うたわれるもの三部作最終作。最終作にふさわしい出来でした。
作品への好感度 S(S・A〜E)
他人へのおすすめ度 D(S・A〜E)※続編の続編、3部作の完結編のため。公式側も本作からのプレイはオススメしていない。
前置き
一本道のゲームのため、良いと思った点と悪いと思った点、どちらとも言えない点について記載、その後総評という流れで書いております。
■良いと思った点
・キャラクター
前作からさらに魅力を増す作りで面白かったです。欲を言うなら、キウルはもう少し掘り下げがあっても良かったかなと思います。
今作では特にネコネ、アトゥイ、ライコウ、シチーリヤを好きになれました。ウォシスは…
・ストーリー
前半2/3は1作目を想起させる国盗り+内政パート、後半1/3は真相究明+解決パート。
前半は前作ではあまり姿を見せなかったライコウがまさかのラスボス枠でびっくりはしたものの、親(神のような帝)からの巣立ちという1作目ラストを思わせるような話でした。ライコウに関してもマロロの件で恨みは覚えつつも思想にはなるほどと思わせる部分も多く、堅実に面白いパートでした。
後半はライコウを後ろから操っていた?ウォシスがラスボス。ウォシス自身がどうしてもライコウより格落ちしてしまうキャラクターだったために、乗り切れない部分もありました。ライコウは國民、國の行先を見ていましたがウォシスは自身しか見えてないタイプでしたので(ラスト付近で親の愛に気がついたものの…)。
ただ親から巣立てないウォシスと巣立とうとしたライコウ、巣立つべきだという思想の主人公・オシュトルという構造自体は悪くないと思います。
そしてハクの消滅と真ボス・ウィツァルネミティア(クオン)はバトル演出もあってずっと泣いてしまいました。
終わり方自体も1作目を踏襲したような未来に向かったエンディングで良かったと思います。
気になるところは多々あるけれど、満足です。
□悪いと思った点
・一部ストーリー
前半についてはマロロ、ミカヅチは戦闘回数も多く、話もなんだか間伸びしていて「あ、またこいつらかー…」と終盤はダレ気味に。
話を聞いてくれない相手を何度も何度も相手にして、じゃあ決着はまた次回…というのが連続し、緊張感が若干薄れました。ヴライくらいのテンポの良さなら納得もできたのですが…
後半は良い点で書いた通りウォシスの格などの問題がありますが、引き伸ばし感は薄かったので概ね悪くはないかと思います。
△どちらとも言えない点
・一部キャラクター
どうしようもないのですが、よく指摘されていそうな所だとウォシス、冠童三人衆あたりはもう少し面白味が欲しかったところです。また、マロロの扱いももう少しどうにかなると良かったと思います。
・ゲームパート
ゲームパートについては散りゆくと偽りの中間くらいの遊び心地でした。挟撃必殺はもう少し組み合わせが多い方が、面白味が出たと思います。
総評
細かいことは抜きで100点です。うたわれるものを知ることができて本当に良かった、その気持ちだけです。萌えもあれば燃えもあり、古臭さもあれば近未来感もあり、泣きもすれば笑いもできるし、男女比もちょうど良く、友情もあれば家族愛もあり……創作物で欲しいと思っていたものが大体揃っていたシリーズでした。