、問題なしでしょう。豪華に感じる方もいるでしょうが、私的にはいまいちなんです。まあ、超絶ひいきの声優が一人だけいるので、それだけで十分なのですがね。
で、シナリオです。まず、それ以前に誤字多すぎ。解読不能の箇所が3つ以上あったのは正直はじめてです。中身に関しては、風紀を乱すという目的からドタバタ感を中心に笑って、後半怒濤のHシーン連発で悶えてね、という流れ。しかし、笑えないんだな、これが。無駄にサブロボをブーストさせたり、天然娘がぼけたり、宇宙人が出てきたりと、笑わそうとがんばっているのがわかるだけに白けてしまう。しかも、作戦と謳っているが、実際に学校で実践している回数が少ないために、「ぷろじぇくと☆」という看板にも偽りあり。おまけに10年以上前の約束の日を思い出したのが1週間前であったり、いきなりキーアイテムが壁の中?から出てきたり、5000年前の超文明人が純真だったりと都合良すぎ。挙げ句の果てに学校の生徒がまじめになった理由が他のシナリオではそのままだったり、風紀委員がまじめにならない理由も結局うやむやだったりロボに選ばれる基準も不明だったりとシナリオの深みも足りない。ぼろぼろであるとの評価は免れないでしょう。
Hシーンはやはりさすが。回数が人によってバラバラだったり、期待していた声優のキャラだけ、シチュが異質だったりと私的には腹が立つところもあるが、描写は濃いです。特にヒロインがイッた後もせめ続けるシーンが多いのがこのメーカーの濃いところ。読み応え十分です。
とまあ、こんなところでしょうか。すいません、長くなりました。
最後に………この原画家でロリキャラ・エロ重視の作品を超絶期待します。