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nasuergsさんの愛慾のエプロンの長文感想

ユーザー
nasuergs
ゲーム
愛慾のエプロン
ブランド
Autobahn
得点
64
参照数
150

一言コメント

今プレイすると見劣りする部分はいくつかあるが、約20年前に世に出たことを考えると以降の寝取られ作品に与えた影響は少なくない。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

初めからヒロイン視点でストーリーが進行し
旦那視点は「妻が家に居ないこと」を説明する場面で挿入されるのみ。
旦那は一切妻の情事に気づかない為、寝取られよりは浮気に近いが、
一応、隣人の秘密を知って軽く脅されてという流れがあるので寝取られの範疇にはあるかと。

ヒロインの愛は旦那より年下ではあるが、やや強気で姉さん女房な雰囲気があり、
声もカラッとしていてキャラには合っている。
一方で、エロシーンにおいては音質が良くないことに加え、喘ぎが一辺倒なので満足度は高くない。

サークルの定番であるヒロインの心内語(心の声)がボイス付きで頻繁に入り、
通常のセリフを主に聞きたい人間にとってはテンポが悪く疲れる。
割合も心内語の方が多く、シーン尺もそこまで長くないので、おのずとセリフ数が不足気味。

フェラシーンはそこそこ用意されているが上記の問題と
声優や音質周りのせいで総合的には及第点にギリギリ届くかどうかといった印象。

シーン中に旦那への謝罪の言葉は何度も発せられるが、
セリフにバリエーションがなく、テキストも状況の説明に徹しており熱量は感じない。
間男もこれといった個性は見られず、魂が入っている感じが無いのは後作の『目眩く侮愛の宴』と同様。
ただ一点、「家庭が崩壊した妻になど興味は無い」という趣旨のセリフは良かった。

フローチャートは気になった場面をいつでも再生できる利便性がある反面、
エロの導入が省略される原因のひとつになっているきらいはあるが、
寝取られというジャンルが多くのユーザーに認知される前の時代に
ダブルヒロインのフローチャート式という今でも数の少ない作品を世に出したことは価値はある。

セリフよりも心内語を優先していると思える場面も多い為、
そういった表現が気にならないユーザーならば満足できるかもしれない。