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okjさんの紅神楽の長文感想

ユーザー
okj
ゲーム
紅神楽
ブランド
でぼの巣製作所
得点
65
参照数
3680

一言コメント

オープニングで舞う紅葉は鮮やかで綺麗ですね~。神楽シリーズの魅力といえば凌辱される巫女さんの姿でしょう。シリーズを追うごとに凌辱シーンの回収は楽になっていますが、ゲームとしての面白さが今一つなのは変わらなくて残念です。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

シナリオは世界を救うような大きな話ではなく、ある神社を舞台に主人公である漬物石(封印された妖怪)とヒロインの退魔巫女、そして敵対する妖怪との話がメインになります。
ストーリーに起伏が少なく淡々と進行するので、気がついたら、あれっ?エンディングでしたよ!

またキャラ設定があまり生かされてなく、非常にもったいないな~という印象です。厳しい言い方をすると本作品にとってシナリオは、あくまでおまけ。RPG、SLG、SRPGなどはゲームとしての面白さが最優先され、シナリオは二の次になりがちです。ただエロゲーではエロが重要なので、シナリオがイマイチだとHシーンに満足できないことも多いんじゃないでしょうか?

そしてシリーズという特徴があまり生かされていないのが残念すぎます。通常シリーズものの特徴として、共通の世界観(フィクションにおける世界設定・ルール)があります。特に伝奇もの、ファンタジー、SFなどは独特の世界観をユーザーに説明し理解してもらう手間が省ける為、他の方面に力を注ぐことが出来る訳です。また過去作品で出演したキャラを再登場させるメリットもありますが、本作品では残念ながらいないようです(妖怪は除きます)エゴからでぼに変わった影響もあるのでしょうか?

SRPGとしては特にレベル上げを必要とせず、サクサク進んでいきます。難易度は低いと思います。一部の中ボス・ラスボスで負ける可能性がありますが、ゲームオーバーになっても、負けたステージで獲得した経験値を取得したままの状態で、再度挑戦できる親切設計になっています。周回プレイは、レベル、お金、お供の妖怪を引き継いだ状態でプレイ出来るので、2週目は超楽ちんですよ~。

凌辱シーンの回収は少しだけ手間ですが簡単です。各章で過去の戦闘ステージを選択して戦うことが出来ますし、終盤に購入できる「気絶の符」を使用すれば体力が0になるので簡単に襲われることが出来ます。ちょっと手軽に遊んで、巫女さんが凌辱されるシーンを見たい人にはお勧めです。凌辱シーンの出来は、いい感じでしたよ!

個人的に気になる点としては2つあります。ひとつは妖怪による凌辱と主人公の通常Hがある点で、もうひとつはわざと負けてHシーンを回収しなければならない点です。

このゲームの売りは凌辱される巫女さんにあると思っているので、とってつけたような主人公との通常Hはいらないです。実際ヒロインが主人公を好きになる描写はほとんどないですし、イチャラブも少ないし、Hシーンも2回だけ。中途半端な状態よりは凌辱ゲーに特化して欲しいな~。ちなみに初回プレイ時は負けなかったのでHシーンは1回だけでした……(泣)

わざと負けなければ凌辱Hを回収しにくいというのは、SRPG的には非常に面白くないです。そこには達成感がありません。例えば強い敵キャラを倒してHシーンが回収される場合、ユーザーはキャラを育てることに価値を見出すことが出来ます。苦労して育て、敵を倒した挙句のHには、いつも以上に満足感が得られるのではないでしょうか?(周回プレイしてもらう動機にもなります)

勝つことと比べると負けることは非常に簡単です。敵の前で何もせず、ただ待機をしていればいいのです。ましてや今回「気絶の符」という最凶のアイテムがあります。せっかく育てたキャラを敵の前でわざと負けさせないといけない……すごく悲しいですね~。

シンプルに主人公は妖怪(もしくは妖怪側)で退魔巫女と対立、戦闘に勝てば凌辱Hの方がいいな~。ステージ上で一番活躍した妖怪が巫女さんを凌辱でき、孕んだ巫女さんが出産して新たなユニットが誕生!巫女さんの属性や妖怪の種類によって生まれる妖怪に変化が、という感じでどうでしょうか?

オープニング主題歌で、『はらり、舞い散る涙、紅葉(くれない)のように』とあります。ヒロイン達が流した涙は、血の涙。だからこそ鮮やかな紅葉が舞い散ります。まるで神楽を奏でるように。