少女1人1人が抱く『葛藤』を絶妙に表現出来ていた
メイデン候補という一般には羨ましがられる存在の裏での、則というルールに縛られた学園生活は、
作品全体にどこか影を落とす要素として巧みに機能していたと言っていいでしょう
メイデンを目指す為に、学園で授業を受ける特進クラスの生徒たちの心の機微に触れながら、
避けられない運命の歪みに翻弄されていく少女たちが物語を彩ります
なかでも特に2章のマコーとパヴォーネの章についてどうしようもなく切ない気持ちになってしまうぐらい心が揺れて涙腺を刺激しましたね
Hシーンは全体的に短めなので気持ちの昂りは必要かと思いますが、鑑賞中にとても興奮出来たものもあって良かった
シナリオの流れとしても自然だったし
受けと攻めがきっちりとしていたのも良かったのかも
性欲は汚れているという表現が作中で使われますが、少女たちの想いを感じればCGの美麗さもあり壊れてはいけないような愛の形として受け入れてしまうような、そんな感情移入が出来たように思う
独立しているというよりは、ほぼシナリオの一部と化しているパターンですね
おそらくは原詩に着想を得ての忘れたいという気持ちと忘れられないという気持ちを、
プエラリウムという外部と隔絶された学園という舞台と、メイデンを目指す少女たちが織りなすストーリーという形で今回表現したのは実に素晴らしい
また、少女の想いを知る為に奔走するアルエットの動向を『白い種の欠片を集める』というイベントに落とし込んで触れていく流れを見てからより作品が好きだなという気持ちが強まりました
アルエットの優しさがすごく溢れている作りに感じたんですよね
そして夜を重ねるごとに変化していくルクの感情の揺れをどうか味わって欲しい
テキストは難しめの表現を使う部分も多々あり、時々語句について調べるのも楽しめます
そして、メイン曲であるNevermoreは曲コメントもさせていただきましたが至極の1曲です、ほんと大好きです
1度作品を終えてこの曲を聴いて、冒頭部分を読むと胸にストンと落ちる感じもありますのでもう1度少しだけ読み返してみるのも良いかもしれません
この作品を通してお気に入りになったキャラはアヴェルラです
なので、1つの結末を目にした時にそれが希望から程遠いものであったとしても
「僕は好きだなぁ・・・・」という思いになりました、やっぱり推しが仮初であっても幸せになる光景を見られるのは嬉しいので
勿論のことながらベストエンドについても、
これから何が待ち受けているかは知りようもないけれど、希望に満ちている未来があるというのがとてもいいなって思いました
世界が複雑であるが故に、きっとそれぞれが幸せに笑顔で過ごしていける日々も掴み取れるはず
そうあって欲しいと願わずにはいられないですね