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mezamashiさんのプリンセスサクリファイス ~供犠姫フィーナの冒険~の長文感想

ユーザー
mezamashi
ゲーム
プリンセスサクリファイス ~供犠姫フィーナの冒険~
ブランド
猫ひげラジオ
得点
90
参照数
3421

一言コメント

久しぶりに場外ホームラン級の同人エロゲが来たなという感じです。ダークな世界観で、不幸な運命に翻弄されるちょいロリ美少女が魔物達に陵辱され、悲しみに打ちひしがされながらも宿屋で一晩寝ればまた立ち直って、世界のため人々のために戦う、そんな陵辱エロゲが好きな方には全面的にお薦めできます。なんかたくさん売れてるので同好の諸氏はプレイ済で「ふぅ……」って賢者ってる頃だと思いますが!

長文感想

ジャンル的にはRPGです。
LiveMakerというノベルゲーム制作ツールで作られてるので、「ノベルゲームツールで作られた系のRPG」ですね。
操作は全部マウスです。
ゲーム画面が少し小さいので、私は全部フルスクリーンでやってました。

ゲームシステムは、「Ruina 廃都の物語」というフリゲをやったことある人なら、「Ruinaに近い」と言えばすぐ伝わると思います。
マップをクリックするとその場所に進み、どんな場所なのか描写され、ゲームブックみたいに選択肢が出て来る。
「冒険してる感じ」が出ていて個人的には好きですね。
隠し部屋もあり、マウスをカチカチしたり効果音に聞き耳をたてたりして探すのも楽しいものです。

なにより戦闘にエロ要素があるのが高評価のポイントです。
主人公のフィーナは戦闘中にガンガン犯されていきます。
フィーナの戦闘中のCG差分の枚数が凄まじく、一体何枚あるのだろうか??
また、いわゆる敗北後Hも充実しています。
戦闘中に犯され、相手に射精させることで相手のMPを一時的に0にでき、自分はMPが回復します。
さらに、戦闘に敗北することで経験値を得ることができます。
犯されることにメリットがあるので、「わざと負けてHCG回収するの面倒くさい!」という事態が回避されています。
「エロとゲーム性の融合」。
それを成し遂げた時にエロRPGは、エロとRPGをハリボテのようにつなぎ合わせただけの物より、ワンランク上の存在になるのである。多分。

また、「わざと負けたりせず、ちゃんと勝ちながら進めていく」ことも可能です。
処女のままクリアすることも、理論上は不可能ではありません。
普通にやってたら、まずそんなことにはなりませんがw

ボス敵との戦闘は、運要素も結構あります。
特に、クリティカルヒットがどちらに出るかで、戦況が一変します。
でも勝てば先に進めますし、負けてもHが見れて経験値が増えるので、「勝っても負けても良い」のです。
逆に言えば、勝っても負けても良いシステムを組んだからこそ、サイコロ運に身を任せるような戦闘バランスで良いわけです。

戦闘中・戦闘敗北後のエロだけではなく、メインイベント中のエロや、街での売春、お仕置き、露出、迂闊な行動のせいでレイプされる、なども充実してます。
たいへん陵辱的な物が多いです。
女主人公一人旅の同人エロゲは良いものが多く出ていますが、先人たちの知恵や歴史がバランス良く取り入れられており、非常に良くまとまっています。
「女主人公陵辱同人エロゲ」をやったことがない人にも、ぜひお薦めしたい。
すでにそういうのが好きな人はもうプレー済でしょうから・・・

CGのクオリティも高く、差分の枚数がとんでもないことになっています。
「陵辱は愛」だなと思いました。
でも、陵辱は愛なのですが、愛は陵辱ではないのです。
この一方通行性は、私が陵辱ゲームを愛好する大きな理由の一つであり、このような素晴らしい陵辱ゲーをやっていると、改めてそれを感じることができます。

善行プレイも悪行プレイも可能で、「聖性」というパラメータが上下していき、「聖性」の最終値はエンディングに影響しています。
ですが、周回プレイの面倒さはなく、最低限のロードによって簡単に調整できます。
ユーザーに非常に配慮されており、プレー時間を短縮できますが、個人的にはもっとプレー時間が長くかかっても全然良かったのですが・・・

シナリオ面のネタバレは避けますが、個人的にはとても楽しめました。
ただ、ボリュームがもう少しあれば・・・というのは唯一残念なところです。
10時間程度でエンディングに行ってしまうのです。
これほど素晴らしい物なのだからもっと長くプレイしていたかった・・・
点数が90点しかないのは、ボリュームが足りないと感じたからです。
質的には最低95点、もう100点で良いかも?ってぐらいだったんですが。
値段は1,575円で、ありえない安さ、安すぎる!もっと高くしたほうがいいよ!と思います。
BGM周りと、ボイスがないこと、ボリュームが短編と中編の間ぐらいであることは、やはり同人制作の限界といいますか、商業エロゲには対抗できていない部分です。
しかし、得意分野に関して言えば、平均的な商業エロゲなど相手にならぬ、怒涛のこだわり具合。
採算性の全くない、企画書レベルで余裕で落とされるような、途方もない労働力を必要とするゲーム制作。
「陵辱は愛だろ?」と言わんばかりの、フィーナちゃん陵辱ぺろぺろに賭ける多大な情熱とこだわりこそが、このような名作エロゲを生み出す原動力となったのでしょう。
そこに手抜きや妥協やサラリーマン的な思考停止感などは一切存在していないのです。
私のようなグルメ乞食はただ「ありがとうございます ありがとうございます」と泣きながらフィーナちゃんに白濁をぶっかけたい。
ちょっと汚れてしまうけど、一晩寝るか水浴びすればまた綺麗になるから・・・