猟奇的殺人事件×くだらないギャグが織りなす何とも言えない緊迫感と脱力感を楽しむ作品。主人公の義眼兼相棒である「アイボゥ」や主人公と同居する「沖浦みずき」など、魅力的に感じるキャラがいて良かった
作品への好感度 A(S・A〜E)
他人へのおすすめ度 B(S・A〜E)※セール常連
各ルート・エンディングの感想、総評の順になっています。
クリア順:応太→みずき→イリス→全滅→解決
評価:全滅>みずき>解決>>>応太>イリス
応太編
左側ルートからプレイした人は、きっと作中で一番応援できないキャラである応太。実際最後の最後まで周りを振り回しまくって終わったので、印象が改善することはあまりなかったです。
みずき編
みずきはいちばんのお気に入りキャラです。主人公と同居している血のつながらない子供という難しい立場でありながら、テキストの楽しさと声優さんの演技の上手さで、斜に構えた小学生の性格づけが実に上手にできていたキャラクター。彼女の主人公への口の悪さは、愛情の裏返しだったところが良かったです。
内容に関しては、みずきと最初の方にした約束である「〇〇(自分の場合はもんじゃ)を食べに行こう」イベントがきちんと履行されたのが良かったです。謎は残ったままですが、事件も一応収束しており、比較的気持ちの良いエンディングだったと思います。その後全滅編をプレイするとその感想も吹き飛びましたが。
イリス編
主人公も電波に染まってしまい、まさかの全編電波でお送りされた、ある意味すごいシナリオ。何気に、左編のイリスはほとんど別人(犀人)であることが判明したため、本物のイリスと触れ合える貴重なシナリオとも言えます。そのイリス自体も脳腫瘍に侵され、やや話が通じない状態にあったので、何とも残酷な話です。
話そのものが面白かったかと聞かれると微妙ですが…
全滅編
え、ボスが犯人!?となったところでプレイ中断。残り全てのシナリオが終わった後、戻ってくるとそれとなく犯人の形が掴めているのが良かったです。
ある意味解決編の半分を担っている話でもあり、左側ルートのまとめになるシナリオだったため読み応えがあり面白かったです。
きちんと一度主人公が大敗したシーンが描かれることにより、その後への期待が高まりました。
解決編
とってもすっきりするエンディングでした。主人公(ではないが)の頭がパーンと吹き飛ぶシーンがかなり衝撃的ではありましたが…
最後の最後のダンスシーンでは思わず心が温かくなる、このゲームやってよかったなあと思える、そんな結末で満足です。
その他
・ソムニウムパート(操作パート)
カメラ操作が苦手で、3D酔いしやすい自分にはそもそもプレイがキツかったです。
また、毎回次に何をしていいかわからないという状況、試行錯誤するための時間がかなりシビア、やり直しもなかなかきかないとなると、自然と高難易度に。総当たりなのに時間制限がキツいのだけはどうにかしてほしかった。
総評
血みどろ猟奇的殺人事件とくだらない下ネタ・ギャグが織りなす何とも言えない空気感に思わずのめり込んでしまう、そんな作品でした。ギャグが滑ってないわけではないので、合わない人はとことん合わないだろうなあ、と…人を選ぶとはまさにこういうことだろうと思いました。