贈りましょう。彼らの永遠の愛を語りましょう。ようこそ、世界の果てへ───。Hello world!
【はじめまして。
こんにちは。
ずっと待っていましたよ。
長旅でお疲れではないですか?
私の話を聞いてください。
この星であったたくさんの出来事を。
永遠の愛を誓った恋人のお話を。
この世の憂鬱を嘆いた女の子のお話を。
救いを願った少年のお話を。
娘を失った父親のお話を。
人間らしく生きたかった少女のお話を。
臆病者の男の子の話を。
正義の味方になりたかった子供のお話を。
そして、親愛なる彼へ手紙を出した彼女のお話を。
私から、貴方へ。
追憶の花束を贈りましょう】
『滅び朽ちる世界に追憶の花束を present for you』
───ようこそ、世界の果てへ───
これは、dearの後日談、未黄が出した答えを証明するお話。
かつての時代を生きたそれぞれの物語の登場人物を会合させ、未黄は問います。
『永遠の愛』とは何か。
この滅び朽ちた、永遠のない世界で証明される永遠とは……。
※本編のネタバレを含みます。未プレイの方はご注意ください。
この『滅び朽ちる世界に追憶の花束を~present for you~』
略称pfyでは、本編のお話の後日談として描かれていました。
また、各物語の補完の内容としても描かれていました。
こうしたこともあって、この感想では
①未黄が出した『永遠の愛』とはなんだったのか
②pfyの感想
③それぞれの物語の補完となる話
についてをメモとして残したいと思います。
①未黄が出した『永遠の愛』とはなんだったのか
そもそも、前提条件として、永遠のものは存在しません。
ずっと続くとと漠然に思われていた世界ですら滅び朽ちました。
circular組の大吾とマゼンタ様の会話より。
【大吾】
なんだかんだあってもこの地球上の歴史は、かれこれ何百万年って続いてきたんだ
だからこれからも続いていくのだろうと、理由もなくそう思う。
何もかも廻り巡って、伝えられて、遺されていく。
そんな風にずっと続いていくんだって思っていた。
【マゼンタ】
大吾さん、この世の何もかもは、永遠ではないのですよ
刹那という、そんなあるかもどうかもわからない時間の中で受け継がれるものが何かわかりますか?
目を瞑っても世界が在り続けるように、万物の本質は唯物ではなく、唯心です。
その暗闇の中で感じるものこそが物質の向こうに隠れた本質で、
それこそが、刹那のあとに失われても、永遠にここに在り続けるのです。
だって全ては無から生まれたのですから。
世界が終りを迎えて何もかもなくなっても、ゼロになってもそれでも残っているもの、
それこそが…。
この場所に全てがあるのです。
その奇跡にどうか、どうか…気づいてください。
世界の終わりまで未来が見えていたマゼンタ様。彼女こそが一番永遠など存在しないのだとわかっていた存在でした。その彼女が見た永遠とはなんだったのか。
ヒントはこの会話にすでにありました。
万物の本質は『唯物』ではなく、『唯心』だと。
この場所に全てが、奇跡があるのだと。
そして、各時代の登場人物たちは気がつきます。自分たちが無作為に選ばれた存在ではない。そして、自分たちの存在が、意志が、後の時代に何かしら影響を与え、遺していたことに気がつきます。
forever組の4人の発明は、lostの時代の学園成立のきっかけになりました。
abandondのブルーは、後の春、花子の発明のきっかけになります。
緋依-緋色-マゼンタ-大吾の親子は、それぞれの時代の様々な登場人物に影響を与えます。
melancholyでは、そもそも現実と過去というお話で、一つの物語に影響が色濃くでていました。
そして、各登場人物たちは、それぞれの生きた時代をもとに、答えを見つけ出します。
【大吾】
その人の想いを俺は受け継いだから、俺はその人の意志を誰かに伝えていきたいし、
遺していきたい。
マゼンタの予言、それはどうか未来の結末を変えて欲しいというメッセージ。
この世界がずっと続いて欲しいって、そう願ったのなら、終わらないでほしいと望んだのなら。
その、想いの名は。
何もかもが終わらずに、ずっと続いていってほしいって願う、…そんな想いだけ。
マゼンタは、永遠がないと知っていたけれど。それでも、この世界を愛し、永遠を望んでいたから。終わらないで欲しいと望んだから。
彼女は未黄と同じ存在だったのだと思います。
【日向】
ねえ未黄ちゃん、……永遠に続くものなんて何一つないんだろう。
君はそれでも、その答えを導き出してほしくて、私たちをここへ呼んだ。
永遠になど続いちゃいけないんだ、終わらない命なんて、生きているって言えない。
それでも私は永遠に続けばいいって思っていたよ。
永遠に続く、そんな命でも、…彼女のことを愛していたよ。
ブルーという、永遠を否定した物語がありました。
でもだからこそ、永遠を願う悲しい物語でもありました。
永遠とは存在しないもので、でもだからこそ永遠があってほしいと願う。
単純で純粋な感情がそこにはありました。
だからこそ、永遠を願いました。
【マゼンタ】
……ね、大吾さん、…全てに意味があるんです。
貴方が生きていることが、どれだけ尊くて、どれほどの奇跡か。
貴方が生きているだけで、どれほどの意味があるか。
………それを私は伝えたかった。
大吾さん、私は、貴方がただ生きてくれるそれだけで、───嬉しいんですよ。
なぜなら、大吾の存在こそが、マゼンタ自身が遺した証明で、そしてこの地球を舞台にした、それぞれの時代を生きた人々の証明であるから。
大吾がいるから、マゼンタの永遠がそこにある。
【大吾】
この愛が、ずっと続いていけって願ってる。
───なあ、これが永遠の愛だろう。
この想いが永遠に続いていけばいいって、そう願うことが永遠の愛だろう。
この愛が永遠に続いていくように。
この想いが永遠に遺っていくように。
この気持ちを伝えるために。
俺が生まれてくることを望んでくれた人がいる。
その想いが続いていくことを願っている人がいる。
俺が生まれてきたことを、こんなに、
「大吾さん、私は、貴方がただ生きてくれるそれだけで、───嬉しいんですよ」(マゼンタ)
喜んでくれる人がいる───…。
【緋依】
…ねえ……こうして永遠に続いていくんでしょう?
私達の想い、記憶、愛が、…ずっと続いていくんでしょう
遠い遠い未来まで、遥か先の永遠まで、ずっとこの愛が続いていくんでしょう
【未黄】
………本当にそう信じているのね?
貴方達、自分達の愛は永遠に続いていくって、そうしてこの星に遺って、息づいていくって
そう信じてるのね。
「「「────もちろん!!!」」」
それは未黄が信じた永遠の証明でありました。
この滅び朽ちた世界で見つけた、孤独の彼女の答えの、証明でした。
この時の彼女の笑顔が、私は今でも忘れられません。
【未黄】
………そうよ………、ずっと続いていくのよ。
この愛が永遠に続いていくことを願った人が、こんなにも、こんなにもたくさん、いるのよ────。
終わるはずがないわ。たとえ世界から何もかもが失われて、すべて滅び朽ちても、終わるはずないのよ───。
【大吾】
俺たちの生まれてきた意味も…愛も…全て失われて、忘れ去られてしまう。
そんな悲しい未来が待っている。
きっと未黄がいるのは、………そんな未来なんだ。
そんな何も無い未来なんて、変えてしまいたい。
この愛が永遠に続いていってほしい。
辛いことも苦しいこともたくさんあるこんな世界だけど、終わってほしくない。
そこで生まれ育まれた、たくさんの愛を、忘れて欲しくない───。
───この愛が永遠に続いていくように。
そう願うこと、永遠を願うこと、悲しい未来を変えたいと願うこと。
その想いの、名は。
永遠に生きる物は存在しない。
でも、永遠に受け継がれる想いがあるからこそ、そこには永遠がある。
だから、この世に終わるものなどないのだと。
世界の果てで見つけた永遠がそこにはありました。
マゼンタは言いました。世界の本質は唯物論ではなく、唯心論だと。
彼女マゼンタも、物質で世界を囚われるのではなく、それぞれの心で見て欲しいと、彼女も世界を愛していたから、父親に救われた世界を愛していたから、そして大吾を愛していたから、そう願ったのだと思います。
【未黄】
変わらないわ、彼らの想いも変わらず、私たちの中に息づいていくわ。
だから貴方は彼らの想いをずっと覚えていて、忘れないで、そうしてまた………誰かに伝えて。
この星に紡がれた、たくさんの愛の物語を。
─────はい、博士。(花子)
永遠を願う。かつて未黄がたんぽぽの種子が誰かに届くようにと飛ばすように。
そして、最期に。
『………永い旅の末に辿り着いたのは、…美しい……花畑だった』
薪元くんがたどり着いた最期。そこは美しく咲き乱れる花畑でした。
その咲き乱れる花はコスモス。
コスモスの花言葉は、乙女の真心。
また、もう一つの意味は『the joys that love and life can bring(愛や人生がもたらす喜び)』
たくさんの愛や人生がもたらす喜びが咲き乱れるこの場所で。
【花子】
はじめまして。
こんにちは。
ずっと待っていましたよ。
長旅でお疲れではないですか?
私の話を聞いてください。
この星であったたくさんの出来事を。
永遠の愛を誓った恋人のお話を。
この世の憂鬱を嘆いた女の子のお話を。
救いを願った少年のお話を。
娘を失った父親のお話を。
人間らしく生きたかった少女のお話を。
臆病者の男の子の話を。
正義の味方になりたかった子供のお話を。
そして、親愛なる彼へ手紙を出した彼女のお話を。
私から、貴方へ。
追憶の花束を贈りましょう
───present for you──.
②pfyの感想
このお話、いわばFDという形になるのでしょうか。このお話があって、滅花は完結すると私は思っています。この作品には、たくさんのテーマが詰まっていると思いますが、一番核となるテーマは「永遠」だと思います。そのテーマを、最期のpfyでは見事に描いてくれたように思います。
はっきり言ってしまうと、pfyって反則でもあるんですよね……。それぞれの時代を生きた人たちを時間を超えて会合させるという。ただ、永遠はここにあるのだと、それぞれの人々に受け継がれていると実感できるのは、いつだって未来から過去を振り返ることができる人々だけ。例えば、lostの時代からforeverの時代を振り返ることはできるけれど、foreverの時代からlostの時代を見ることができない。未来予知でない限り。
この永遠とは、自分たちの意志が後の世に受け継がれているということがわかることで証明される想いの永遠。そのためには、foreverなど過去の時代の人々が永遠を証明するには、pfyのような物語が必要でした。だから、初めてこのpfyがあって、作者のテーマとなる永遠は、すべての時代の人々が繋がっていると証明することで完結するのだと思います。そういう意味で、私はpfyの物語が必要だと感じますし、大好きです。
dearでは未黄は孤独でありますし、どうしても春と未黄だけでは永遠の愛を語るには不足しているところがありました。pfyにより、dearは完結し、とても満足しています。
なによりも、そういった理屈抜きで、本来交わることがなかった様々な時代の登場人物が関わるお話を見るのって大好きなんですよね。例えば、melancholyの二人がであったり、緋色と紅と沙乎華の会話とかめっちゃ面白くて大好きでしたね……ww
そういった意味でも、pfyは良かったと思います。
そして、何よりも、何よりも。
あの全員の『もちろん!』という言葉と、未黄の笑顔。あのシーンがあって、本当に本当に良かった。滅び朽ちた世界でも永遠はあるのだと証明されたシーン。未黄が救われたあのシーン。私はあのシーンが本当に大好きで、大好きです。胸がぎゅっと苦しくなります。
永遠という矛盾するテーマを見事に書き上げたこの作品に喝采を送りたいです。
素晴らしい作品でした。まごうことなき傑作です。
ありがとうございました。
以下は、pfyにみられた本編の補完となるシーンをメモで残します。
多少、本編の批評空間の方の感想とかぶりますが、ご容赦ください。
(1)forever組
forever組の補完となるお話は、緋依と永原二人の会合です。
永原の想いを緋依に明かすシーン。
【永原】
緋依はつくづく、僕のせいで、…僕のほうが、彼女のことを振り回し続けたと思う。
歪んだ彼女の感情だって、あの頃の僕がもう少し上手く立ち回っていたならそうはならなかったんじゃないか。
それは、告白された彼女と付き合うという方法じゃなくても、僕が思っていたことを正直に、まっすぐ伝えられていたら。
もしそのことを、…いつも逞しくて、どんなに風当たりが強くても負けなくて、折れなくて、地に根を張る彼女のことをすごいと思っていたんだって。
そのことをまっすぐ彼女に伝えられていたら、ほんの少し何かが違っていたんじゃないかという気がする。
そうして今の彼女と一緒にいる自分を惨めに感じる。
ねじれ曲がった今の僕と彼女じゃまっすぐに一緒にいることはできないから、そういう罪を感じるから、自分のことをひどいやつだと思うから。
彼女と一緒にいることを罰のように感じる。何も成し得なかった自分への楔のように感じてしまう。
【緋依】
あたし、わかってるんだから。
中学の頃ふった女子と付き合うことに罪悪を感じてることとか、あたしがこうなった原因は自分だーみたいに思い詰めてるのも。
整形して綺麗になったから付き合ってるみたいな自分がひどいやつに思えて苛まれてるのも…、そういう、いろいろ分かってるのよ。
【永原】
外面を偽る彼女と内面を偽る僕は、対照的だった。
foreverの本編では、外面を整形で偽る緋依でも、過去と現在を肯定し、今の私がいるのだ、どちらの自分は美しいのだとした物語でした。pfyでは、逆にそうした彼女と対比した永原の自分の内面の気持ちを吐露します。罪悪感。
こうした永原に答える緋依。
【緋依】
あんたは嘘ばっかりで、あたしに対する言葉もひょっとしたら全部義理みたいなもので、本当のことなんて何もなかったのかもしれない。
でも、もしそうだったとしても、…あたしは……永遠を願うくらいの愛を、感じられたから。
嘘でも、本当でも、顕二に感謝してるの。
あなたに出会えてよかったって、心から思ってるんだ。
だからもう人のことお荷物みたいに感じるの止めてよね、はいじゃーこれでこの話終わりね、辛気臭いのは嫌いだし。
【永原】
俺も緋依に出会えてよかった。
本当によかった。
このままずっと、永遠に一緒にいたいと願うのが愛なら、きっとこれがそうなんだと思う。
だから僕たちがずっと一緒にいられないのはきっと、それこそが自分の罪で、罰なんだ。
手の届くはずのないものに手を伸ばした己の罪だ。
けれどそれでこそ本当の愛を知った。
薄っぺらくて情けなくて、いつも本当のものが掴めない僕に、彼女が教えてくれた。
…時が経たなくても分かる。
きっと、もし、二人年老いておじいさんとおばあさんになったとしても。
僕は彼女のことを美しいと思うだろうし、いつまでも彼女のことを、愛しているんだ。
本当の美しさとはなにか。過去を肯定して今の自分を認めること。
顕二と緋依の二人は歪だったとしても、永遠の愛を願うほど愛し合っていたのだと思います。永原視点が加わることで、二人の関係性を描く良い補完となるお話でした。
(2)melancholy組
melancholy組は、おばあちゃんの蒼子さんと孫の紫亜さんが出会うこと。
こうした会合に、蒼子さんと清次郎さんが両思いでありながら結ばれることがない未来を知った紫亜さんは未来を変えたいと願いました。そのため、二人の想いについてを二人に教えてあげようとします。
本編では決められた未来を変えたいと願った、彼女らしいお話だったと思います。
【紫亜】
清四郎くん、あたし、………未来を変えたい
しかし、過去の清次郎は答えます。
【清次郎】
自分の力で掴んでこその幸福。
僕は、僕自身が選んで掴み取った未来を、………生きてみたいんだ。
また、緋依の、自分に後悔をしていない生き方を見て、蒼子は答えます。
【蒼子】
「うん、ていうかね、あるがままが一番かなって」
こんなかわいい孫に、もう一度会いたいから。
このままでいいかなって、思うんだ。
分かるんだ。
綾小路くんと別れて、分かり合えなくて、二度と会うことがなくなっても。
その未来でしわくちゃのおばあちゃんになったあたしは、きっと笑ってる。
紫亜ちゃんの未来のあたしは、いつも笑顔で穏やかなんだ。
緋依さんと同じように空を見て笑ってる。
それは紫亜ちゃんの未来のあたしでしか得られない、最高の笑顔。
一生懸命生きているんだ、今のあたしは。
それでいいんだ。」
未来を肯定する、孫に出会うことで今の自分を肯定する彼女でした。
今の自分を否定しない姿は緋依のようです。
この時の蒼子さんの姿は素敵で、とてもかっこよかった。
未来を自分の手で変えたい、としたmelancholy組ならではの話でした。
(3)innocent組
innocent組で印象的なシーンは、玄兎と百合の会話。
玄兎は、百合と実は本当の兄妹ではないことを百合に明かしていませんでした。
それは、玄兎の正義の味方でありたいと願う気持ちからでした。
【玄兎】
俺はいつも百合の純粋さや無垢な精神に救われていて
汚いところなんか何も知らないような彼女が心の拠り所だった。
けれど百合は汚いところなんか何も知らないわけじゃない。
どんなに薄汚れた現実を前にしても、百合ならそれに染まりきらずに
いつまでも真っ白でいられる気がした
【玄兎】
百合は真っ黒な現実を知らないわけじゃないのに、俺とは違って
いつも無邪気な子供らしい感情を忘れない。
そんな百合ともし、血の繋がりのような確固たる絆があったのなら、
自分も彼女と同じなんだと思える気がして。
俺はそんな嘘をただ信じたかったのかもしれない。
そんな嘘が本当であってほしいと願っていたのかもしれない。
abandonedで恐竜に純粋に驚いた彼女のように。
innocentでは、正義とはなにか、百合が見出した純粋な正義が描かれました。
真っ黒な現実を知りながら、それでも純粋な感情を、純粋な正義を持ち続ける彼女に、玄兎は救われ、同時にこうありたいと願う対象でもありました。
だからこそ、百合と兄妹でありたいと願いました。
それは、緋色が紅の純粋な悪意(純粋な正義)をそばにして、苛まされるように。
正義とは何か。
そのため、玄兎は百合に兄妹ではないことを明かしていませんでした。
しかし、百合は実は兄妹ではないことを知っていたと言います。
【百合】
いつまでも子供じゃいられないよ。
abandonedの子供時代のように、何も知らないままではいられない。
【百合】
それまでずっと知らないふりをして、そうして話してくれたそのときに
"知ってたよ”って笑顔で言ってやって、驚かせてあげるから。
待ってるから。
玄兎が百合にその真実を明かす日は、きっと玄兎が自分自身の正義を、生き方を肯定できるようになったときだと思います。その日がいつか来ることを願います。
ちなみに、このお話のきっかけになった、
百合「私と結婚しようよ!(♥マーク)」が可愛すぎて、ぐあぁってなりました。
(4)vivit組
紅と沙乎華の百合ワールド展開!
この二人が出会う以上そうなるのはもう未来予知しなくてもわかるもの。
きゃっきゃうふふな世界、見てるだけで面白かった。
二人は未来予知がお互いにできる存在でした。
本来は死んだはずの沙乎華。その沙乎華が紅の今の姿を見た一言がありました。
【沙乎華】
……そう、貴方は、最期まで幸せだったのね。
そう思える最期だった。
だから、それでいいと思えた。
だから私は笑った。
地獄に突き落とした彼女の未来を知って、笑った。
沙乎華は、死んだ瞬間に紅の未来が視えていたのでした。
だから、彼女の死に際は笑顔だった。
彼女がなぜ死ぬ瞬間笑顔だったのか。
自分という存在が、生きるという呪いを彼女にかけて。
そして最期まで幸せな笑顔で死ぬ紅を視て、沙乎華は笑って死んだのでした。
また、紅がヒロと一緒にいた理由は、沙乎華のことを知っているのが紅以外でヒロだけだったから、彼の存在こそが、沙乎華との時間を証明する存在でした。
そのことを知った沙乎華。
【沙乎華】
そして自ずと見えてくる答えに、………喜べばいいのか悲しめばいいのか。
彼女は一生罪を背負って生きていったんだなと思った。
きっと私のことを知っているのが貴方だけだったからでしょう
ふふふ、そこまで私のことを重い十字架のように扱ってもらえて嬉しいわ
ねえ、紅、貴方はずっと私のことを忘れないでいてくれる?
ええ…、一生忘れないわ(紅)
【沙乎華】
私にも何かを遺せたんだってことが、
そうしてずっと続いていくことが、嬉しいわ。
紅のおかげよ。
ねえ、貴方が生きていてくれたおかげなのよ。
沙乎華が遺したことで、紅が生きている。vivit組も、紅も沙乎華という受け継がれている存在がありました。それが歪だったとしても、沙乎華がいて、紅と緋色は受け継がれながらも生きていると証明されました。
沙乎華は、その死ぬ間際の刹那、そのことを実感して、その気持ちもあり笑顔だったのだと思います。
またvivit組としてもう一つ描かれるは、緋色の正義の在り方。
それはマゼンタの姿と紅の会話より。
【緋色】
少しだけ時が経って、…かつてあの嘘みたいな世界で会った、救えなかった少女が笑っている。
ひょっとしたら自分が干渉しなければもっと別の結果をもたらせたかもしれないと後悔した、あの日が笑っている。
正義の味方なんてものになるのは難しい。
俺は未だに誰のことも救えてない。
開発した薬を勝手に悪用された陽子おばさんも、その薬に翻弄された沙乎華も、
果ては初恋の女の子も、…生きれば生きるほど孤独になっていく彼女も。
正義の味方になりたかったのは、玄兎と百合にそんな偶像を見せてやりたかったから。
でも俺は未だに誰も救えてない。
誰のことも、救えない。
緋色は正義の味方であろうとすることに悩みます。
救えるものに限度がある世界に悩みます。
純粋な正義とは何か、innocentで語られた正義の在り方について、緋色もきっと悩んだのだと思います。
しかし、緋色の子供であるマゼンタは、父親によって救われたとありました。マゼンタが母親と自分は生き写しだとしたのに、マゼンタがあそこまで性善説を信じ救いたいと願ったのは。それは、マゼンタが父親のように正義の味方でありたいと願ったからではないでしょうか。
【紅】
貴方と同じように彼女も、誰のことも救えないんだって嘆いてるわ。
何もかも知って、世界の終わりを視て、どうしようもないことを悟って、
そのことを嘆く正義の味方。
だから、一緒ね、やっぱり似ているのね。
貴方の娘のマゼンタは、貴方の正義を受け継いでいるわ。
だから、マゼンタは「慈悲深い人になりたかった」
マゼンタの姿こそが、緋色が正義の味方であった証明ではないでしょうか。
正義の味方はしっかり緋色から、マゼンタから、大吾へ、受け継がれています。
【緋色】
テレビの向こうのヒーローは人々が生み出した正義の偶像だから嘘、とも紅が言っていた。
そんな嘘が本当になったらいいと思う。
死ぬまで吐き続ける嘘が本当になるように
vivitでは、死ぬまで想い続けた感情は本物になると、沙乎華が言いました。
正義がたとえ偽善だとしても。死ぬまで想い続けた正義は本物になると。
想いが受け継がれることで、その正義は本物になると。
だからマゼンタは偽善でもいいと、肯定したのだと、私は思います。
緋色の正義は、本物でした。
何よりも、緋色の姿を見た、pfyの玄兎と百合の姿。
かっこいい!!と見る二人の姿は何よりの証拠でした。
以上印象的なpfyのシーンを抜粋しました。
その他、マゼンタの過去についての考察の宝庫でもありましたし、他にもabondonedの日向
が花子の姿を見て、かつてのブルーの姿を思うシーン。
その他lostのメンバーが、未来を絶対にあきらめないの一言だったり、様々なシーンが詰まっていました。
話の補完としてもとても面白かったと思います。
以上pfyの感想でした。ここまで読んでくださったかた、本当に本当にありがとうございました。
この滅び朽ちる世界に永遠の愛がある。