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merunoniaさんのBETA-SIXDOUZEの長文感想

ユーザー
merunonia
ゲーム
BETA-SIXDOUZE
ブランド
Liar-soft(ビジネスパートナー)
得点
86
参照数
704

一言コメント

『お前の隣に俺がいるってことを忘れんな!俺たちはふたりで612だ!わかったかハナコ!』前作の主人公、夜鷹一蔵の生き様を踏襲した中で繰り広げられる今作は、前作同様に熱い物語でした。同時に、前作では疑問点であったコンスエロ等の数々の設定が回収されます。前作をプレイした人はぜひ今作をプレイしてほしいです。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想


今作の「BETA-SIXDOUZE」は、前作「ALPHA-NIGHTHAWK」ありきの作品であり、同時にネタバレなしでは語れない作品です。
そのため、前半にネタバレなし感想、後半にネタバレありで感想(備忘録)を書きます。
まだ未プレイな方は、絶対ネタバレなしのほうが面白いので、ぜひそのままプレイしてください。


BETA-SIXDOUZEをプレイし終えて、すごい楽しかったです。
プレイ前は、正直ワクワクと同時に不安もあったんですよね。
「ALPHA-NIGHTHAWK」は面白かったけれど、でも同時に設定未回収なところも多くあったり、前の設定とか覚えてるかなぁだったり。
でもプレイし終えてみればそんな不安は吹き飛ぶほどに満足です。

ALPHA-NIGHTHAWKをプレイしているときにあった疑問、そもそも起動時の最初の会話の謎、コンスエロの正体とは何?ジャン・レグルスと夜鷹と39作戦は何だったのか?
そして花子の存在とは?

それらは、今作「BETA-SIXDOUZE」をプレイしてすべて繋がっていきます。
まるで点と点が線でつながっていくような、収束していくような面白さは、SFの設定ならでは。
ALPHA-NIGHTHAWKはBETA-SIXDOUZEあってならではだったんだなぁと今更に気付かされます。

また、前作の内容を忘れかけてても、そこのフォローも上手で。適度にくどくならない程度に、前作で出てきた説明を踏まえつつ、前作であったなぁって思い出していく配慮もとても良かったです。同時に前作を知っているプレイヤー目線だから『ニヤリ』とできるようなところも多くあったりして。
前回も健在だったテンポの良さは今回も健在でとても読みやすく、最初から最後まで飽きずに楽しむことができたのもとても良かったです。

そして何よりも、前作の『夜鷹一蔵』の生き様、箱根ミリヤの物語を踏襲した上で、今回の主人公たちの物語があることが感じられて熱い。彼らがいたから、今回の物語があるんだと思わせてくれる物語なのがとても面白かったです。


正直ネタバレなしでは何も語れないです。
でもすごい面白かったので、ぜひALPHA-NIGHTHAWKをプレイした方には、BETA-SIXDOUZEをプレイしてほしい。そこでこのSF物語は完結するので。

以上がネタバレなし感想です。
以下ネタバレありで、面白かったところを備忘録に書いていきます。
(理解不足ゆえに解釈違いなところもあるかもですが、ご容赦頂ければ幸いです)













〇主人公「羊介」と相棒ジャン・バルジャン、ハナコ、アンネと変わっていく中で暖かい家族のような関係。

まず何よりも男主人公である羊介と、男の相棒であるジャンのやり取りが好きなんですよね。長年お互いにパートナーであり続けたからこその空気感、パイロットと整備士のやり取りがお互いを信頼しているようでほんと好き。
何よりジャンがいいヤツなんですよね……。最初の出会いが最悪だったからこそ、だんだん主人公の人柄の良さに惹かれていって、懐いていって。そして主人公に危険があるというなら自分から謎に近づいていく姿といい、主人公の本当に良い相棒で。
途中からアンネとも良い関係で、アンネがジャンにだっこされてる立ち絵とかもうめっちゃ好きです。

また主人公の羊介も良いキャラなんですよね。祖父である夜鷹一蔵とは違う性格なんだけども、でも受け継いだように不器用だけれど素直で人柄の良さ。
同時にハナコも本当に可愛くて。幼児退行したような言動は、前作のツユ、チリンを思わせるような姿。洋介を喜ばせたいから!だったり、洋介と親しくする他人に嫉妬する姿だったり、とても純粋がゆえの可愛さ全開でしたね。
ハナコの『やなのぉー!!』って甘えんぼぶりには何度和んだことか……。

彼らの過ごす日常は、時にはすれ違いながらも暖かくて、家族のようにとても微笑ましかったです。
イルカウォッチングだったり、手作りケーキのお祝いシーンなんか大好き。

そして、それだけじゃなくて、羊介とハナコのお互いに相棒とパイロット同士でお互いに信頼していく関係の変化は見ていてすごい好きでした。
前作では、ミリヤと夜鷹の二人が信頼しあっていく姿がとても好きでしたが、今作でも、「お前じゃなきゃダメなんだ!」って叫ぶような二人の関係が本当に見ていて好きでした。
最初の、ハナコに自分の気持ちをぶつける羊介の姿だったり、夕日のハナコから羊介への言葉がとても素敵でしたよね。
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『いいかハナコ。俺はお前の前から消えたりしない。
さっきも言った通り、俺には後がないからな!
俺はお前とバディになりたい……!その為にはまず、俺の気持ちを知って欲しい!
お前の隣に俺がいるってことを忘れんな!俺たちはふたりで612(シクスドゥーズだ!)わかったかハナコ!』
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『でもね、心配しなくて大丈夫だよ。
だってハナコと羊介は612(シクスドゥーズ)だから……。
世界中のみんなが羊介のこと嫌いになっても、ハナコだけは羊介のこと、ずっとずっと大好きだよ?』
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『ハナコと俺はふたり揃って612(シクスドゥーズ)なんだ!
俺にはあいつがいなきゃ困るんだよ!』
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だからこそ、こうして紡がれた中で、最後の結論に結びつくわけですが、
もうこの決断が最高に熱くて大好きです。(このことについては別枠で記録)

前作でも、ミリヤと夜鷹の二人の関係性や、保育園での家族のような暖かさがとても良かったですが、今作のアパートでの家族のような暖かさは健在で面白かったです。




〇前作を知っているとニヤニヤしちゃう設定たち
また、面白かったのが『前作』を知っていると、あーこのキャラに繋がるんかぁって色々結びついていく楽しさでしたね。
まず、今作自体が、前作の主人公が祖父、祖母にあたるぐらい時間がたっているわけですが、羊介から『ナユタ』がおばあちゃんとして登場した時はもう笑いましたし(顔の傷の話で更に笑った)、夜鷹の孫というワードや、ミリヤの名前が出てきたときもすごい嬉しくなった記憶があります。
また、後ほど判明するわけですが、リュネットが『オリジン』として管理人やってるときも笑いましたし、レグルスと夜鷹の過去のお話、またチリンを思い出させるような鈴等々、前作で聞いたような単語がたくさん出てくるごとにワクワクしました。

それに、説明の塩梅もとても良かったんですよね。前作の舞台だった封鎖区域やコンスエロの話等、前作の説明を簡単に補足してくれるから、あぁそういうこともあったなぁって楽しめて、そこの配慮も良かったです。
置いてけぼりになるっていう感覚がなかったなぁって。




〇前作の設定を繋げて明かされる真実
前作の設定を思い出させてくれると同時に、それら点と点を結びつけるように明かされていく真実もとても面白かった。ここら辺は、近未来SFならではですね。
前作では謎だった、スパゲティモンスターの存在、レオンラムダの存在等々。
ジャン・レグルスの、すべてはアンネのために、寂しくならないために存在した『ネオフェネック』の過去の話だったり。
かつての夜鷹を彷彿とさせるような、ハナコ誕生の真実。
七不思議の真相。
レオンラムダの正体。彼女と花子の関係。
何よりも、ナノマシンの存在が一番衝撃が大きかったなぁって。
本来であれば、別宇宙へ渡るため未来のためのナノマシンは、不老不死に利用されて。
コンスエロの正体の話、花子の存在とナノマシンの、『未来医療の成れの果て』
そして戦艦の住人ほとんどに施されているナノマシンと咲き始めた住人達。

そしてハナコは、人の心を持つことができたから、ハナコが今またコンスエロに戻れば、コンスエロの最初の憎しみという(実際は違うわけですが)行動原理を変えることができると信じて、生贄の道を選ぶ。

怒涛の展開なんだけども、超展開っていうには感じなかったんですよね。
ここら辺は、前作で、良い意味で謎を多く散りばめらせながらも、終わらせたところが、今回良い方向に作用しているなぁとも感じます。




〇羊介の決断
レオンラムダ『全てのロジックを観測して、キミは一体何を思う?』
上記で述べた真実に直面したからこそ、羊介に問われる、あなたはどうする?
ここからの展開がもう熱くて熱くてめちゃくちゃ大好きです。
なので、ここらからは備忘録がてら、シーンの感想を書いていきます。

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ラム
『最後にもう一度キミの気持ちを聞こう。
キミが救おうとする少女は人類の敵だ……。』
羊介
『今更だ。彼女の正体が何者だろうが、そんなことはもうどうでもいい……!
俺自身、自分が何者か分からなかった……。祖父のような信念など無く、戦う理由も特になく───
でも……ハナコと出会って、彼女と共に時を過ごして、俺は初めて自分の心と向き合えるようになったんだ!俺の行動だけが、俺自身を何者か決める!
だから俺はハナコを迎えに行く!戦う操縦士として、それ以外に他はない!』
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かつての『戦う操縦士』の姿である祖父のように、
人類の敵だろうと、関係ない、自分の意志でハナコを救いに行く!っていう王道の熱い展開がもう最高に熱い。ここら辺からOPが流れ始めるのがもう更に熱い。
OPの歌詞の意味が物語に繋がっていくんですよね……。もうほんとシルバースター熱い。

そんでそんでそれでもって、ここで相棒のジャンの登場ですよ!!!
お前らかっこよすぎか!!って
ジャン『アンネ、怖かったら無理すんなよ!』
アンネ『私を誰だと思ってるんだ!名誉の精鋭操縦士だぞ!』
もうこの二人も好き。

ここからはコンスエロとの対峙のターン。
ここで、コンスエロの本当の目的を知るわけですが、そもそもコンスエロの目的って、かつてナノマシン殺されて再生を繰り返されたことに対する憎しみではなくて。
人類を死という恐怖から救ってあげたいと思うが故の永遠を与えようとする暴走というお話だったんだと思います。(正直ここからの解釈は少し自信がないです)

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コンスエロ
『分からない、どうして人類は抗うの?
せっかく恐怖から救ってあげようとしてるのに、あなた達ちっとも嬉しそうじゃないのね。』
『私の目的は恐怖そのものに終止符を打つこと
生まれた瞬間から抗えぬ死におびえ続ける。死への恐怖は人の心を怪物にする
恐怖を前に生きるのは可哀想。私と共に永遠の安らぎを揺蕩えばいい。』
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レオンに再会した後のコンスエロの言葉
『嘘……レオンも私のことが嫌いなんでしょ?
恐怖を捨てない限り人類は過ちを繰り返す。この先どんな困難が人類を襲うかわからない』
『私はみんなの為を思ってるだけなのに。
それなのにみんなから拒絶される……!』
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ナノマシンでの不老不死を期待した人間たちの手によって、宇宙空間に放り投げられた花子の願いは、憎しみではなくて、『死』という人間にとって恐怖があるから、自分を苦しめたように怪物にしてしまう。
それならば、死という概念さえなくなって永遠になればいい=コンスエロ化 という答え。

そして、なによりもこの姿って、最初に羊介とハナコが一緒に修羅に搭乗した時と同じなのがけっこう来るんですよね。
かつてのハナコも、どうしてパイロット達はみんな自分を苛めるんだろうと。
私はパイロットのことだけを思って全力で頑張っているのに、どうして拒絶するの?と。

でも羊介と出会って、本当の信頼しあうとはどういうことなのかと、様々な心、感情を覚えていったのが今のハナコで。
コンスエロ(花子)は、羊介のような存在に出会わないまま、『どうして拒絶するの?あなたのためにしてあげているのに』とすれ違い続ける存在なんですよね。


だから、コンスエロ(花子)は羊介に問いかける。
けれど、羊介は、彼女に否定する。
『世界中のみんなが羊介のこと嫌いになっても、ハナコだけは羊介のこと、ずっとずっと大好きだよ?』と、かつての夕日の答えのように、今度は羊介がハナコに答える。


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コンスエロ
『羊介、私とひとつになろう?愛を歌って永久の宇宙に揺蕩うの』
羊介
『永遠なんていらない……!俺は死ぬまでハナコと一緒に生きていたい!
たとえお前が人類の敵だとしても、俺だけはハナコの味方だから……っ!』
『ふたりで同じ星を見て、一緒に夢を追い続けたい。』
愛などと言った言葉のオブラートは使わない。ハナコの前でそれらの言葉はすべて誤解の元だ。毎日を共に生きて同じ時を過ごす──
ふたりにとって愛することとは、つまりそういうことなのだ。
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ハナコと羊介の二人が育んできた感情を、花子の中にいるハナコに訴えかけるシーン。
二人の今までの時間、関係性があったからこそ響くシーンで。本当にここも大好き。

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レオン
『花子、目の前のふたりをもう一度よく見てご覧。
ふたりの心はキミの行動原理に大きな影響を与えたはずだ。
滅びゆく星でどんな困難が襲っても、このふたりのように乗り越える者はきっと現れる。もう一度人類を信じてみよう。途方もない宇宙に生まれた奇跡のような存在達を──』
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コンスエロ、彼女の存在は、決してただの悪でも怪物でもなくて、ただの主人公と出会う前の、人類を信じ切ることができなかった、自分の好意を信じて疑わなかったかつてのハナコと同じ姿で。
今のハナコと羊介の関係性があったから、コンスエロはもう一度人類を信じることができた物語。
そして同時に、羊介とハナコの二人の関係性は、かつてアルファナイトホークの夜鷹とミリヤの関係、生き様が受け継がれてきたからこそで。
だからこそ、その集大成であるこの結末が大好きなんですよね……。

コンスエロ『愛してくれてありがとう。さようなら、羊介』
コンスエロは、ハナコと同一の存在であって同時に違う存在でもある。
(最後に融合したからこそ、ハナコと花子は想いを共有できたのでしょうか)
最後の別れの言葉。
最初の熱い展開から、最後の切ない展開まですべて含めて、SFらしいお話で本当に大好きでめっちゃ今でも感情昂るくらいには好きでした。


〇その後、その他好きな要素として
今作でめっちゃ大好きな要素は、もう上記で語り出し切った感はあるんですけど。
今作でも地味に好きな要素が、イライザの存在や、ネオフェネックであるオリジン(リュネット)の存在なんですよね……。こういうAIやクローンのお話も大好き。
そもそもアルファナイトホークの時から、シンギュラリティを超えた初期段階の電気羊が捨てられた過程のお話や、フロッピーのお話がとても好みだったのもあるんですけど、
今回ではその中でもイライザのお話がもうとても好きで好きで。

リュネットに『あなたは所詮アンドロイド。心を持たないあなたにバトンを得る資格はない!』と言われ、『心を持っていないからよ……私には愛する人を守る資格すらない……!』と叫ぶシーン等々。
最後にはウォーに婚姻届を出すシーンとかもうね、興奮しちゃいました。
ウォー『私はこの先、一生を檻の中で過ごすんだぞ?』
イライザ『お嫁さんになるのが夢だったのよ。私は今その夢を叶えたい……。』

ラムさん『笑える。コイツはシンギュラリティをグンと超えたな』
オリジン『私たちだけでも認めてあげなきゃね』
ラムさん『人類とAIの未来に幸あれ。』

もしかしたら、イライザは、かつての昔のようにまた『人類の脅威になりうる』と言われるかもしれない。それでも、イライザの姿を見てきたら、彼女のことを応援したくなる。
そしてその応援するのが、かつてジャン・レグルスによって生み出されたリュネットと、高次元の存在であり、みんなの前に同様に存在し、同時にそこには存在しない『ラムさん』の二人というのがまた言葉にできないんですけど、好きなんですよね。
もちろん、ここのイライザはきっとみんなの前でのよき友人であるように、普遍的で当たり前の存在なんだろうけども、けれどシミュレーションチルドレンとして、チリンから育て上げた一人の『イライザ』はきっと彼だけのもので。

また、リュネットとラムさんの二人の関係もとても奇妙で心地よくて面白いんですよね。
ラムさんは高次元の存在ではあるけれど、けれど彼女は同時にみんなの前で当たり前のように存在している、同時に存在していない『ラムさん』で。彼女はリュネットと長年の友人関係であって。この奇妙な取り合わせは、近未来SFならではの関係で。

こうした人類とAIの語りすぎないような関係性を感じさせるようなところが随所に散りばめられていて、こういった点も大好きな要素の一つなんですよね……。




〇総評という名の感情垂れ流し
んん~~~~~~~~ハナコ可愛いよハナコ!!
前作でも、アメやツユ、チリンの存在は好きだったんですけどこういう幼児退行キャラ本当に好きなんですよね……。甘やかしたくなるというか、純粋というか。
後々、チリンがまさかこうウォーになるとかほんと笑ってしまったし、チリン成長日記が見たいのでそこら辺どうですか。
それにイルカウォッチングの二人のケモミミショタとかも可愛かったし、危うくそっち方面に目覚めるかと思いました。

正直、コミケとか見て、ケモミミ?というかケモ顔の薄い本とかあってもそこまで惹かれなかったんですけど、リュネットとかこういった存在見てくると、あれ?悪くないんでは?となるくらいには、影響を受けましたね……恐るべし……ライアー……。

また、羊介さんもおちゃらけたようなキャラに見えて、夜鷹さんとは違った方向で熱い憎めないキャラで、これがまた夜鷹&ミリヤペアとはまた違った良さを見せてくれて、あ~~~~ずっと楽しかったなぁって気持ちがいっぱい。
まだまだ羊介がナユタと再会するのを見たかったりとか、まだまだ見たいことがたくさんあるなぁっていう気持ちです。

本当に面白かった、満足しました。
最初にも述べましたが、SFの面白さ、次回作につないだからこその面白さがふんだんに詰まっていて、楽しめました。
だからこそ、ALPHA-NIGHTHAWKからBETA-SIXDOUZEがあってこそ、この物語が完成されるということをもっと推していけばいいのに、と今思います。
単体で見ては面白さが半減するというか、二つあるからこの物語なんだよ!っていうの。
正直全然こう知らなかったというか(私が情報取得が弱いだけかもですが)

それぐらい、二つ読み終えた今、この作品がとても好きになりました。

また、この物語は、最後の最後にある言葉で締めくくられます。
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『今隣に立っているハナコは紛れもない彼女自身だ。
羊介にとって大切な、正真正銘のハナコそのものである。
だが──あの日別れた《コンスエロ》の中にも《ハナコ》の心が確かに存在するように思えたのだ。ここにこそ《宇宙と思考を繋ぐ可能性の神秘》がある
薔薇園に《ハナコ》がいるかいないか考えるだけで、世界の何もかもが変化して見えることに気が付くだろう。
ハナコと空を見上げるたびに羊介は考えてしまう。
彼女は今、この星を見て笑っているのだろうか。それとも泣いているのだろうか───
人間の思考次第で、世界の見え方や真実、先の未来まで変わっていくと言うのならば───
人類は今、何に気づき、何を思って生きるべきなのだろうか。』
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正直言って、最後のこの言葉が何を一番伝えたかったのか、については自信がありません。ただ、アルファナイトホークで見てきたコンスエロ、薔薇園のイメージと、ベータシクスドゥーズで知った真実を通した、薔薇園のイメージ、世界の在り方は確かに変わったように思います。
それがこの作品の面白さではありました。

SF作品ってこういった壮大なスケールにワクワクしながらも回収されていく楽しさだったりが面白いですよね……考えさせられる方面ではなくてワクワクさせられる方面。
ライアーの一つの方向性を見せてくれた作品だったと思います。
楽しかったです。
ありがとうございました。