やや重ためな雰囲気のファンタジー世界観での作品。シナリオに読みごたえあり。
話の締めかたは綺麗だが、個人的な好き嫌いで言えばあまり好みではない。
オーガストのイメージとしては基本的に誰も不幸にならないハッピーエンド志向かと思っていたので、意外だった。
新しいことへのチャレンジ。
世界観がこれまでになく重たいことを含めて、プレイ前は不安も大きかったが、十分成功していると思う。
人は何のために生きて死ぬのか？ というテーマをずっと作品を通して問いかけ、それに対しての答えをキャラの生き様、言葉によって描く。
一つの正解などなく、キャラによってそれは異なる。
終盤ではシリアスに偏っているものの、中盤までは作品世界を壊さない範囲でコミカルなイベントも多く、雰囲気のバランスはちょうどよかった。
ヒロインのティアは実のところ最終章以外では影が薄いが、終始明るいので和ませ役としての貢献度は高い。
ヒロインたちにとどまらず、それぞれのキャラが魅力的。
もともとサブキャラの存在感のあるブランドだと思うが、今作は特にそれが目立っていた。
特に死んでしまうキャラはその印象が強い。
主人公に近しいキャラが亡くなり、復活もしない、という意味でも今作はこれまでにない試みをしていると思う。
物語の終わらせ方はおいておいて、グラフィックや音楽、インタフェースなどは高い水準で安定していてプレイしていて心地よかった。
エッチシーンで着衣よりも全裸が多かったので個人的にはうれしかったところ。