余りに救いのありすぎるストーリーに面食らった感があるのは、この系列のストーリーにどっぷり浸かり過ぎているからかもしれない。
ウリをテーマにした作品は円光少女くらいしかやったことがないが、あちらはそこまで黒い部分を描いていなかったので、この作品にはどこまでやってくれるかと変に期待してしまったのは否めない。
作中に出てくるが、クローバーの花言葉4つの内"復讐"を明確に否定したところからも、このストーリーは救いある展開をもとに作られていることは読み取れる。
そして終盤に救いある展開にするために多少強引な持って行き方をしているので、中盤までに醸成された雰囲気にどっぷり浸かっていると拍子抜けする感じは多分にある。
また本作は、前作のような純真無垢な悪意を相手に突き付けられるような子はいないため、物語上のインパクトも少ない。
悪意で以て他を嵌めたように見える七華も、結局は心の隙間に男と薬で植え付けられた感情に流されただけであって何も特別なものはない。
ただ序盤の彼女たちの後先考えない行動は、若さ故の青さのような未熟さがよく表れていて、中盤のズルズル流される感じも思いと行動がちぐはぐになりがちなモラトリアム特有の不安定さを表しているようで、とにかく彼女たちの若さが瑞々しく描かれているのはとても良い。
さらに、この描写から彼女たちの「若い雌」を強く感じ、一層シコる右手に力が入る。
特に好みの絵ではないにも関わらずシコれるのは、描写にそういう"匂い"があるからなのかなと思う。
総括すると、お話しとして衝撃は少ないが、若い雌臭さ溢れる描写は私好みだった。