不思議系泣きゲー…ではなく厨二燃えゲー。難しい言葉で文章を装飾しすぎなきらいはあるものの楽しくプレイできた。ヒロインがとても良い。それだけに後半が残念
作品への好感度 A(S・A〜E)
他人へのおすすめ度 S(S・A〜E)※セール常連
各ルート・エンディングの感想、総評の順になっています。
プレイ順:ふたみ→此芽→傘
評価:ふたみ>此芽>>>傘
ふたみ√
ふたみは共通部分からずっと一緒にいるヒロインのため、思い入れがあるキャラでした。ふたみがとても可愛く、イチャイチャしてるだけで心が温まりました。Hシーンもかなり好み寄りのもので満足。もっといちゃつきシーンがたくさん欲しいと思ってしまいました。
シナリオに関しては、前半で提示された謎はふたみと街周りの伏線は姫守姫関連を除きあらかた説明されており、最初のルートながら最終ルートばりに熱い展開でした。王道ながらもヒロインのために命をかけて戦う主人公は大好きです。
個人的にはメメの一連の行動がとても好きで、主人公やふたみのことが大好きだとわかりほっこり。
最後の方のキャラを完全に忘れてた主人公(そういう話ではない)とふたみのやり取りが悲しいというよりなんだか面白く、不謹慎ながら吹き出してしまいました。
此芽√
今更ふたみ以外と恋愛できるか!とは思いつつやり始めたら、なんなら此芽が主人公枠の物語だった、という感じでした。
そういう意味では主人公がメインの物語ではなかったところは微妙に感じました。ラストバトルもかなりあっけなく一方的なものだったため、好みからは外れていたように思います。
しかしヒロインである此芽がとてもいじらしくて可愛いため、此芽の行動原理や内面が開示されていくにつれて彼女のことが好きになっていました。ヨメより先にこんな可愛い妻がいたなんて…とふたみ√の彼女のことを考え、なんだか打ちひしがれた気持ちに。ヒロインとしても、ヒロインでなかったとしても、立派で高潔な彼女がとても好きです。
傘√
主人公が傘を恋愛的な意味で好きになった理由がこれっぽっちもわからない時点で既に置いてけぼり感がありました。主人公のふたみの扱いも雑になりすぎてて涙。
雲戌亥の面々が矜持を示すシーンを筆頭に好きな所もたくさんあるし、明日宿家の考えもわかるのですが…わかるけど、ネームドキャラを虐殺していく彼女たちには賛同はしにくいと感じました。
終わり方もなんだかなあという感じで、作品の締めとしては微妙でした。
その他
・しんみり系ゲーム偽装
このゲームは1stOPやホームページ的に「美少女と暮らす日常+しんみり物語ですよ」と宣伝しているように見えます。しかし、きっと偽装するはずだった前半シナリオから特定人物同士はギスギス、主人公もあまり立場や性格が軽いタイプではない、前半終盤は人相の悪い人が何人も出てくる等、全くそのような物語は展開されません。
制作側の意図がどうであれ、個人的には前半からシリアスな物語だと思ってしまったため、2ndOP以降はせいぜい文体が厨二になったなというところ以外驚きはなかったです。うまく偽装できてたかと言われると…
・絵
どの絵も可愛らしく、個人的に絵の評価はとても高い方です。主人公が描かれたCGも比較的多く、没個性にならないように工夫されていたように感じました。
総評
不思議系ゲーム偽装ができてないゴリッゴリの厨二ゲー。雲戌亥家の面々はそこら辺の厨二ゲームキャラに負けず劣らず一本芯が通って狂っていて本当に良かったです。
もちろんふたみを筆頭に可愛いヒロインも多く、終盤が本当に残念なこと以外は唯一素直に面白いと思える朱門作品でした。他の作品が面白くないというわけでなく、理由をこねくり回してから面白いと言ってる感は否めなかったので。
万人におすすめはできませんが、朱門先生作品が気になってる人には勧められる一作でした。