安定のsmee。ヤマの有無を気にしない方、おバカなゲームが大丈夫な方は是非。
面白かったです。前作ラブラブルはオーソドックスにイチャラブを楽しむコンセプトであったと思いますが、今回は少しだけ変化させて、あまり仲の良くない、或いは普通よりちょい上レベルの状態から恋人になって行くさまを、攻略要素を少しだけ入れつつ仕上げた、攻略後は思うさまラブラブ出来ますよという安定感のある良作だと思います。
会話の選択肢が出てきて、その答え合わせも「まあまあだったかな」「盛り上がったな!」などと、ときメモやアマガミをプレイしたことがある方をクスリと笑わせるシステムです。私は最初めんどくさくて普通のADVにして欲しかったと思いましたが、プレイしている内に段々と熱くなってきて、どれがお前のベスト会話なんだオイーとトライアンドエラーを繰り返していくうちに、いつの間にかそのキャラに入れ込む事が出来てしまったような気がします。選択肢を外してしまった時に受けるリアクションに対し、次はもっといい感じにしてやろうと思うのは当然で、男の向上心とプライドをいい感じに刺激してきますし、その心理を上手く利用し、また刺激してくれる高いレベルのキャラ設定と可愛さをもって、ヒロイン達は我々を上手く迎え撃ってきてくれているなと感じました。
個別は私は望月さんがとても良かったです。友達状態、恋人になってから全てで彼女は個性を失う事はなく、一貫してややクール、しかし恋には燃え上がるという、どこかリアルな距離感とでも言いましょうか、諸々の表現がとてもよろしかった気がします。また全ヒロインに対して言える事だと思うのですが、この作品はイチャラブを楽しむというよりはバカップルぶりを楽しむ、恋愛の優越感に浸るという事の方がプレイする心構えとしては近いのではないかなと感じました。微妙な差というかほぼ類義の要素だとは思うのですが、全体を見るとやはりやや短いと言わざるを得ないこのボリュームにおいては、延々とイチャイチャを楽しむ事を期待するよりも、恋愛の最大瞬間風速を楽しむ事に対しての方がより喜びは大きいと私は感じました。教室でのディープキスシーンはとても印象的で、恋という名の元に、時に女の子は今までの自分の行動の幅を軽々と越えてしまう。しっかりと深まった関係は決して不安定になることはなく、時には気持ちを爆発させて誠実に艶やかに求め合う。楽しい日常以外にも、そういった素晴らしい描写がなかなかにあると思います。
前作の柳瀬さんのような、ボクっ娘という一ジャンルの創世に迫る程のヒロインは今回はいない気もしますが、全体としてはもう少し長くプレーしたかった、出来ればここから出たくないな、そう思えるくらい楽しい空間であったと思います。おまけのタペストリーも大きめでよかったですしサービス精神もなかなか。私の中ではASaprojectとココはこういった面白いおバカな作品を作るブランドの現在の双璧だと思っており、どちらもとても安定していて安心して購入する事ができ、とても有難く思っております。今作も期待通り。心の安寧を求める方は是非どうぞ。