とりあえず一周したので感想を。長文感想はネタバレなしで書いたつもり。攻略サイト、他の人のレビューなどはまだ一切見ていない。
ランスシリーズは、リアルタイムで遊んだのは5Dからだが、1、2、3、4、4.1、4.2、鬼畜王、5D、6、7(戦国)、7番外編、2リメイク、2改を全部クリアしている。
私はランスシリーズの大ファンで、戦国ランスは唯一100点をつけたゲームだし、ランス達、主要キャラへの思い入れは、このゲームを始める前からすでに半端ない。
見ての通りのヘタクソな文章しか書けないくせに、思い入れだけでランス二次創作SSなんかも書いてしまうほどだ。
こんな私ではもはや客観的なレビューは書けるはずもないし、ランスを全くプレーしたことない人には、全く参考にならないと思う。(温度差があるだろうから・・・)
その点をご理解いただいた上で、読んでくれるなり引き返すなりしてください。
【一周した時点での率直な感想】
やはりゲーム部分が面白い。夢中になってプレーした。
ユニットの行動回数に制限があるので、適当にやっていてもクリアは難しく、頭を使う。
1発しか打てない強力なランスアタックをどこで使うべきなのか?ここで使っていいのか?
また、ランスアタックの回数を2発に増やすべきなのか、他に回した方がいいのか?
赤色マークの強敵に突っ込んでみるか?やめておくか?
プレイヤーはあらゆる局面で、色々考えなければならない。
こういうゲームが、私は本当に好きなのだ。
作業ゲームより考えるゲームが好き。
そういう人に、ぜひやってもらいたい。
(私が奨めるまでもなく、もうとっくにプレーしてるだろうけど)
しかし、夢中でプレーしていたら急にエンディングがきて終わってしまった感じはある。
6や7(戦国)に比べて、ボリュームが半分くらいしかなかった。
まさか5日でクリアできてしまうなんて・・・
前作から4年ぐらい待った気がするので、5日では終わりたくなかったなぁ。
90点という高い点数をつけたわけだが、逆にいえば90点より上は付けれなかったという意味でもある。
信者として、100点をつける準備は万全だったのに。
メインシナリオが、思ったほど先に進まなかったというのもある。
6や7(戦国)で大いに盛り上がった後としては、「箸休め」という感じのゲームだった。
クラシック音楽で、第2楽章には静かな曲を持ってくる場合が多いが、ちょうどそんな感じ。
9と10でクライマックスに持っていくのだろうから、続きがますます気になる。
また数年待つ日々が始まるのだ。
あ、もちろんランス・クエストのやりこみは、まだまだこれから始まるのだが。
【シナリオ】
普段はエロゲのシナリオはほとんど気にしない私だが、ランスとなると話は別だ(笑)
今回、一番の不安要素が、シナリオライターが変わったことだった。
大作の6と7では、「とり」氏がシナリオを書いていたが、「とり」氏はアリスソフトを退社して、今はなんだかよくわからない乙女ゲームを作っているのだ。
「とり」氏は、ずいぶん昔から「心のちんちんを勃てて」エロゲーのシナリオを書いてきたおばさんで、「耽美」「鬱」「腐女趣味」「人間観察」「理屈っぽさ」「エロゲらしからぬ格調高さ」などをエロゲに持ち込んでくる、強烈な個性の持ち主だった。
「TADA」氏と「とり」氏の全く異なる強烈な個性がぶつかり合い、うまく調和しないまま歪に混ざり合うことによって、Rance6や戦国ランスは、不思議なことに名作になったのだと私は思っている。
「とり」氏のような強烈な個性の持ち主の穴を埋められる新人ライターが、はたして見つかるんだろうか?
もはや老舗となったアリスソフトに新しく入ってくるのは、サラリーマン的な人材なのではないか?
ランスシリーズの世界観やキャラなどは、たくさんの旧作によって固まってきている。
言ってみれば二次創作するようなもので、もはや好き勝手な事は書きにくいだろう。
我々ファンも、思い入れがある分、非常に口うるさい。
新人ライターにとっては余りにも過酷な仕事に思えた。
凄い名ボーカリストが脱退したバンドの、後任ボーカルが味わうつらさのようなものだ。
前置きが長くなってしまった。
結論から言うと、「ランス・クエスト」のシナリオからは、強烈な個性や毒気は感じられなかった。
どこが良いわけでも悪いわけでもなく、とても普通だった。
盛り上がったり感動したり落胆したりするような、情動の変化はほとんど無かった。
このゲームをもし「ランスの二次創作」として見れば、無難な仕上がりだといえる範疇だ。
だが、アクが抜けてしまい、普通のエロゲになっちゃったな、という感覚は否定できない。
間違ったことやズレてることをしてるわけじゃないので、非難するつもりはないし、「よく頑張ったんじゃない?」「これで十分だよ」と言ってあげたいような気もする。
闘神Ⅱ、鬼畜王、大悪司、ランス6、戦国ランスのような、100点つけたくなるゲームではなかったけれど。
「ランス・クエスト」が6や7(戦国)の半分くらいしかボリュームがなかったのも、一番にライターの問題があると感じた。
新加入ボーカリストには、まずは短めの、歌いやすい曲を歌ってもらって、バンドの音楽性に慣れてもらう必要があったんだろう。
直近の2つが大作・大作で、今回はさらにもっと大作!というのは、あまりにもバランスが悪い。
そういう意味では、ランス・クエストは5Dに近い位置付けなのかもしれない。
(5Dのような低価格で小箱のゲームではないけど)
ランスシリーズはあと2作で完結するらしい。
この新人ボーカリストが次の曲も歌うというのなら、次はもっと激しい曲になるだろう。
クライマックスに向けて観客を熱狂させなければならないのだ。
私は観客の一人として、ファンの一人として、ランスシリーズというエロゲ史上で他に並ぶもののない遠大なライブ・エンタテインメントをぜひ最後まで見届けたいと願っている。
【ゲーム部分】
面白い!
ぜひやってみてください、としか言いようがない。
自分は1周目は、「クエストは一発クリア & 一度クリアしたクエストはもう二度とやらない」という縛りでやろうとしていた。
だがランスのLV25あたりで挫折してしまった。
LV1で続々と加入してくる新戦力を、どう頑張って取捨選択しても、育成が間に合わなかったからだ。
だが、ほんの少しのLV上げ作業をすれば、十分クリアできる難易度だった。
ただ、近年のゲームは難易度の低下が激しいから、このゲームを「難しすぎる」と感じる人もいるのかなと危惧している。
TADA氏のゲームは、「適当にやっててもクリアできない。歯ごたえがある。工夫したり頑張ったりすることによってその壁を超えられる」という一貫した方針で作られている。
もしそこの部分を楽しいと思わない人が増えてしまったら・・・
また、セーブデータが1個しか残せないことや、クエストの2回目以後もまた同じテキストを読まされることなどは、嫌がる人もいそうな気がする。
個人的には、「そういうものなんだ」と納得できる程度だったが。
【貧乳】
今回のヒロインのサチコなど、「非ロリの貧乳・微乳」キャラがとても多い。
なんという俺得・・・
織音もおにぎりくんも、最近とくに貧乳微乳派になってきてるような気がする。
いいぞその調子だ!
巨乳はMIN奈良県に任せておけばいいのだ(笑)
エロゲにおける「非ロリの貧乳・微乳」率は、実はかなり低いのである。
あまりのレアさに、貧乳を探す旅路の果てに、思わずロリコンになってしまうところだった。危ない危ない。
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ものすごくまとまりの無い文章になってしまった。
好きなゲームほど、思うことが多すぎてまともなレビューが書けなくなってしまう。
でも最後に言いたいのは、『何年も待って待ち続けたけど、5日間の楽しい時間をありがとう。これがあるから、また何年でも待っていられるんだ』ってことかな。
ランス完結するまで、絶対エロゲはやめないぞ・・・