個人的に「名作になりそこねた作品」というPOVが最もマッチした作品でした。これに100点がつくのは稀だろうなぁと思うとついつい100点をつけてしまった・・・。世界を救う系の話ですが、従来の世界系が嫌いな人にこそむしろお勧め。スマガが好きで、1周目より3周目・ラストが好きだったって人は特に。
というのも・・・
世界系にありがちな主人公
「こここここの地球が壊れるなんて…そそそそんなことはゆゆゆ許されるわけなななないだろッ!」
「おおおお俺は光の勇者だったのかっ?!!うおおおおおおおおおおおおおおおお!!なんてことだあああああああああああああ!!」
一昔前にはやったタイプ
「(キラーン)世界が滅びようが滅びまいがどうでもいいが(フッ)俺より強いやつがいるのは気にくわないな(シャキーン)」
「ぐおおおおおおおおおおおお(上を向く)これが俺に与えられた運命(さだめと読んであげましょうね^^)だというのかぁああああああああああ」
最近主流になってきたタイプ
「俺みたいな凡人ができることなんてたかが知れてるけど(ちょっとためる)…でも、俺は…!!」
「光の勇者だからなんだって言うんだっ!俺は”ただの学生”(ここ強調)なんだ…!!」
nega0
「なんか面白そうだしついノリで」
「で、伝説の始まりだぜっ(笑」
こんな感じだからです。
詳しくは飛ばすとしてまずは簡潔に総評から。
この手の大作って一度にやってしまうと、要素が多すぎて何を書けばいいのかわからなくなるんですよねw
ひとまず、成長物としては成功していたと思います。
ですが、ゲーム性は駄目駄目です。絵も正直・・・
まとめておくとこんな感じ。
シナリオ アセリア<なるかな<<<<(壁)<<<ユミナ<<<<<nega0
ゲーム nega0<<<<(壁)<<<なるかな<アセリア<ユミナ
絵 アセリア<<<(壁)<<<nega0<<<(壁)<<<<アセリア<ユミナ
○絵
というか、絵が安定してないです。良いものはいいのですが悪いものは・・・。
今作品で一番デバックしたかったのが、背景(学校)の校門でした。パースを考えなくても、あれはないw
○音楽
「ネガティブゼロ・パラダイス」はお馬鹿なノリで良かったかと。
「明日から(晴れるかな)」の所で、雨がふってやらないれーこの姿が思い浮かんで一つも吹いてしまいます。
あと、割りとシリアスなところで、アレンジされたのが流れますが、BGMがこの歌だと気づいて吹いてしまうことも多々。
○戦闘
正直、つまらないです。
アセリアから延々と続いてきたパターンを廃棄したのは評価したいですが、残念ながらこの出来なら例えかなり飽きが来てようが今までの奴の方がましだとおもいます。
1周目の頃は本当に苦痛でした。敵が弱すぎて、コンボさえ繋げればそれで終わりという緊張感も何もないゲームでしたし…。
もっとも、周回して敵が強くなっても、息抜き程度にしかなりませんがw
龍神様に少してこずりましたが、回復さえすれば余裕で勝てます。
○エロ
れーこ4回、ファソ3回、いちよ2回、ナナカ2回、その他魔法少女が各1回ずつの計17個。
結構普通な回数ですが、その割に変態プレイが多かったのが印象的。
黄金水だったり、変身だったり、おとなのおもちゃだったり、チョークだったり、犬だったり、SMだったり、野菜だったり。
数えてみたら半分近く占めてますねw
○声優
というか、れいこ(有栖川みや美)の話ですがw
77のさくらの時はどもりすぎでかえって怖かったですが、これではしっかり臆病なキャラが演じられてると思います。
成長して「そういうのってよくないと思うな」っていったれいこの声はホントつぼでした。
あ、あと、いちよちゃんの声がゆったりしてて好きでした。声優サイトで声優が釘宮ってなってましたが、結局どうなったんでしょう・・・。
○シナリオ
七烏未奏さんは「StarTRain」「絶対幸せ宣言っ!」の頃、あの青臭さが肌に合ったライターでした。
当時からだいぶ時間もたちましたし、もう合わないだろうなぁと思いつつ懐かしさからついやってみましたが、杞憂に終わりました。
当時の青臭さとかいったものが消えつつもいい意味で残り、言いたいことが先行しがちだったテキストにも余裕ができて、「光るものがあるけど、同
人レベル」だった当時から「第三世代を担う優良ライター」になってるなぁというのがこの作品をプレイした忌憚ない印象です。
・キャラ
企画屋の紹介で「新進気鋭の第3世代ライター」と言われていますが、言うだけあって上手く第3世代の人間が描けてると思います。
「あ、こんなのいるw」と思うようなキャラばかりでした。
れーこは人見知りの激しいおどおどしてるキャラですが、いちよとなおたにだけは地を出していてツンデレっぽくなります。
77のさくらみたいに誰に対してでも弱気っていうのよりかはこっちの方がはるかに人間らしく感じました。
何より、主人公のなおたの性格がまさしく私でしたしw
終盤になって「効率的」と連呼する様は少し違和感を覚えましたが、1周目の頃はほんとにシンクロしてました。
一番驚いたのが、「割り切りが良すぎて、人間的に壊れてるんじゃないかと不安になったことがあった」という描写。
昔、確かにそんなことがありましたが・・・似たような性格でもない限り、普通そんなこと分かりませんよ?
緻密で的を射ている、よくできたキャラ設定だと思います。
ゲームをやりながら、実は俺は監視されてたんじゃないかと被害妄想にとらわれたぐらいですしw
私のこの作品の評価が高い原因もここ辺りにあるかもしれません。
ただ、一部例外もいました。
ちさとか一番槍を任された割にエロゲにありがちなキャラで、終盤ただのギャグ要因になりましたし。声優を考えても捨てキャラっぽいです^^;
・テキスト
何故か、3パターンにわかれてますw
1周目の頃は伏線や展開も綺麗でわかりやすい、洗練されたシナリオでした。
周を重ねるごとに、あっと驚くような展開や複雑な設定が増え始めますが、ごちゃごちゃしているだけで一応すらすら読めます。
最終章になるとぼかしを多用するようになり、解読に苦労するありさま。
まぁ、最終章は「卵と鶏」の問題で矛盾が起きますから、誤魔化さないといけないというのはわかりますが・・・もう少しどうにかしてほしかったという気も・・・。
・ノリ
破天荒なところは、前作のユミナの良さを素直に引き継いでいてくれて安心しました。
しかし破天荒なところを引き継ぐなんてよくよく考えれば滅茶苦茶です。
OHPの時点で成功してるだろうとは思ってましたが、この会社の発想力には毎度驚かされます。
鬱パートはそれなりにシビアですし、願いをもって必死に訴えかけてくる魔法少女たちを「楽しそうだから」「そういうの気持ち悪いから」という適当な理由で倒す主人公ですから嫌いな人は嫌いでしょう。
散々言われてるでしょうが、感性という面でかなり人を選ぶ作品です。
パロネタもそれなりに目につきましたが、作品独自のネタで笑わせてくれるところもあるので(灯台から落ちたところは腹を抱えて爆笑しました。)あまり気にしなくていいと思います。
全体的に、遊び要素が豊富で面白いです。
・テーマ
とりあえず、私は成長物と見ています。
れいこが成長に至るまでの過程が緻密に描かれていて、それでいて現実的です。
もっとも、やってることはめちゃくちゃSFですがw
ここあたりスマガと共通してますね~・
私は成功物の合否は、クリアした時に「明日も頑張ろう」と思えるかどうかにかかっていると思ってますが、その点これは成長物としては成功していました。
今こうして感想を書いているのも、そのおかげですし。
問題は、感想を書くのでやる気を使い果たしてしまいそうなことですがw
長々と書きましたが(1時間近くかかったかもw)
早い話私に感性があったということです。
れいこもいちよちゃんもクリーンヒットしましたし、私服の2つ服を重ねるあれはがちでした。
・・・戦闘服のセンスはあいませんでしたがw