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omochiさんのみんな捧げちゃう!の長文感想

ユーザー
omochi
ゲーム
みんな捧げちゃう!
ブランド
ぱれっと
得点
72
参照数
1957

一言コメント

中高生くらい・・・なら自慰的な意味でいい感じかなあ。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

ぱれっととしては珍しいエッチなゲームという事で、期待と不安が半分づつくらいで購入しましたがその通りな印象でした。抜きゲーというカテゴリに入れるなら最低限のラインは超えていると思いますが、そこまで高いレベルではないかな、という感じです。

特徴的なのはやはり、ルートがおおまかに二つしかない事だと思います。エロに特化させる為にあえてシンプルにした意図は明白なのですが、私は他のキャラ、幼馴染みの和奏ちゃんと五条さんが一段と可愛く見えたために個別が欲しいと感じてしまいました。和奏ちゃんは世話好き幼馴染みというありきたりな設定なのですが、スタンスというか立ち位置が非常によかった。本当に微妙な事なのですが、あまり感情的にならずに同級生の同じ目線から、「私がやってあげるからほらおいで?」みたいなやりとりはそれはそれは良かった。五条さんは冒頭でいきなりトイレオナニーに出くわしてしまうのですが、控えめ清楚な黒髪ロング少女の導入として、その後のやりとりを含め我々のハートをキャッチする相応の効果があったのではないかと思います。ですが結局この娘達の個別がないという、ある意味失恋状態のようなメンタリティで迎えるエンディングが少し寂しいと感じてしまいました。

個別の話ばかりで恐縮ですが、睦ちゃんも相当いい感じではあると思います。ですが後輩二人の性格が少しかぶっているような印象がし、見た目少しギャル風味であり、狐憑きという獣属性な側面を持つむっちゃんには、素の状態でも主人公に対するアピールや性衝動に少し攻撃性を持たせても面白かったんではないかとも思います。私のような素人がとやかく言うのは本当に憚られるのですが、なんというか、多数のユーザーがゲームの中で個別のキャラに対して徐々に求め始める方向性というのは確実にあり、それに実際のキャラ設定が合致していないといずれ違和感や物足りなさになってしまうわけで、私は特にむっちゃんでそれを感じてしまいました。王道と意外性を使いこなしてこそキャラ作りであり、それをいかに高度にしていくかでキャラのみでも勝負できるようになる。またそれはシナリオ度外視のこういった作品でこそ高いレベルで求められ、それが出来ないとなるといよいよ凡百という事になってしまう。私は3回ほど利用させて頂きましたのでこの作品はそこそこのレベルに達しているとは思いますが、抜きゲーの評価というのは結局いかにして大多数のユーザーのHDDに常駐させておく事が出来るかが大きな基準の一つであり、少なくとも私にはそこまでの印象的なゲームには残念ながら映りませんでした。

ただ、ぱれっとがこのようなコンセプトのゲームをしっかり作り続けていくのであればそれはそれで面白いなあとも思いました。メーカー自体はもしらばからとても好きなのでいつもとても期待しています。頑張れー。