エロゲー版ドラゴンヘッド・・・つーか、まんまドラゴンヘッドやね・・・。
最初に言っとくけど、ドラゴンヘッドが嫌いな人間はこのゲームやるな。時間の無駄。
自分はリアルタイムでドラゴンヘッドを最初から最後まで週刊で見てて、一度たりとも面白いと思ったことはないし、なんで人気あるのかわからんかった。
そんな俺の『swan song』の感想としては一言で言うと微妙・・。
まんま『ドラゴンヘッド』やん・・・。
まあそれでもクワガタの描写だけは秀逸。主人公がヘタレ主人公の次に嫌いな、クール系天才主人公だったんで俺の中ではクワガタが完全に主人公だった。
いやね、これ普通の人は主人公に感情移入まったくできんと思うんよ。少なくともこの書き方じゃ・・・。なんかね、葛藤がないんだよ。それはタノさんにしてもそうなんだが基本的に思考にブレがない。人間臭くないんだよ。
ただ、その分、クワガタと柚香の心理描写はよかった。素直に共感できる。
俺はこの二人のラブストーリーが見たかった。
別に司と柚香のラブストーリーが嫌ってわけじゃないんだが、司の心理描写が不足してる。ラストで司が「僕も絶望することだってある」みたいな事を言ってたがそれを文章で表現してくれないと読者は困るのよ。結果、悪役のクワガタに感情移入するはめになってしまう。それで柚香と司のエロシーンのたびに寝取られ気分を存分に味わう羽目に・・。
あー、そういう意味でもドラゴンヘッドも主人公に感情移入できんかった。
とここまで辛いこと書いたけど、それを考えても十分良作だと思います。
他の人もいってるけどご都合主義はないし、パニック状況の描写とかは秀逸。
個人的には、終盤のクワガタと柚香の二人きりの会話シーンはいい。
あれって洗脳の常套手段でクワガタもそのカラクリはわかってるんだろうけど、それでも嵌ってしまうところの書き方が最高。
当たり前のことだけど、洗脳のテクって同時にコミュニケーションのテクでもあり恋愛のテクなんだよね。そしてあれは、多分柚香は司に同じ事をしてもらいたかったんだと思う。そして柚香はクワガタに自分と同じ悩みを見つけたんだろうね。
結局、クワガタですら序盤は相手の気持ち、立場を考えた思考、行動をとっていたのに
司君は自分の理想を相手に押し付けるだけ。
下手なヘタレ主人公よりたちが悪かったです。
結論として凡百のエロゲーよりは価値があると思うが、わざわざ金払って、時間削ってまでやるゲームかと問われれば微妙。だって、感動もなければ、燃えも萌えもエロもないわけですから。