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refrainさんのゆきうたの長文感想

ユーザー
refrain
ゲーム
ゆきうた
ブランド
Survive
得点
82
参照数
487

一言コメント

キャラゲーだと思ったら、実は鬱ゲーだったんですね……。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

まず第一に、やはり噂通りの妹でした。ネタ満載で、非常に楽しませてもらいましたよ。そして、何よりもあの声。最初聞いたときには、なんて下手な声優なんだと非常にがっかりしたのですが、何度も聞いている内に、順応してきたというか、耳が変化してきたというか。いつのまにか、この声優でないと務まらないなと思うようになっていました。……史上最悪の妹、恐るべし。

他の方々の演技も申し分なく、絵柄もかわいらしいものが多く(私的には暗い色調が多く、苦手な感がありましたが)、キャラゲーだな~と強く感じられるものでした。……少なくとも、菜乃シナリオを終えたまでは。
問題は、他のヒロインのシナリオ。といっても、菜乃シナリオの段階で、その片鱗はあったのですが。とにかく鬱傾向が強く表れています。ハッピーシナリオばかりをやられている方々、もしくは好きな方々には、少々きつい感がありました。なにしろ、ヒロインが死んで、その後生き返らなかったりしますからね。
ですが、シナリオのコンセプトとしては面白いものがあったと思います。「奇跡」をテーマに、「等価交換」という条件を持ち出して現実世界と結びつけているのはなるほどと思いました。ただ、「人間の行動の全ては、奇跡になりうる可能性がある」と謳っていながらのあのエンディングには、少々不満が残りました。きつめにつっこむと、「奇跡の力の前には人の力なんてとても及ばないのか。」と言えることになってしまいます。その点がややもったいないように感じました。まあ、揚げ足取りですがね。

ここからは余談です。由紀という障害を持った子のシナリオが登場していました。このライターが実際に由紀のような子と接していたのかは不明ですが、(これはあくまで個人的な感想です)、実際に接してきて、このような障害を持って長年過ごしてきたような子が、このように感じるものかなあ?と疑問に感じるような箇所がいくつかありました。まあ、自分は視覚障害ではありませんので割愛しますが、実際にこのような方々と接したことのある方々にぜひともうかがってみたいところであります。
ただ、それでも自分はこのような「障害を持った子」という設定には弱い。涙腺が強い自分でも、久しぶりに涙しました。……すいません、余計なことでしたね(反省)

7/13 一部語弊を与えてしまう箇所がありましたので修正しました。すいません。