自然な文章に隠された物語。そして構成に驚いた。 教科書的な存在
ストーリーモードで物語を進めてフラグメントモードでストーリーのあらすじを作り、そのあらすじを元にしてストーリーを先に進める。
これが基本的な流れになっている。
このため一気にストーリーを進めることができずもどかしく感じるかもしれない。
だが、あらすじを作るという行為を通して物語を自分なりに解釈することになる。短いシーンごとにしっかり咀嚼することになる。
これはゲームでしかできない特殊な読み物だと思う。
物語全体のシナリオを把握して納得することやキャラがかわいいや会話がおもしろいという昨今のノベルゲーとは一線を画している。
私は物語の咀嚼（解釈）方法を教えるための教科書みたいな作品だと思う。
空白に目を向け、与えられた情報から空白を創りだすということを教わった。たぶんこれが解釈するということなんだと思う。
物語は進んで明かされるが、その狭い視線からいかにして外れることができるのかが試される。私はまんまと騙された。その後に虚もつかれた。なんと不意打ちのうまいライターか。