主人公と寝取り男の関係性は特筆すべきもの。話や構成、絵の出来も悪くはないが、ヒロインの声にメリハリが余り無く序盤と終盤を比べてもほとんど印象が変わらないのは気になった点。
イジメを受けていた相手に寝取られるというシチュエーションとしてはこれ以上ないもの。
ヒロインも4つ年上ではあるが幼馴染で申し分なし。
主人公はかなり察しが悪いがSNSでそれまでの経緯を知るシーンはなかなかインパクトがあり
主人公視点での見所はここにほとんど集約されていると言っても過言ではない。
ただし、画像のみなのでその点ではやはり物足りなさは残る。
ヒロインの声は声質自体は特に問題ないのだが、
悪く言えば一定でメリハリがなく終盤のエロでも開発されているんだなという事が余り伝わってこない。
これはエロゲーにおいて無視できない点で、
ヒロインと男の関係性が進んでいることを表現できていないことに変わりなく、
容姿やテキストがどれだけ変化していてもプレイしている身からすると真に迫るものがない。
序盤のエロシーンと終盤のエロシーンを比較しても卑語等を除けばほとんど判別がつかないため
変化をウリにしていない作品ならまだしも(抜きゲーにおいて変化は最重要ではあるのだが)
コンセプトとしてそれを重要視している作品にあっては評価を下げる要因にならざるを得ない。
ただ『ホントノキモチ』や『イロヨリドリ』のヒロインは喘ぎ一つ取っても変化が大きかったので
先にプレイしたそれらの作品とどうしても比較してしまう所はあったのだとは思う。
一方で、フェラシーンに関しては水音はやや少ないがそこそこ上手く
また、キスシーンも複数回出てくるのでその部分は加点要素。
特に主人公の前でアイスキャンディを舐めるシーンはグッとくるものがあり、
主人公視点のみルートのことを考えるとあと1回くらいあっても良かったかもしれない。
主人公がSNSの投稿写真以外で目にするエロシーンが終盤の3つと少なめで
あっさりと終わってしまうのはマイナス要素。
ヒロインの変容ではやり過ぎ感のあった『キミノオモイ』より現実的ではあるが
黒髪ロングの真面目なイメージが声とマッチしていることもあって
そもそも茶髪やギャル化のイメチェンがエロ度にプラスになっているかと言えば疑問ではある。
主人公と寝取り男の関係性の深さを生かしきれていないのも惜しい。
絵に関しては怪しい部分はあるものの(ブレザー腰巻はないとは思ったが)
イベント絵の液体表現が塗りも含めて生々しくエロ度を数段押し上げている。
総評:
声における変化や発展が乏しい点さえ気にならなければ
ヒロインが主人公と明るい未来が築けたかどうかは疑問ではあるものの、
狡猾な男に良い様に調教開発されるという部分で、一定の喪失感は味わえる作品。