人を選ぶ作品だろう。が、私的にこれは一つの作品であると感じている。
※まず第一に、これは主観的に感じたことです。別にこれが絶対と言うつもりは全くありません。
さて、このサイトを始め、多くの「GIFT」の評価について回っている問題がある。それは、とある作品に酷似しているというもの。確かに、この作品にはとてもよく似ている箇所が多いことは否めない。シナリオ面では「消えない虹」「魔法の存在」「この町のみに存在する不思議」など。キャラ面では「義理の妹(外見は誰かに酷似)」「お兄ちゃんと呼びたい幼なじみ」「金髪ツインテールの魔法使い」「剣士」「妙に壊れている悪友」「謎の小動物」などでしょう。ざっとあげましたが……意外に多かったな。
と、とにかく、そんなわけで似ている点は確かに否めない。が、私的にはプレイ中、似ているなという感じはあまり受けなかった。それは、シナリオの内容面で違いが見られるからだと考えている。
メインコンセプトは「GIFT」の意義。これがどのシナリオにも駐在しており、残念ながら、「願いを叶える桜」の意義を問うていた某作品とも酷似している。だが、「桜の力」が得るものであるならば、「GIFT」は与えるもの。その点から、各人の想いを描いていったのは、某作品とは大きく異なる点ではないだろうか。まあ、そう考えると、千紗編での「偽GIFT」はどうなんだと問われることになるだろうが、あれは「人は与えられた幸せで満足できるか」という考察をメインに持ってきた千紗編には不可欠だったのだろう。そして、その「与えられた幸せ」は某作品の「桜の力」そのもの。そして、ヒロインは金髪のツインテール少女ときてはそっくりと言わずにはいられないだろう。……脱線した。つまり千紗の「偽GIFT」はそれゆえに「偽」なんだろう。「得る力」と「与えられる力」の比較がなされたのだと自分には感じられた。
そして、当然その各人の考察における筋道は某作品とは大きく異なっている。こういった点から、自分はこれも一個の作品としてありではないかと感じる。
※某作品をプレイしたのが、かなり前なので忘れてしまっている点はあるかも……
ただ、だからこの作品は最高だっ!! などとのたまうつもりはない。各話における整合性のあやふやさ、突然の異生物の乱入、ご都合主義そのままといえる各話の問題のあっけない解決、人を不快にさせる三角関係模様の描写、などのシナリオ面での文句を始め、声優陣の未熟さ、CGの少なさ、立ち絵の異様さなどいろいろな面で不備を感じさせられたのも確かだ。
まあこんな感じで、いろいろと書いてはきたが、自分が80点という高得点をつけていることも事実。これは自分が心理面での描写の濃いシナリオを好むという性質上から来たものなので、参考にはしない方がいいかも。まあ、人それぞれということで。
余談ですが、「莉子編」修学旅行前夜祭当日の主人公を見たかった。莉子をも負かすその美貌、幼なじみをもってして見破れない変身。……主人公よ、お前はいったいなにもんだ? ジンタ以上に謎の生物だ。