頭と尻尾にだけあんこが入っているたいやき。イブの存在がエロを阻害している
表題の意味はそのままでゆきかぜの寝取られルートにおいて
起承転結の承~転に当たる部分がごっそり抜け落ちている。
このゲームを大雑把に分けると
主人公視点ルート
ゆきかぜ視点の寝取られルート
凛子視点の寝取られルート
エロ動画サイトを見るモード
の4つに分けられ
主人公視点ルートは選択肢によって
ゆきかぜと凛子のどちらが救援に来るかが決まり
ルート終了後に選択に応じたルートが解放されるが
主人公視点でのエロシーンは静流との1回のみで(凛子の場合は+1)
その他にはゆきかぜが悪戯されるのを遠目に目撃する程度。
よって、ゲームの根幹は寝取られルートになるわけだが
ゆきかぜルートについて言えば
ゆきかぜが学園に来て処女を散らされてから
3日間はエロシーンを挟みながら開発される様子が描かれるが
それが終わると一気に二週間後の最終局面まで飛ばされ
完全に寝取り男の手に堕ちている状態でそのまま物語が終わる。
その後、エロサイトの動画を見るモードが解放されるが(ゆきかぜx4 不知火x1 凛子x5)
ここではサイトに掲載されている動画を選んで見るだけで
細かい流れはなくブツ切りのエロシーンを見るだけである。
動画サイトの内容については先の悪戯を目撃した時のシーンもあるが
ゆきかぜの他2シーンは主人公が敗れ里に帰った後でこの動画を目撃する
そのことを想定した導入
例えば「一人寂しくこの動画を見ていると思うが~」
というような語り口で動画が始まり
本来、空白の二週間で描くべきだったシーンは動画サイトにも存在しない
寝取られルートでの初めの3日間は
処女を奪われる クラスメイトとセックス マッサージで感度開発 アナルセックス
と開発に重きを置いたシーンが主であり
いよいよ寝取り男との出会いから初セックスなどの
これから山場が来るだろうと期待が高まっている状況で
上記の通り一気に最終盤面まで場面が飛ばされてしまうのである。
なお、動画モードで時系列として一番初めに来るのが
主人公が悪戯を目撃したシーンなのだが
このシーン自体が既に寝取り男に散々犯されてしまった後の状態で
肝心の「心も体も奪われていく」胴体と呼べるシーンはゲーム中には存在しない
ただプレイヤーの妄想にだけ委ねられているのである。
すなわち
『頭と尻尾にだけあんこが入っているたいやき』という表現が最も適していると思われる。
時間が無かったかミドルプライスゆえにこの程度が限界だったのかもしれないが
それならそれで静流とのシーンを削るなどもう少しなんとかなったのではないかと
人気作なだけにとても惜しい気持ちが残ってしまう作品だった。
また、過去作と比較すると上記の構成の問題の他に
「イブ」という本人の意思では抗えない洗脳ナノマシンが快楽堕ちや寝取られ感を薄めてしまっている
女子生徒が身体を捧げる学園という舞台設定は『レディイノセント』のようで良かったのだが
ユキカゼ1の方が快楽による寝取られ感が前面に出ていて
その点でも物足りなさを感じてしまう理由の一つ。
立ち絵の素晴らしさはエロゲの中でもトップレベルで
イベントCGも高品質なのでそれだけでもプレイする価値はあるが
もう少し値段を上げてでもシーンを増やすべきだったと時間が経つほどに後悔の残る作品。