読後感がいいとは言えない。でもやる価値はあると思うし私はやってよかったと思う。後はどうしても気になる点が一つ。他の方の意見が聞きたい。
終わってから1日経つが未だに心の整理がしっかりできたとは言えない。一言感想の気になる点は一番下に記述。
・Case1~3
エピローグ以外文句のつけようがない完成度。
どのシナリオも面白いしどのヒロインもかわいい。
中だるみすることもなく読み切ることができた。
エピローグに関しては少し不満もある。結末自体はハッピーエンドでそれに対して不満はない。
けども別れからハッピーエンドまでの過程があっさりしすぎていた感は否めない。
ハッピーエンド自体は気に入っているのでできればもう少し丁寧に尺をとって過程を描いてほしかった。
・Case0
Case0については後半の展開が非常に重い。
Case1~3の幕間で自我を無くした(その時点ではわからなかったが)世凪を見ているので子供時代を勧めている時点で何かが世凪の身に起こりそれを主人公が助けるという流れになるんだろうと予想をたてる。たぶん誰しもがそうなんじゃないかと思う。
だから私は世凪の遺伝性アルツハイマーの話を聞いたとき、これが乗り越えるべき山場でありこれを主人公が解決するんだと思った。
ところがここから拉致、前頭葉切除、自我喪失、基礎欲求欠乏症。
さすがに酷すぎではないか?
百歩譲って基礎欲求欠乏症はまだいい。
しかし遊馬の行動で起こった出来事は許容できるレベルを超えていた。
これまで少なくない量の作品をプレイしてきたがここまで怒りを覚えたのはいつ以来だっただろうか、もう思い出せないくらい長い間感じていない怒りを覚えた。
この怒りはクリアしてから1日たった今もまだ燻っている。
この怒りがなければエンディングももっと素直に受け入れられたのかもしれないと思うと非常に残念だ。
そしてここからが疑問に思っていることだ。
主人公は最後、仮想空間で世凪と再会を果たすわけだが、この世凪は本当の世凪なのだろうか。
私の言う「本当の世凪」というのは遊馬によって自我を消される前、つまり海斗のことを愛することができていた頃の世凪のことである。
私は基本的にハッピーエンドに近ければ近いほど嬉しいと思っているタイプの人間だから本当の世凪と再会をして二人は仮想空間で幸せに暮らしていってくれれば一番良い。
ただ手放しにそう思えない自分がいる。
仮想世界の世凪は海斗の記憶と海斗から語り聞いた人々の共通認識により作り出された世凪で、結局は本当の世凪ではないのではないかという胸のわだかまりが残っている。
だから私は自分の心を慰めるために
海斗の記憶・意識 + 他の人々の認識
という2つの要素だけではなく
海斗の記憶・意識 + 他の人々の認識 + 仮想世界そのものに残っている世凪の意識
という3つの要素で世凪が生まれたと考えている。仮想世界そのものに残っている世凪の意識があるのならば本当の世凪と言ってもいいんじゃないか、と。
根拠があるわけでもないしただの私の願望である。
最後の世凪のことをどう思い考えただろうか。私は知りたい。