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meroronさんの魔剣士リーネの長文感想

ユーザー
meroron
ゲーム
魔剣士リーネ
ブランド
まくらカバーソフト
得点
88
参照数
2474

一言コメント

『戦略シミュレーション』と『寝取られ』、この相反するかの2つを見事に組み合わせた発想に感動を覚えた。 ※後半だけネタバレです

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

本作品は領土取り型の戦略シミュレーションゲームである。

大抵の人はこのジャンルでエロゲというと『鬼畜王ランス』が真っ先に浮かんでくるのではないだろうか。

かの作品は、領土だけではなく、女も得る。
そう、侵略するというのは『奪う』ことに他ならないからだ。
だからこそこのようなゲームに『寝取り』や『女を捕獲する』こととの相性はとてもよいのである。
ゲームをうまく進行させて、おまけにエロシーンも見れる。 一石二鳥だ。

しかし、この魔剣士リーネはそのような調和を一切無視した、あまりにも不合理なゲームである。

敵に領土を奪われることなく、負けることなく、勝利することも出来る。 しかしそれではエロシーンが見れないのだ。
この作品はエロゲーであるのに、戦略シミュレーションゲームであるのに、エロと勝利が同時に成り立つことはありえないのである。

なんという理不尽、なんという不合理、なんという絶望。
我々はゲームを始めた時から、敵に負けなければいけないと運命(サダ)められているのである。

このあまりにもアンバランスなジャンルを新開拓しただけでも、自分の中では高い評価となった。



とはいえそれだけではアレなので内容の方にも踏み入れようと思います。

ゲーム性としては鬼畜王ランスに近いものを感じました。
しかし、リアルタイム進行というあまりみたこともないシステムを取り入れていて、そこは斬新だと思いました。

ただ、キャラクターごとの技の差別化や多様性があるともっといいかなと。

バランスの方は、正直なところ4ヒロインを使えばかなり楽です。
しかしこれはNTRゲーなので、プレイヤーは最初に負けて4ヒロインを敵に奪わせてようやく魔剣士リーネをプレイしてることになるのです。
そうした場合は・・・なかなか難しくいいバランスだと思いました。
ある一定の数まで軍を増やせれば楽ですが、それまでの戦いがシビアです。



そして最後にストーリーですが・・・

※以下ネタバレです






初っ端から婚約者が寝取られたのは衝撃的で、『なんだこの女』と女性に対する嫌悪感が増しました。

チンポ好きな女っているんですよ。 デカチン求めちゃう人っているんですよ。 そんな女性の醜い面というのを極端に表現していて、NTRの業の深さを垣間見ました。

そんな哀れな主人公を慰める4人のヒロイン・・・ですが主人公とのエロシーンはありません。
彼女らは戦いに負け、捕虜として捕まり、ジワジワと快楽に溺れてゆきます。

中でもフィオナ姫が特に酷いですね。 よっぽとセックスが気に入ってしまったのか、自分の国のことなんか知ったこっちゃないとアンアン喘ぎまくりです。
彼女に従っていた国民たちがかわいそうでなりません。 このゲームの中でもっとも悪女と言われるに相応しい働きぶりをしていた気がします。
最後まで開発されて、その後に姫を取り返しても、彼女はもうファルコン様のオチンポのことしか考えてません。
その清々しいまでの変わり様と欲望への忠実さは、醜悪なものであるとともに、ものすごくエロスを感じさせるなぁと思いました。

ラメンティアはなんか騙されてついつい快楽に溺れてしまったタイプで、まだ救いようがあると思います。
しかし頭ではわかっていても体がファルコン様のオチンポを覚えてしまっていて理性とのジレンマで永遠に苦しむこととなりそうです・・・。

ドナちゃんはいい子です・・・。 彼女は一瞬、その快楽に負けても自分を見失うことなく最後まで主人公に付いていこうとしていました。
そんな彼女でも、結局は母性本能には勝てなかった・・・。 しかしそれだけでも人間としての誇りをすてない凛々しさがあり、4ヒロインの中では一番健闘していたように思えます。

最後にタイトルにもなっているリーネですが。

ぶっちゃけ空気です。

寝取られる様も、会話も、シナリオでの活躍ぶりも、なんでこの子がメインヒロインなんだろう・・・と思うぐらいの空気でした。
魔聖女フィオナとかでよかったんじゃないかな(

いやでも魔剣士リーネという謎の語感良さがいいんですよね。 うん、きっとそうだ。



その他にもHシーンのあるサブヒロインはいましたが割愛します。

そんなわけで、この魔剣士リーネはボクにとって2012年で最も印象に残った作品となりました。

ガテン系をはじめとして、これと恋妻くずしとい・・・2012はNTRの年だと感じさせてくれる1年でした。