Fateを演じる声優事情により、「声」と「エロ」のどちらか一つを切り捨てなければならないなら、私は迷い無く「エロ」を切り捨てます(←不要とまでは言いませんが、そうした要素は薄い本などに任すべき・代替できると愚考)。その上で過去にPC(18禁版)を高評価した方は、もう一度金を払って本作をプレイする価値が十分にあると進言します。それだけフルボイス化は偉大であり、ファンが待ち望んだCS化と云えるでしょう
9年越しのフルボイス化。
何故CS化がここまで長引いたのか?幾つか理由が考えられます。
・エロや卑猥表現の差し替え、削除部分を補う追加要素案の難航
・(劇場)アニメ化や『魔法使いの夜』などの企画とブッキングした為
・当時の市場で売上を計算できない点
Etc……。
逆に言えば、これらが全て解決した事で、ファンが待ち望んだ本作がお披露目になったということでしょう。
【新規および変更要素】
・アニメ『Fate/Zero』を手掛けたufortableによる新規ムービー2本
・レーティング問題による一部イベント修正と18禁シーン削除
・16:9対応の為、画面表示領域の変更
・旧エクストラゲーム2本再収録と新規エクストラゲーム“カプセルさーばんと”搭載
・主題歌「broKen NIGHT」「holLow wORID」の2曲をAimerが担当
この中で注目すべきは『Fate』オールスターによる“カプセルさーばんと”。
中身はかなりぶっちゃけていますが、それはそれで面白く、コンプするまで止められない中毒性がありました。
またZero/Prototype/EXTRA/Apocryphaなどに登場したサーヴァントが、SD原画で可愛らしく躍動しますので、
シリーズの熱狂的ファンなら、思わずニヤけながら嵌ってしまうのではないでしょうか?
【感想(18禁版は未プレイ)】
本作はあくまで続編ではなく、FDであるというのが個人的見解です。
この理由として、hollowはセイバー・凛・桜の三人の√が混在して成り立っているので、
特定の個別√の続編とは違い、本筋から外れてご都合主義がまかり通ったストーリーが展開されている為です。
ただキャラの掘り下げという点では優秀で、特にライダー成分の補充には目を見張るものがあります。
またFDでありながらボリューム感は凄まじく、カレンやバゼットといった新キャラ達も良く映えている印象でした。
(ミニゲーム等、細かい所も良く出来ており、スタッフの愛が十分に感じられます)
その一方で、物語としては、既にFate/stay nightの方で綺麗に完結しているので、
本作を蛇足と捉えても致し方ない面があるとも考えています。←あくまで続編と捉えた場合。FDとしては許容
それと悪し様に書くようでなんですが、このFDはスタッフによる燃えから萌えへの増長が甚だしいので、
ギャルゲー色が強く表れて、従来のキャラのイメージをぶち壊すかの様な、悪ふざけ(メタ発言等)が過ぎる気がします。
また、メインのシリアス部分を原作者である“奈須きのこ”さんが執筆し、後のラブコメを複数ライターが書いた影響か、
そのままアンソロジー的なノリが展開されるので、前作とのギャップに苦しむ方は必ずいることでしょう。←私もその一人
まぁそうした苦言を含めて、久しぶりにFateを楽しめた自分がいます。
(何だかんだで、ギャグ成分は前作のタイガー道場で知らぬ間に鍛えられたのを思い出しました)
原作設定の補完という意味合いでは、Zeroに次ぐ出来だと思うので、
例え蛇足であろうと何だろうと、Fateファンならプレイする価値が十分にあると思います。
【追記】
何か近頃のFateを名指すゲーム・アニメ類は、なんでも有り展開のサーヴァント化でウンザリしていたので、
原点に振り返ると、やっぱりstay nightこそ至高であり、その脇をZeroやhollowで補うのが正しく思います。
以上、原作厨の感想でした。