思ったよりホラーミステリ要素に傾いていて驚いた。挑戦的な作品。
本編の内容とは関係のない不満点を先に述べると、何故だか知らないが、クリック連打で勝手に落ちたり、メッセージが止まったりした。エモートで処理容量が重かったり、わたしのPCが単純に鈍かったりすることを鑑みても、もう少し快適なプレイ環境が欲しかったところ。しかし、体験版の時点で動作不良を起こしてはいたのでよく確認しなかったのが悪いか。
内容に関しては……
期待し過ぎなければ面白いかと。パッケージからは想像できないくらい陰惨で薄暗い場面もあるにはあるので、そういうのが苦手で純粋にイチャイチャを楽しみたい人は回れ右。
マンションの集団自殺事件を調査するというホラー・ミステリ要素が強いストーリーラインはエロゲとしては斬新で(そもそもそんなに同系統の作品をプレイしていないため)楽しめた。調査の下りも退屈なものにはせず、ちゃんと面白かった。ちょっとした探索要素もアクセントとして面白い。マンションの住人も個性的ですぐ頭に入ってきた。ハードな世界観も作風にそぐっていて良き。
しかし、肝心の真相の拍子抜け感というか、え、そうなの……? 感は否めない。序盤からちゃんと伏線が貼ってあったかのように思うが、そこまで言われても驚きとかはなかった。エロゲでどんでん返しをしようとすると、まあ、そういう展開が多くなるのかなあとは謎の感慨には耽ったりはしたが。
結局、幽霊とか天使とか悪魔とか出てきても事件の発生源を考えると「一番怖いのは人間」だったわけで、それはホラーとして若干どうなの感は否めない。しかしまあエモートで振動しまくるアンネリーゼの驚異的(脅威的)な胸囲とか、ちゃんと機能している重要な作品内設定とかタイトルとかを鑑みれば。ミドルプライス作品として優秀だと思う(何様だ)。エンドが六つもあるらしく、true含めて三つ見たところで断念したが、解放機能があるのも親切で良い。
こんなところかな。パロディネタとか下品な会話とかはあまりお好みではなかった。あと、協力者が黒幕なのではとか見当違いの推測を立てていたのが若干恥ずかしい。なんか怪しくありませんでした……? 電話シーンだけで直接の立ち絵がないっていうのは珍しいなと感じた。アンネリーゼが目立つからいいけど。事件の起きたマンションを主な舞台としているからか独特の閉塞感があり、作品としては割と楽しめたように思う。陽の女は良いですね。