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pieroglyphさんのサノバウィッチの長文感想

ユーザー
pieroglyph
ゲーム
サノバウィッチ
ブランド
ゆずソフト
得点
100
参照数
2281

一言コメント

総合的にとても高評価できる作品

長文感想

 今まで天神乱漫、ドラクリオット、天色アイルノーツとゆずソフト作品をプレイしてきたが、個人的には本作品が一番だと思った。まず、ヒロインのキャラに外れがない。そしてヒロインとのイチャラブもしっかりとある。これはゆずソフトの18番であり、本作品もそれを継承している。また、声優の魅力を最大限にいかしたキャラということも高ポイントである。特に、桐谷華さん演じる寧々と遥そらさん演じるめぐるはそれが顕著に表れていたと思う。
 次にシナリオだが、ネタばれを控えるために詳しくは述べないが、起承転結がしっかりとしていて、読みやすい文章であったと思う。それぞれのヒロインのルートに入っても起承転結がしっかりしているところも良かった。
 エッチシーンは寧々が大変優遇されていると言える。まあ、これはメインヒロインの特権とでもいうべきだろうか。もちろん他のキャラも寧々ほど多くはないが、3ないし4シーンくらいあるのでご安心を。
 次に主人公について。とある事情で主人公は初めは死んだ魚のような目をしていたが、ヒロインとの出会いとふれあいを通じて成長していく。人づきあいを避けてきたため、少し鈍いところがあるが、ダメ主人公ではないと思った。
 システム面は章スキップとQジャンプが本作品でも採用されているところを評価したい。あと、お気に入りボイスも大変良かった。
 他にもこだわりを感じたところがあるが、ネタばれ防止のためにここでは控えさせていただきたい。このように本作品は総合的に高い評価が出来るものだったと思う。
 追記:終わった後に気づいたんだがサノバウィッチは、どし黒のライター、藤太さんがシナリオを書かれたみたいだ。どし黒は「どうして、そんなに黒い髪が好きなの?」というタイトルなので凄いタイトルだなと思ったが、実際はそのタイトルがゲームそのものを表していた。サノバウィッチもそうだ。言及している方もいるが、「son of a witch」と「sabbat of a witch」の二つの意味を掛け合わせているのだろう。つまり主人公と魔女、魔女に関わりのあるヒロイン達を表しているのだ。どし黒と同じく、インパクトのある、しかし実際は物語そのものとしてぴったりと表現された素晴らしいタイトルだと思う。その上手さをしみじみと感じた。