総合的によく出来た名作だが、大きな不満点が一つある
結論から言えば本作は名作と断言していい。RPGツクール2000で作られているが、ツールが古くても名作が作れるという良い見本。
特筆すべきは他のツクール作品にはないオリジナル要素が随所にある点である。
まずレベルの概念がない。スキルアップコマンドでスキルポイントを消費して強くなる。パラメータも特技もである。
そしてジャンプして進む箇所がある。個人的にはこのシステムはあまり必要ないように感じる。
わざわざアクションゲームライクにする理由がないのだ。
面白いのが、ある迷宮は上下逆さまになっていて、上下に移動しないと進めない。これはなかなかない発想だ。
一つ大きな不満点がある。それはボタンの操作の割り振りだ。なぜzボタンがダッシュなのだ?
ツクール作品ではSHIFTキーでダッシュする作品が多いため、その癖でついSHIFTキーを押してしまうのだが、これは雑談コマンドである。
さらに、誰かと会話するのもzボタンなので、微妙に使いづらい。この辺はオリジナリティを追求するのではなく、使いやすさを考えてほしかった。
バトルはかなりバランスが取れている。コマンドではなくアイコン方式だが、シンプルでいい。ただし方向ボタンを押しながらというのはどうかなと思うが。
楽に進めるのならば命中と回避を重視すべき。なぜならば回避されると、たとえ残り行動回数があってもすべてキャンセルされてしまうのだ。
つまり、命中率の低い大技よりも命中率が高い小技の方が安定する。
あと、できればのこり行動回数は2以上をキープするのがいい。そして最後の1回は必ず防御するのだ。これでかなり楽に戦える。
ストーリーは長いようで短いが、掛け合いがおもろい。ゲーム以外の部分でおもろい要素がたくさんあるので、さっさとクリアするよりもじっくり楽しんだ方がいいと思う。
ふりーむの短編RPG部門で金賞を取っただけある。名作認定で良いのではないだろうか。