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okjさんのイモウトノカタチの長文感想

ユーザー
okj
ゲーム
イモウトノカタチ
ブランド
Sphere
得点
60
参照数
2338

一言コメント

イモウトノカタチ、その答えの一つはパッケージの裏にある???

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

パッケージ裏には『真の幸せ(イモウト)は、恋から作る』と書いてあります。この文の赤字部分を取り出すと『真』『幸』『イモウト』『恋』、そう『真幸(イモウト)との恋』ということになります。大胆にも真幸(=真結希)が主人公の実妹であることを明かし、真幸が実妹であると理解している状態で、真幸(イモウト)と恋することがイモウトノカタチの一つの答えなのでしょうか?

ヒロイン3人攻略後の隠された最終のルートは真結希と結ばれるエンドです。(実際には真結希+ミータですが)真結希の存在を隠す為、他の3人ヒロイン(美優樹、あやか、千毬)と同じようにパッケージ裏にミータを描き、最終ルート攻略後にユーザーがいい意味で『ヤラレた~』となるはずだったのですが、実際には悪い意味での『ヤラレた!!』ばかりでした。

その理由の一つとして主人公に魅力が無い為『主人公=ユーザー』にならなかったことです。キャラ設定的には天然ということになっていますが、ユーザー視点の感想としては鈍感、自己中、暴走しすぎなど多数あり、全く共感できなかったんじゃないでしょうか?その為製作者側が意図したイモウトノカタチと、ユーザーが考えるイモウトノカタチに大きな隔たりが出来てしまったのです。また伏線投げっぱなしや整合性がないシナリオ、特定キャラが不憫なのも大きな原因だと思います。

『魅力あるヒロイン』という素材を用い『兄妹の絆』という良い調味料を使って出来上がった料理は、シェフの大失敗により残念な出来になってしまいました。その為まともに考えれば考えるほど主人公が憎く感じてしまうのです。しかしこうまで主人公が酷いと逆に深読みしたくなります。作品内のイモウトノカタチをそのまま受け入れるのではなく、ユーザー自身が求めるイモウトノカタチがこの作品の隠されたテーマである、と。そう考えれば何となく許せる……わけあるか~~~!!反面教師的な作品を作れるなら、最初から面白い作品を作って下さいってことになりますよね~。

個人的にはシリアスに実妹(美優樹や真結希)とのインモラルな恋か、萌え系のナンチャッテ妹、ロボ妹(ミータ)や妄想妹(聡里)、先輩妹(静夏)との恋が見たかったですね~。