とても面白かった。蟲愛にも少しだけ触れます
めっちゃシナリオの評判が良かったのでプレイ
ライターが万夜さんということもありました
これをプレイし終えてまず感じたのは、このライターさんの以前の作品である蟲愛に良く似ているということ
主人公が女の成長物語であり、強くなっていく姿も似ています
実際蟲愛は自分も気に入った作品なので、そういう点での補正もかかっているかもしれません
以下シナリオについて自己満足の文章を
1章
誰もがこういうゲームだと予想していたであろうまさにそういう話
今作におけるクズが集結しています
ここで出てきたいわゆる敵キャラは今後もしつこく出続けるわけです
王の世界はおそろしい
ところで、万夜さんはこういう視点での書き方がとても上手いと感じました
大多数のエロゲの凌辱ジャンルでは視点は男側であり、犯される側の視点は基本は無視されるので、感情移入が難しかったりするわけですが、このゲームは女主人公に感情移入してこそのシナリオとなっていると思います
そして、この女視点による1章での散々な犯されの感情移入が、2章以降のシナリオを引き立てていたとも感じます
シナリオだけ見るなら1章がなくてもいいんじゃないか、とは自分も最初は考えましたが、やっぱり凌辱あってのこのシナリオですね
実際この1章のおかげで、主人公が今後王の世界の住人から必死に逃げる心理に共感しやすくなりました
2章
最初は意味が分からなかった話
急に飛ばされて落ちた先が雪の上で吸血鬼に拾われて・・・ 意味不明です
しかし、不死がもたらす人生が動き出す章
主人公にとっては大切な人との出会いの時代であり、別れの時代でもあります
落ち着いていて緊迫感がないテキストが続いたので、基本山場のこのゲームの中じゃ一番安心できた話でもありました
あの強靭な吸血の王が死ぬという現実は、死というものについて考えさせる起点になっているんじゃないかと
3章
このあたりから主人公の戦いのスキルが本格化します
性格ががらりと変わってて驚きました
基本は追われて戦って生と死の狭間を行きかう訳ですが、このあたりで不死というものを感じ始めました
でもあれすぐには体は元に戻らないんですね;
ゾワボの本格的な介入が始まったり、リトルが出てくるのもこの頃
このあたりからシナリオゲーとしての頭角を見せ始めてると思います
自分は戦闘分野は好きなので、とても楽しめました
4章
大切な人が死を迎え、不死の真実を知る
後半の印象が強すぎて、前半は後からだと蛇足感さえ感じてしまいました
死生観というテーマはこの章でも結構表れていたと思います
マリーの死と不死の孤独の対比が素晴らしかったです
一番人生に影響を与えたであろう人物の死は、今後の決意にも大きく影響したんじゃないかと
5章
シナリオゲーとして見るならおそらくメインの章
4章もメインですが、こっちの方が自分は色々考えさせられて面白かったです
本当にこのループを終わらせるのかという心の中の葛藤は、ここまでの長い人生の中で作り上げられてきた自分自身の結論を出すという意味でも重要のものだったと思います
現代の自分や母親との出会いによって、心が動かされていく様子も良かったです
自分のわがままでそこにある小さな幸せを壊してしまってもいいのか、もう1人の自分と話す描写というのはなかなか特殊な感じでしたが、このゲームでは上手く使われていたかと
戦闘はこの章ではあまり重要ではありません
ラスボスのはずなのに案外簡単に沈みます
それだけ主人公の決意が強かった それだけのものをこの長い人生で得られたというのですから、それだけでも素晴らしいと思えました
ここでタイトルの一部である舞の要素がちょっとだけ出てくるわけですが、ほんとに申し訳程度です
サブタイトルの必要性って・・・
舞の話だけなら1章でも出てきましたが、こちらも特に印象には残りませんでしたね
(実は今後の主人公の不死に関わる大事なパートでした)
無限煉姦、これだけでもこのゲームには十分当てはまるんじゃないかと感じました
アフターと総評
全体を通して言えるのは、ここまでの年月が果てしなく長く、その間に主人公が著しく成長し、最後の決断に至ったということです
主人公の成長も章ごとに良く分かります
ゲッグにすら服従していた弱々しい人柄から、最後には戦闘も相応に戦える決意を秘めた人柄へと進化しています
今回は蟲愛とは違って復讐という形ではありませんが、自己の成長によって何かを為すという点では共通してるところはあるし、根底は同じところにあると思います
あとは、ゾワボ視点の話が本編の補完になってて面白かったです
本当に苦労したんだなと 1章で折れる主人公さんもいたのは驚きでした
本編は無限の試行の中でたまたま主人公がループを断ち切る決意をした、本当に数少ない可能性だったわけです
タイトルの無限という言葉には、不死による無限大の人生、穴に落ちることから始まる主人公の無限のループ、主人公が王の世界に落ちてから生きる無限の人生の可能性 このような意味が含まれているんじゃないかなと思いました