物語の終わりがいまいちスッキリとしない、やりたいことを欲張った結果ごちゃついてしまった印象
他の方と一緒で代わり映えしない感想なのですが、やはり物語のシメである春姫ルートの展開が弱いですね。
どんでん返しの展開をしたかった故に夏姫と敵対して鉄鬼の力を主人公に集めて戦うという展開をしたかったのでしょうが、結局のところ夏姫の本心がが人を愛しており目的が鉄機を倒すことなら全くもって必要のない展開でしたよね。
偽りの敵対により主人公に鉄鬼の力を集中させそれによって世界中の鉄鬼を停止させる等ということをせずとも、協力しない1体の黒神ではなんの勝負にもならない神にも等しい力を持つ夏姫を復活させればそれだけで余裕で世界中の鉄鬼をどうにでもできたでしょう。
メタ的に考えれば主人公と鉄鬼が繋がらなければ鉄鬼が人間と敵対している理由がわからないため必要だったのでしょうが、どうにもごちゃついてしまっていますね。
そこに更に冬人に夏姫を殺させて互いに思いを告白させる展開まで入れてしまったために展開を欲張りすぎてちぐはぐになってます。
夏姫との敵対というどんでん返しと鉄鬼と繋がる展開をしたいならそのまま夏姫は悪役の方があまりに単純とはいえ悪役倒してハッピーエンドでスッキリしたでしょうし、冬人に夏姫を殺させ互いに思いを告白させる展開がしたいのなら主人公は冬人にしてそれをメインでやるべきでしたね。
他の誰かに対する愛だということはかなり直接的に示唆されていたとはいえ、序盤に夏姫と主人公のHシーンを入れたのもちぐはぐな感じがしてしまいます。
更なる問題として、ここまでの話でメインヒロインである春姫のことが全く出てこないくらい空気なことですね。
夏姫と鉄鬼関連の話を片付けるためにはっきり言って春姫は相当に割を食っています。
彼女には一応夏姫によって作られた人間だったという出生の秘密があるのですが、この秘密さえも夏姫と冬人の関係の掘り下げと冬人を持ち上げるためのエピソードであって春姫本体はおまけなんですよね。
なぜ春姫本体がおまけなのかというと、自身の出生の秘密を春姫本人は一切知ることがないですし、主人公がその秘密を知ることによって春姫との関係をより強固にするといった展開も一切ないからです。
まあそりゃ秘密なんだから本人にバレたらいけないんですが、出生の秘密って普通秘密だけど本人にバレちゃってドラマが生まれるものじゃないんですか?少なくともそれがそのルートのヒロインならば。
仮に本人にバレないとしても、秘密を知った主人公がその秘密を守るために新たな決意を固めたりするものでしょう。
この作品の場合はどちらの展開も一切ないため、主人公とヒロインである春姫の関係を深めるものではなく単なる夏姫と冬人の掘り下げエピソードでしかなくなっているんですよね。
物語のシメとも言えるルートでここまで蔑ろにされるヒロインは中々見たことがなかったです、シメだから他より優遇されてしまうというのは結構見るんですが。
他の人の感想を見ていたら、夏姫と冬人を裏主人公にしようとしていたということを公式が言っていた?といったような話があったためこれが本当ならそのせいで最後だけあまりにも散らかった出来になってしまっているのかもしれません。
ここまで酷評しかしていませんが、肝心の本人のルート以外では春姫はキャラもたっていますし他のヒロインは文句なしで可愛かったと思います。