始まりから終わりまでプレイするのが楽しかった!【ELLE】、遅くなってごめん。辿りついたかな?本当のキミに。
★エルフの新たなる挑戦
『ELLE』といえば当事のエロゲーでは珍しい【アイコンクリック方式】を用いたことで有名ですが、アイコンを状況にあわせて自動的に変化させたのが新しい発想だったと思います。さらにフラグをたてる為だけに画面をクリックするのではなく、製作者の遊び心によるちょっとした小ネタ、アニメーションをゲームに取り入れたことがユーザーにクリックする楽しさをより感じさせたと思うのです。
1990年代前半のエロゲーADVはコマンド選択式が多く、画面をアイコンでクリックするタイプは少なかった記憶があります。アイコンでクリックするやり方も何種類かあり、最初にアイコンを選択してから画面内の対象物をクリックする方法や、カーソルを画面内の対象物にもっていき右クリックでアイコンの種類を選択してからクリックする方法がありました。これらの方法はユーザー自身がアイコンの種類を選択するため、長所としては【自由度が高い】という点があげられます。一方で短所は自由度が高いため、フラグをたてるのに【手間がかかる】、クリックしても【何もないと表示される】、もしくは【同じセリフばかり繰り返される】ことでした。
『ELLE』のアイコンクリック方式はカーソルを対象物にあわせると自動的に選択されたアイコンに変化するため、ユーザーにとってフラグをたてる際の無駄が少なくテンポよくプレイできる点が良かったと思います。短所は自動的に決められたアイコンに変化するため、ユーザーが考えた行動がすぐ実行できない点です。例えばいきなり乳首をなめたいと思っても、まずおっぱいを2回見てさらに1回揉まないと乳首の上でアイコンが【なめる】に変化しないのです。
実際に『ELLE』のアイコンは、【見る・調べる】、【話す】、【たたく・ける】、【押す】、【動かす】、【開ける】、【撃つ】、【もむ】、【なめる】、【キスする】、【さわる】、【?】、【取る】、【×××する】、すべて合わせると14種類もあるので、もしユーザーが自由にアイコンを選んで画面内をクリックする方法だったら、ゲームを進行させるのにかなりの時間を要するため、途中でキブアップする可能性が高かったことでしょう。『ELLE』のアイコン数は豊富なため自動アイコン選択方式にしたのは適切だったと思います。
自動アイコン選択方式によるメリットはユーザーだけなく製作側にもありました。制作側のメリットとしてはユーザーの行動を誘導できる点です。例えば女の子が敵に襲われているとします。女の子を助けるには敵を撃つ必要があるのですが、もし自由にアイコンが選べた場合、すぐに敵を撃ったら特に盛り上がることもなくイベントは終了してしまいます。通常はイベントを盛り上げるため、お約束である敵とのやりとりがあります。そのためユーザーがすぐに敵を撃とうとしても、「まだその時じゃない!」とか、「まずは話を聞いてみよう!」みたいなメッセージが出るはずです。なまじ撃つカーソルが最初から選べるだけにユーザーは不満を感じるし、余計な手間もかかってしまいます。ところが自動アイコン選択方式の場合、敵にカーソルを合わせても最初は【見る・調べる】や【話す】アイコンしかでないため、必然的に敵の情報収集をすることになります。一定のやりとりをした後で【撃つ】アイコンに変化させてやれば、最低限必要な敵とのやりとりをユーザーにショートカットされることなく制作側の思惑通りにイベントを進行させることができるわけです。
従来のコマンド選択式はフラグをたてるためにコマンド総当たりする必要が多かったと思います。コマンド総当たりする行動が面倒だったので、ユーザーがテンポよくプレイしやすい自動アイコン選択方式は画期的なアイデアでした。ただし『ELLE』の自動アイコン選択方式にはいくつかの欠点もありました。その一つはアイコン自動化ゆえの宿命で、アイコンが自動化してユーザーを誘導するため誰がプレイしても結末が変わらないという点です。つまり分岐させにくいシステムのためマルチストーリー・マルチエンドに向いてないことになります。『ELLE』はゴールがひとつの作品なので問題はありませんが分岐をさせるにはもうひと工夫する必要がありました。それは何かというと……かなり話が脱線しそうな予感がするのでここではやめておきます。【おやっ、急に遺作がプレイしたくなったぞ!】
さてアイコンクリック式と言ってきましたが、実は『ELLE』のパッケージ裏にはこのように書かれていました。
『第一に、な、な、なんとこのアドベンチャーゲームは、コマンド選択式ではありません。もちろん入力式でもありません……そうです!!画面をクリックして進行するアイコン入力なのです。(移動の時のみ、コマンド選択式)』
どうやらエルフとしてはアイコン入力式という表現が正しいようです。ただこの文章の中にちょっとだけ間違いがあります。確かにゲーム中はほとんどアイコン入力式なのですが、移動場所を選択するときだけでなく、データーベース〔コンピューター〕で人物や建物などを〔検索する〕ときや右クリック時にでる特殊なコマンド(例:ソシアルリポート社で【リンダを呼ぶ】)もコマンド選択式でした。
なぜコマンド選択式を併用したかというと、1)システムの負荷を軽くする、2)ユーザーに分かりやすくする、3)エロゲーに多い主人公視点(画面上に主人公が見えない)のため、などの理由があったと推測されます。1)2)について、例えば移動選択は画面外にカーソルを合わせ移動アイコンに変化させてクリックし、切り替わったMAP画面で移動場所をクリックすればアイコン入力式でいけそうです。ただ『ELLE』は1991年発売の作品で極力システムの負荷を軽くしたりゲーム全体のファイル容量を削減したかったのではないでしょうか?また上述のようなアイコン入力式より右クリックで移動場所を表示・選択させる方がユーザーにとって【簡単でスムーズにプレイできる】という理由もあったと思います。
3)に関して、エロゲー特有の主人公視点(主人公が見えない)なので、例えば【笑う】という行動を主人公にさせようと考えても、画面内に対象となる主人公がいないため【笑う】コマンドを実行出来ないのです。アイコン入力式で主人公が笑う方法は〔二つ〕、主人公視点を他キャラクターに切替する、または三人称視点にして【画面内に主人公の姿を出現させる】必要があります。そうなるとエロゲーとして考えた場合、無理にアイコン入力式だけのシステムにこだわるよりは、アイコン入力式とコマンド選択式を併用したシステムの方が良さそうです。『ELLE』のシステムはアイコン入力式とコマンド選択式の長所をうまく複合させたシステムと言っても良いのではないでしょうか。
★自分たちも楽しみながらユーザーを楽しませたい!
『ELLE』の良かったところはシステムだけではありません。マニュアルの最後にある制作後記には、『何か新しいタイプのアドベンチャーゲームが作れないかな……?』、『エッチシーンで、直接画面をクリックできたら……ユーザーの皆様は喜んでくれるんじゃないかな……?』、『とにかく一生懸命作りました……ここまで見ないだろうと思う部分まで、回りから偏執狂と言われようが、とにかくメッセージを用意しました。』と書かれていました。そう画面中のいろんな場所にメッセージがあったので、とにかく画面をクリックするのが楽しかった記憶があります。1つのシーン(画面)におけるアイコンをクリックしたときの反応(メッセージ)が多いのが良い所であり、蛭田さん独特のテキストがよりいっそう魅力を倍増させていたと思います。
そんな細かな作り込みもユーザーが見てくれなければとても悲しい。実際にユーザーのプレイしやすさを念頭に制作したため、ひとつひとつ神経質に画面をクリックしなくてもほとんど会話中心にゲームは進行します。となると、せっかくのメッセージは読まれないことになってしまいます。そこで制作スタッフが考えたのが、1つのシーンに1箇所以上「なんで、こんなところが動くの!?」というアニメーションを搭載することでした。『ELLE』のアニメーションは本当に奇想天外なものが多くて大いに笑わせてくれました。きっとアニメーションを探すのが楽しくて画面内のあちこちをクリックしたのは私だけではないはず。
アニメーションの例を文章で伝えるのは非常に難しいのですが、メディアセンターという建物に主人公が【たたく・ける】アイコンで「よし・・・超Aクラス、スナイパーステルスキーーーックッ!!」、「・・・なんてワザは存在していない」と言っていたら、屋上で人影がグラグラ揺れた後、手足をバタつかせながら本当に人が落ちてきて、「・・・俺のせいじゃないぞ」という主人公とか、病院でしわしわ頭のじいさんに話かけたら、「昔はよかったのう・・・」というセリフとともに、しわしわ部分がずり剥けてなぜかピンク色の亀頭が出現!しわしわ部分が前後にシコシコ動き、頭上に精液が噴射される!!!主人公「出すなよ・・・」というセリフとか、アニメーションを用いた予想外の出来事とセリフがマッチしていて本当に楽しかったです。
★個性的で魅力的なキャラクター
最初にスナイパー仲間の紹介をします。
『エル・マイルズ』女性、23歳、旧国籍アメリカ、スナイパークラス【超Bクラス】、言わずと知れたメインヒロイン。特徴として、大きなおっぱい、ピンク髪、男勝りの性格。実は瞳の色もピンク。
『ラインハルト・バックマスター』男性、35歳、旧国籍ベルギー、スナイパークラス【Aクラス】、スナイパーの主任。主任というと聞こえはいいが、いわゆる中間管理職。上層部とヤンチャな部下たちの間で板挟み。ストーリー後半では重要な意味をもたされるキーパーソン!
『ビックス・ライトフット』男性、38歳、旧国籍アメリカ、スナイパークラス【Bクラス】、2メートル越えの巨漢。特徴は残念な顔とどんな時でも口に葉巻タバコをくわえていること。でしゃばりな性格!?
『ロブ・マナコイ』男性、30歳、旧国籍アメリカ、スナイパークラス【Bクラス】、長髪・細身で「ふっ」という薄笑いをよく浮かべる。悪い意味でユーザーの記憶に残ってしまう悲惨なキャラクター!!
『ルッカ・スパーン』男性、24歳、旧国籍イタリア、スナイパークラス【Bクラス】、自称身長170cmの童顔で、子供っぽい性格。エルに惚れているため主人公をライバル視するが……
『カルロス・リベーラ』男性、26歳、旧国籍ベネゼエラ、スナイパークラス【Bクラス】、アフロっぽい髪型が特徴的な良識のある人。ただ周りが個性的すぎるため、影が薄い。
主人公は年齢・血液型を含む身体的特徴や旧国籍などほとんど不明。分かっていることは名前とスナイパークラスが【超Aクラス】ということだけ。顔は見えないがイケメンらしい?普段は突拍子もない言動をするため、モブキャラからもスナイパーに見えないと言われることも多い。ちなみに女好きも超Aクラスかも?
スナイパー関係者はもうひとりいます。主人公の依頼主でもあるスナイパー監理局局長、通称『局長』です。本名は不明なため主人公も『局長』と呼んでいます。
次にスナイパーの勤務地であるメディアセンター内に登場する人たちを紹介します。
『リンダ・ウォーカー』ソシアルリポート社の秘書。×××したいセクシーな金髪美女。後半リンダさんが襲われているシーンでは笑いすぎてお腹が痛かったです。ワンテンポ遅れて感じちゃうのが最高!
『フィリス・ロイド』ソシアルリポート社オーナー、編集局長。あるシーンで、主人公との会話を聞いていると笑いが止まりませんでした。おもろいおっさん。
『パセリ』19歳。本名は白鳥麗魅。ロリ巨乳系アイドル。髪の毛にハリセン(リボンの1種)をつけている女の子。かかしのアクセサリーが印象的。ごちそうさまでした……
『南 麗子』二十代前半の人気女優。着物が似合う美女、これまた×××したい。
最後に街で生活する人たちを紹介します。
『クリス・ロンシュタット』バー『1991』に勤務する女性。メガネを外すと美人のパターン。普段はおとなしく控えめな性格ですが、主人公を巡るエルとの戦いになるとアグレッシブに変身!
『三田 かな』ホスピタルセンターに勤める肉食系の看護婦。もちろんエッチ大好き!スナイパー関係者とのエッチはまだないので、主人公を狙っている。病院内では『追い込みのカナ』で有名。
以上が登場人物紹介の抜粋です。こうして見ると主人公やヒロインだけでなく脇役も個性的でしたね。さらにモブキャラたちも強烈なインパクトがありました。特にホスピタルセンターのモブキャラ達は変人ばかりで面白かったです。個性的なキャラをより魅力的にしたのは、テキスト、グラフィック、アニメーションなどでしょう。
★グラフィックと音楽、そしてストーリー。その共通項は?
エルフ初の400ライン16色は『FOXY2』ですが、当然『ELLE』も同じく400ライン16色を導入しています。『ELLE』のリメイク作は9年後の2000年発売なので16ビットカラー、色数は65536色もあったのですが、このときはわずか16色。しかし私には16色のグラフィックの方が65536色よりも印象的でした。もちろん鮮やかなのは言うまでもなく65536色です。しかし16色のグラフィックには強烈な【コントラスト】があったのです。
16色という限られた色数をうまく生かすため背景は色数を抑えて【モノトーン調】にし、キャラクターは16色をふんだんに使って表現したのです。モノトーン調にしたことで背景はリアルに感じられ、色彩豊かなキャラクターは生き生きとしていました。リアルさを感じさせるために背景をモノトーン調にしたのは【シナリオ上の理由】もあったと思いますが、背景とキャラクターのコントラストは見事だったと思います。ちなみにオープニングでミサイルが地球に落ちる前のシーン、子供を肩車したお父さんとサンタさんがいる背景は特別で、モノトーン調ではなく【鮮やかな色】が使われているのは印象的です。(CGによる伏線でしょうか?)
音楽はさまざまな場所や場面に適した曲が多かったと思います。一番よく耳にした街を徘徊する時の曲は明るく活動的で、怪しげなオカルトショップでは曲調も怪しさ満点でした。データールームでは冷たい機械音が鳴り響き、ホテルの曲はゆったりと落ち着いた雰囲気で心地よく、ビジョンセンターは明るくにぎやかに感じられました。逆に病院の地下は不気味で恐ろしく、ビクビクしながら捜索した記憶があります。立ち入り禁止区域に行くと主人公やエルは頭が痛くなりますが、曲中でキーンという甲高い音が鳴り響くので【本当に頭が痛くなる】感じがしましたね。お気に入りの曲はラスボスであるギミックとの盛り上がる対決シーン……ではなく、バー『1991』です。決して変わることのないと思わせるような懐かしい感じが良かったですね~。
そして音楽の中で特徴的だったのが【無音】です。クラッシック音楽では『沈黙の奏者』、『4分33秒』が有名ですがELLEにも音のない音楽が存在します。ELLEの中で無音の使われ方は2種類あり、一つは敵を気絶させた後で敵の身体を捜索するシーン。ここでは音のない音楽を楽しむ意味で無音が使われたのではなく、敵を気絶させたことによる静けさを演出したのでしょう。威力を落としたショックガンで撃ったときや「スナイパー特製ステルスパーンチ!!」が炸裂したとき、どちらの行動でも敵が気絶したときには音楽は消え無音の状態になります。静けさの中での捜索は独特の緊張感があり、無音は敵を気絶させた後でも油断していない、周りの音が聞こえないくらい集中している主人公を表現しているのかもしれません。
クラッシック音楽の『沈黙の奏者』は無音を聴くというよりは、演奏会場内のさまざまな雑音、観客のざわめき、自然に聞こえる風の音や鳥の声など聴くものとされています。ラスボスのギミックを倒した後にすべての音が消え、無音状態になります。世界からすべての人が消え、機械も止まり、音がまったく聞こえない。聞こえてくるのは、主人公とエルの発する物音だけ……。
主人公とエルはいろんな場所を捜索しますが誰にも会えず、ドアの呼び出しブザーを押しても音が鳴ることはない。途中いきなり効果音が鳴る演出が2回あってユーザーはビックリしますが、残念ながらエルたちには聞こえないまぼろしの音。この後ふたりは結ばれますが、無音がお互いの存在をより強く意識させたのは間違いありません。
明るい曲、暗い曲、落ち着いた曲、騒がしい曲……。主人公やエルだけではなく、同僚のルッカやラインハルト、綺麗なクリスや可愛いパセリ、そして個性的なモブキャラたちの存在もあったから【無音】がより感じられたと思います。音による【コントラスト】もまた見事でした。
グラフィック、音楽、ここまでの二つに共通する〔キーワード〕は、【コントラスト】です。
ということはストーリーも……そう、コントラストが印象的でした。『ELLE』のストーリーを簡潔に表現するとすれば、『始まりが終わり、終わりが始まり』になります。(ここからギアチェンジして【ネタバレ全開】です。)
『始まりが終わり』とは、オープニングが始まるとすぐにミサイルが地球に落ち、地球上の人間や建物が消え去ってしまいます。始まりが世界の終わりを意味しています。
〔終わりが始まり〕とは、エンディングを意味します。世界の終わりが、新しい世界の始まりだった。両者のコントラストがとても魅力的でした。
★オープニングは大胆に、そしてエンディングも大胆に
オープニングメッセージの後、二十数秒の間にストーリーの核心に迫る意味深な伏線が張られています。ただゲームが始まると画面をクリックするのに夢中になってしまうので、忘れてしまった人が多いと思います。もちろん私も終盤まですっかり忘れていました!その内容ですが、真っ暗な画面の中、時折フラッシュして人の姿らしきものが少しだけ映るのですが何をしているのかよく分かりません。聞こえるのは男と女の声による断片的な会話で、気になる単語としては【血圧降下】、【プログラム】、【臨床実験】でしょうか。
続いて表示される【タイトルロゴ】は『ELLE』というタイトル名と合わせて考えると非常に興味深い。タイトルロゴは、1)逆斜体文字『ELLE』の上に2)尖った波線があり、その上に3)逆斜体文字『L』が大きく描かれています。この尖った波線を中央の【括線】、分数における分母と分子の間の線とみなした場合、タイトルロゴは、『L/ELLE』を表していることなります。ネタバレ全開なストーリーの結末を知らないとタイトルロゴに関わる話がよく分からないと思うので、この話の続きはもう少し後にします。
以下は、ネタバレ全開なストーリー要約です。〔okj〕
局長よりブラックウィドウのボス≪gimmick≫抹殺依頼を引き受けた主人公はメディアセンターに配属されます。捜索に出かけた主人公は偶然にもクリスがブラックウィドウに襲われている現場に遭遇し、敵と一緒になってクリスの胸を揉みますが、無事に救出します。
スナイパー控室でロブが行方不明になったことを知り、病院の地下で合流したエルとふたりで無残に刻まれたロブの死体を発見します。推測ですが死体をグロテスクにしたのは【リアルさをアピールするため】だと思われます。
自室に戻るとカナがやってきて情報入手するために×××したり、クリスの部屋に行くとクリスから告白されて×××したり、とムフフな毎日!
ホテルに呼び出された主人公。待てども待ち人は来ず。かわりにバスルームでルッカの死体と遭遇。スナイパー支部に戻ると監理局からスナイパー全員にギミック捜査中止命令が。仲間から疑われ元気のない主人公。自宅に戻るとパセリがやってきて言葉と身体で癒してくれます。
その後ラインハルトの様子がおかしくなったり、カルロスが殺害されたり、と次々事件が発生。エルが病院の地下に呼び出されたことを知り、ビックスと共に病院の地下へ。不用意な行動をしたビックスは銃で撃たれ死亡!ついにギミックと対面します。ギミックは自らの正体を明かしエルを人質に寝返ることを要求。主人公は誘いに乗ったふりをしてギミックを倒し、エルを救出します。
ギミックを倒した後から何故か全ての人は消えて機械も停止し、世界から音が消えます。エルとふたりで街中を捜索しますが誰も見つかりません。ふたりは主人公の部屋に戻り、お互いの気持ちを確認して結ばれます。
捜索を再開し、立入禁止区域のドアをショックガンで破壊して侵入するふたり。そこにはなんと大規模なコンピュータールームがあり、奥のコントロールルームへ移動。アクセスに失敗した主人公はコンピューターをたたく!するとコンピューターが暴走するもアクセスに成功!!しかしデータ検索中にエルが倒れ、続いて主人公もめまいがして倒れてしまう。
目覚めると男とエルがいて、ベットの上にも寝ているエルが!?男から衝撃の事実(男の正体は主人公の分身で、主人公もまた男の分身)が語られ、スナイパーもブラックウィドウも実在していない【全ては造られた世界】だったことが発覚!!今までいた世界はドームの中で、目覚めた場所は名もない惑星の宇宙ステーション。クリスたちは全員ヒューマノイドで、地球は滅びて存在しないというのだ。
寝ているエルと主人公だけは生身の人間で、頭にはプログラムの入ったマイクロチップが埋め込まれているらしい。主人公とエルの分身?は死ぬわけにはいかないので人間の身体を主人公たちに移し、自らを機械化したというのだ。彼らは地球人の子孫を確実に繁栄させるため生身の人間の反応を知る必要があり、色々な設定、条件を与えて臨床実験したという。
彼らの行動に怒りを覚えた主人公はその支配から逃れるため、持っていたショックガンでロボットである自分やエル、そしてすべてを司る頭脳を破壊し、新しい世界をエルとふたりで創り始める……。
物語の結末はどんでん返しでビックリしますが、気になることがあります。主人公もエルもスナイパーが実在した世界のために、今回の設定や条件が与えられたはず。エルの場合で考えると、オリジナルの『ELLE』に設定や条件が書き込まれたのです。人間の記憶は忘れることはありますが普通は蓄積されます。エルの記憶は実験のために毎回リセットされ、新たな記憶が書き込まれたはずです。つまりエルは『ELLE』の一部分でしかないことになります。ここでタイトルロゴの話に戻ります。
タイトルロゴを『L/ELLE』とした場合、他の設定時と同様に当初スナイパー世界のエル『L』は、『ELLE』の一部分でしかなかったのでしょう。ところが主人公のセリフ「俺は今のエルがいいんだ!!」が示すように、スナイパー世界でのエルの存在が大きくなるにつれて、『L』の文字もどんどん大きくなった。いやあまりにも大きくなりすぎた為、中央の括線が波打って曲がってしまった。これらの意味を表したのがタイトルロゴではないでしょうか。
実はもうひとつ大きな謎が残っています。それは表パッケージに写っているエルにそっくりの女性についてです。スナイパー世界のエルはピンク色の髪や瞳で綺麗な肌をしていますが、表パッケージの女性は金髪で青い瞳、健康的な小麦色の肌をしています。この女性は誰なのでしょうか?
主人公とエルにとってスナイパー世界は造られた世界。しかし大切な想い出です。その想い出を糧として主人公と共にドームの外で明日を生きる、【未来の素敵なELLE】だと思っています。
スナイパー世界は夢ではなく、確かに引き継がれたのです。
ところでリメイク作élの、〔 〕が意味深で気になりますね~