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oku_bswaさんの淫妖蟲 凶 ~凌触病棟退魔録~の長文感想

ユーザー
oku_bswa
ゲーム
淫妖蟲 凶 ~凌触病棟退魔録~
ブランド
TinkerBell
得点
75
参照数
9524

一言コメント

抜けたことは抜けたので良いんだけど、これまでの淫妖蟲シリーズのような作品を期待してプレイするとこれじゃない感も。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

ブランニューストアでの外伝三作を経て、悦以来およそ5年ぶりとなる淫妖蟲シリーズの完全新作。
個人的に悦は別物だと考えているので実際は触以来8年ぶり。

そんな長い時を経て新たに始動したシリーズ最新作だが、無印や触とは異なる作風に変化している。
ちなみに時系列的には外伝1・2の続きにあたるが未プレイでも特に問題なし。

挙げられるのが対人シチュの増加。淫妖蟲の代名詞と言えばハードな触手・異種姦によるひぎぃ系シーンの応酬だが、今作ではブサ男に調教されたり寝取られたり複数の男に輪姦されたりと、過去には無かった(少なかった)シーンが多くあり、必ずしも触手・異種姦一辺倒の作品とは言えなくなった。これをシチュエーションの幅が広がったと好意的に見るか、淫妖蟲らしさが失われたと感じるかで評価は大きく分かれると思う。

個人的には少しがっかりした気持ちもあるが、外伝や『喰ヒ人』以降のあおじる原画の作品に対人寄りのシチュが増加している事もあって予想はしていたし、何より深琴の寝取られルートが大変良かったので特別問題にしてはいない。これまでのシリーズを通じた愛着があるだけに、心まで完全に堕ちた深琴がヤマトに向けて告白する場面は非常に心躍るものだった。予約特典のおまけシナリオも必見。

また、触手・異種姦物としてのハードさが失われているのかと言えばそういう訳でもなく、例えば新キャラの鈴子はロリキャラながらもハードなシーンの目白押しで、その手の好事家たちにとっては希少価値が高いものになっているはずだ。「助けてママ、助けて…」と泣き叫ぶ少女が拷問に近しい行為で蹂躙される様は暗き愉悦をもたらしてくれる。

いじめられっ子気質で軽率な行動からずるずると深みに嵌っていく水依は相変わらず愛らしいし、シリーズ恒例とも言える武が肉体改造でペニスを生やされる展開など、他のキャラにもそれぞれの抜きどころがある。欲を言えば菊花のシーンももっと欲しかった。後は『腐果の濡獄』からだが、あおじる絵でアナルモザが解禁されたのは大変喜ばしい。

淫妖蟲シリーズは抜きゲーをやり出して間もない頃にプレイし、後の自分の嗜好にも大きな影響を与えた思い入れの深い作品である。それだけに今回の再始動は非常に嬉しいし、今後もその歩みを止めることなく更なる展開を期待したい。
作品が出る度に処女を散らし「ごめんね大和…」と詫びる深琴たちの姿には若干の申し訳無さを感じなくもないが、これから先もそうした彼女たちの姿を見続けたいものだ。