蜘蛛の巣の如く拡張し続ける、分岐の果てにある数々のエンディング。全三部構成の大作。
良かったです。誘拐された挙句に蟲に純潔を散らされ、男から凌辱された少女の人生を以降十五年間もの年月をかけて描くのですが、主人公が過去に囚われずに明るく生きようとしているのが良い。本当に良い。こういう悲惨な境遇な女の子ってメンヘラ化もしくは可哀想な私に構ってアピールをする厄介に成り下がると思うのですが、そういった暗さはない。応援したくなるし、年月を経ての主人公の変化が丁寧に描き出されています。エロゲ界のドラクエⅤ（強ち間違ってないと思う）。
追記：実はまだシナリオ達成率100％になっていないので（けして途中で投げたわけではない、分岐の条件が難しすぎるのとアゲハ編等を楽しみに取っておいてあるだけ）、全部埋め終えられればまだ特典や評価が上がる余地は十二分にあります。分岐による物語の拡張性という点で凡そ他の追随を許さないノベルゲーム。（ちゃんとゲームとして面白いのだからすごいと思う）
追記2：先日殆ど手つかずの成蟲編をやり直したのだが、やはり本作のエぐさ、残酷さ、容赦なさはエロゲとか超えて創作物の中でも群を抜いていると思う。コンプリートまでの道のりは長いが、展望を含めて点数を＋10しておいた。