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melo1009さんの抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか? 2の長文感想

ユーザー
melo1009
ゲーム
抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか? 2
ブランド
Qruppo
得点
100
参照数
5157

一言コメント

現実より決して届くことのない愛を込めて。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

はじめに:文字数を見てドン引きした人、大丈夫です。私が一番引いてます。
どうか最後までお付き合い下さいとはとても言えませんが、まあ宜しければお時間の空いた時にでも。むべむべ。



~Senzuripoint:Paccoman~
性帝なんて呼ばれてるからには絶対十字陵的な卑猥な建物立てててターバンのガキか何かにケツをバイブで貫かれて
手嶋のことを「お、お師さん…」って呼ぶようなネタが入るもんだとばかり思っていたがそんなことはなかった。
というかこの世界の手嶋はお師さんでも何でもないのにあんな最高に美味しいタイミングで助けに来てくれるとか性人、いや聖人か何かなのか。
まあ一応彼女の恩人の頼みということになるのか…たとえ彼女がダッチワイフであっても…。
あとピラミッドって三角形で天に向かって雄々しく突き立ってるんだからまあ勃起したチンポみたいなもんですよね。やっぱり卑猥。

個別に向けてSS三人娘を好きになるための単なる前振りパート、では当然終わらないのだがまずはそういう視点での話をしたい。
異なる世界に飛ばされ、NLNSの仲間達にも自身を認識されず、途方に暮れていたところで礼ちゃんに連れられ三人娘と再会、
そのまま文字通り裸の付き合いとなり、一つ屋根の下共同生活を送る中で彼女たちの知られざる一面に触れていく――
掴みは完璧である。ちんこ出してまんこハメてよよいのよいとか言ってた娘がくせっ毛を気にしている、
たったそれだけのことが心に謎のときめきを生み出す。ギャップ萌えとは魔法である。ちょっとこのゲームその振れ幅が大きすぎて
ちんこ出してまんこハメての時点で「あっ結構っす…」と振り落とされてしまった層が少なからず存在するのもむべむべなるかな…。
さて、NLNSの面々が敵に回ったことは恋愛面以外にも思わぬ副産物を生み出した。
戦闘シーンが読めるのである。
は? と思われるかもしれないが敢えて言おう。正直に言って、前作の戦闘パートは割と読んでてしんどい箇所の方が多かった。
まず戦力面で圧倒的不利のNLNSが毎回のようにSSの包囲を掻い潜りながら帰宅し続ける、
というプロットの時点で大分無理があったところに、ビッチロリ空気ゴーグルの四点セット補正で正体は決してバレず、
31歳や花丸姉妹のような雑魚はまだしも、ビッグスリー相手であろうといざとなれば淳之介君がイチモツ食らわせれば切り抜けられてしまう。
そこに緊張感など生まれようもなく、逃亡劇は必然的に茶番となる。ではオナホールだのダッチワイフだのを武器にしている
バカゲーっぽいところに笑いを見出せばいいのかと思うと、敵であるSSやらSHOの方が普通にガチなのでこれも難しい。
実際、メルクオリアとかいう狂気の産物を戦いの場に持ち込んだ美岬√は別として、
ファンの間でも『ぬきたし』のバトル要素は普通に『燃えゲー』の観点で評価されている部分であるように思う。
が、前作において私はそこの部分に乗っかることが出来ず、それ故に文乃ルートなんかはかなり残念な気持ちになったのだが、
そこで今作である。今作の淳之介君はきちんと負けてくれる。『負けてないが!?』その話はしていない。
負けてくれるというか、パッコマン淳之介君は最終決戦の時までほとんど負け続きである。
NLNSに逃げられ、アーマーハメドリくんにはワンパンされ、ビッグスリーと四人がかりで挑んで尚蹂躙され、
策略によってSSとSHOも敵に回り、挙句の果てには実の妹に撃たれる。苦難の日々である。割と普通に心身追い詰められていく。
で、そうやって真面目に窮地を描いたとき初めて、どん底からの逆転にカタルシスが生まれるのである。
倒れるビッグスリー、自身も傷つき紛うことなき絶体絶命の危機、迫り来るアマドリくん、
からのカウント3,2,1、響く狙撃音、直撃する弾丸、そして流れる例のBGM。
ああ文乃、お前は。お前なら、どんな時でも、俺を――
『――……助けてくれると、信じていたぞ!』
エモォい……。
無印の時よりよっぽど真ヒロインムーブしています。仁浦の娘、防人老人の孫、ドスケベ条例を潰す鍵、
そんなものよりも主人公との絆の深さの方がエロゲヒロインには求められているのです。

>「じゃあまず手始めに、一人称は僕にしてくれる?」
>「僕……? え、なぜ――いいえ、承知致しました……僕にお任せください……」

!?

>「もう一回言って……」
>「僕でございます……」
>「むべむべっぽく……」
>「ぼくぼく……」
>「"最高"だぜ……」

なんだこれは……新たな性癖が……開ける……?

>「えっ……あなた様の、愛玩動物だったのですか……? 申し訳ございません、わたっ……僕はなんという粗相を……」

僕文乃。それはB世界が齎した新たな可能性。絆とかそんなもんはどうでもよかった。なんか絆ってちょっと畔って字に似てるし…。
Paccomanの文乃ちゃん絡みといえば防人老人との和解が成されたことも良かったことの一つなのですが、
そこに至るまでの淳之介君が導き出した答えが素直に納得出来るものだったのが高ポイント。
自身の復讐心と文乃の願いを天秤にかけ、後者を尊重することを選び、それを守るために死力を尽くした無印の淳之介君。
それでも未だに拭いきれない恩讐の炎があって、だからこそそれを燃やし続ける防人老人と分かり合うために、
戦いではなく対話の道を選んだPaccomanの淳之介君。本編を経た彼だからこそ掴み取ることの出来た、文乃ルートのもう一つのエンディング。
防人老人との対話後、前置きとか一切なしに淳之介君に絶対の忠誠を誓う文乃ちゃんの姿が印象深いです。
真実を見通す豊玉の瞳は、いつだって尽くすべき者を間違えない。前作では今一つピンと来なかった彼女の魅力に気付かされた感じがしました。
むべむべ。

Paccomanを語る上で外してはいけないシーンがもう二つあるのですが一つは彼女の話のときにするとして、
もう一つが皆大好き無印OP再現シーン。これは卑怯です。テンション上がらない訳がありません。
仮面ライダーエグゼイドだってそう言ってます。エンドゲームでキャップが満を持してあの台詞を口にした時の興奮にも似ています。
そして改めてOPを見返すと再現版の方は畔美岬さんが一人だけ変なもの持っててダメだった。I'm ironmanco...
パコルサーレイ然り、アマドリくんの存在然り、アイアンマンリスペクトに満ち溢れた内容となっているPaccoman。
両肩のジャイロはどことなくヴァルチャーチックでもあり。鳥モチーフですし意図的なハイブリッドなのかもしれません。
で、そんなアイアンヴァルチャーと精液という名の蜘蛛の糸でスイングアクション出来るようになった
スパイダー淳之介君によるドスケベホームカミングが最終決戦の内容な訳なのですが、
この戦いでどうしても引っかかってしまったのが淳之介君形勢逆転の火種となった、ハメドリくん特攻。
それまで拮抗していた二人の論戦が、水引が用いた特攻という手段を同調圧力の象徴と断じ、
マイノリティが行ってはいけないものだと責め立てることで、淳之介君優位に傾いていく一連の流れ。
最初に『別にハメドリくんの中に人入ってる訳でもないんだからちょっと高価なミサイルみたいなものでは…?』というところで引っかかり、
『単に舌戦でマウント取って精神的優位に立ちたかっただけか…?』と考えるには特攻という題材はあまりにデリケートであり、
『生命無き相手への強要であっても圧力には変わりないという考え方なのか…?』と考えた時には
ダッチワイフをゴミのように使い捨てていく淳之介君の戦闘スタイルが頭に浮かんでしまって
ここで一気に熱が引きました。いや本音を言うとそのちょっと前くらいから
また戦闘が前作のノリに戻ってきた気がするなあ…と若干冷め気味だったのですが、決定打になってしまった感じ。
特攻が同調圧力の最たる例って主張自体はまあいいんですけどね。
〇〇、すまない…! とか言いながら逆らいようのない相手を死地に送り出す淳之介君の方がやってること近くない?
なんて思ってしまったのが運の尽き。おかげでその後のアナルファックサヨナラバイバイにも笑えず泣けず乗り切れず。
これが2におけるグランドルートの結末だったりしたら『締まりの悪いゲーム』扱いだったと思います。『アナルだけにかああああ!!』うるさいよ。
しかしげに恐ろしきはぬきたし2。これだけ語ってまだ内容は1/9である。そして今回は完結作、
これを逃したらもうぬきたしについて語る機会は訪れない。
という訳で、畔美岬の生態とヒナミルートの二点のみに着目した前レビューとはスタイルを変えて、
一人一人に焦点を当てていきましょう。Paccomanの話をしたのでまずはこの人から。

・秋野水引
無印の時点で名前だけは出ていたa_mizuhikiとハメドリくんの中の人。もう一人の橘淳之介。マイノリティの中のマイノリティ。
B世界から帰還した桐香による許可証や校則の改定、何よりハメドリくんの中から引っ張り出してくれた淳之介君のおかげで、
ようやくありのままの姿で青藍島を歩むことが出来るようになった彼女――彼女なのですが、
果たしてプレイヤーの皆様は彼女にとっての橘淳之介になることが出来たでしょうか。
「ワタシは女だああああああああ!!」という彼女の叫びに対して「認めるって言ってんだよおおおおおおお!!」と返すことが出来たでしょうか。
Paccoman良かった。感動した。考えさせられた。では考えた結果貴方は秋野水引の性を最終的にどう定義したのか。
マジョリティに存在を許容してもらうための努力をしましょうというマイノリティに向けての心構えを説いたPaccomanですが、
相互理解という最終目標に至るためには当然マジョリティ側にも努力が要求されるわけです。
具体的に言うと、水引ちゃんのHシーンで抜くという努力です。
おいそこ帰るんじゃない。私は真面目な話をしているんだ。いや正直に言うと今の話の振り方は真面目じゃなかったかもしれない。
Paccomanを通して切実に描かれてきた彼女の苦しみ。認めてもらいたいという訴え。それを受け取ってプレイヤー達は確かに感じ入るものがあったという。
ではそこで改めて彼女に生えているおちんちんを見てほしい。その上でもう一度問う。貴方にとって秋野水引は男性なのか? それとも女性なのか?

>「つまり外見で決めつけたりしないで、自己申告の性別で扱おうってことよね……!
> その人とドスケベセックスするかしないかも、自分で考えようってことで――!」

桐香ちゃんの演説を受けた女子生徒Aちゃんが、大変簡潔にマジョリティ側の持つべき心構えを教えてくれています。
トランスジェンダーの訴えを理解したいのであればおちんちんのことは気にするなと。おちんちんが付いている=男ということにはならない、
そう考えてしまう固定観念、偏見を捨て去ることこそが、ノーマルである我々には求められているのだと。
むべむべ。
秋野水引が自身を女性だと主張する。これはいいでしょう。女子生徒の制服を着る。とりあえずこれもまだ許せます。
二次元というフィルターがそれを許してくれます。で、その制服を脱ぎ捨てた裸の彼女と対面しました。
その股間には確かに男性器が付いています。彼女は女です。さあ抜きなさい。

無理。

そこが私の限界でした。そのことを悲しいとも思いませんし、抜けるようになりたいとも思いません。自分で考えた結果です。
そしてそれは何故かと問われたら、だってちんちん生えてるんだから男じゃん。男じゃ抜けないじゃん。そう答えるしかないのです。
『Senzuripoint:Paccoman』という物語を読み終え、秋野水引の戦いと渾身の主張を受け止めてなお、行き着いた答えがこれです。
努力を怠った分際で。最終決戦の最中、淳之介君は秋野水引にそんなことを言います。しかし彼女は頑張っています。
少なくとも外見的問題については克服しようと必死に努力しています。化粧を用い、男性的特徴が出やすい手足を巧みに隠し、
自身を女性として認識してもらうための努力を欠かしていない水引ちゃん。それでもどうしようもなく、彼女の股間にはイチモツが生えている。
絶望ってそういうことですよね。100万円あったら何に使うかという問いに対しておちんちん取るかなと答える水引ちゃん、
そして『黄金乃秋』において、『もう戸籍上も"彼女"になった』ということが伝えられる水引ちゃん。
ドスケベ法なんてものが存在する世界の日本に同じ法律が存在するのかは分かりませんが、
とりあえず現代日本においては戸籍上の性別を変更するため設けられている規則の一つに、
『生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること』というのがあります。
水引ちゃんはやり切りました。その時の彼女の裸を見た時になってようやく、私は彼女のことを心の底から女性として見ることが出来るのだと思います。
同時にそれは、私が肉体的性観点を精神的性観点よりも重視していることの何よりの証拠でもあり、
彼女の心からの理解者にはなれなかったことの証明でもあります。
貴方はどうだったでしょうか。橘淳之介と秋野水引の性行為を、男女のまぐわいとして捉えることが出来たでしょうか。
1-31。それはA世界の秋野水引による、B世界の復讐よりも直接的で強烈な、『ワタシは女だ』という"心"の叫びです。

・花丸凛
ひょっとしたら今作で一番好きかもしれない娘。
正気か、と思われるかもしれませんが、実際作中で一番自分に近いキャラクターは誰かと問われたら私は凜ちゃんかアサちゃんのどちらかを挙げるでしょう。
彼女のことが嫌いだという人間は信用出来ないくらいの気持ちまであります。いや実際リアルで側にいて欲しいとは欠片も思わないのですが、
彼女は何処までも自分の欲望に対して正直です。ヤミーにしてぶん殴ったらさぞかし大量のセルメダルをぶち撒けてくれるものだと思います。
その徹底した俗物っぷりに一周回って好感を抱いてしまう自分がいることに嘘は吐けません。リン、トモダチ、ジュボボボボ。
で、そんな彼女が射精管理という男の欲望を抑えつける技を生業とし、
郁子ルートにおいてはメスガキ様として島を救う女神の役割を果たしたことがなんとも面白い。
射精管理。快感の獲得に待ったをかける行為。島全体でそれを行った結果、欲望の抑圧が淫石という災厄を呼び、
それを撃ち落とすために溜め込んできた欲望をぶち撒ける。射精という快楽に誰もが溺れることで救いを得る、
それは欲望の肯定であり、その意識を齎すために神の啓示を得たのが島の誰よりも欲望に正直であった彼女というのは理に適っています。
言うほど理に適ってるかと私の心の中のアサちゃんがツッコミを入れていますが、女部田郁子というドスケベに人生を救われた少女、
即ち快楽に溺れることで生き永らえてきた娘の物語を彩る上で、彼女もまた己の欲望に忠実に生きた者の一人として
重要な役割を果たしたことは忘れずに憶えておきたいなと、今の私は思ったりする訳です。
ドスケベサイコフレーム花丸凛。SNSの過去の発言掘り起こされて職を失ったのはジェームズ・ガン監督のオマージュなんでしょうか。GotG3楽しみですね。
ちなみに『2』オールクリア後に私が最初に行ったことは、無印における花丸姉妹3Pの見返しでした。
あれだけイキり倒してた凜ちゃんも淳之介君のおちんぽの前では無様なメスガキの一人に過ぎないんだなあということを思い出させてくれる、
極めて歴史的価値の高いシーンです。彼女の発言にイラつく度に裏窓で彼女の喘ぎ声を再生しましょう。それだけで精神的優位を保つことが出来ます。オススメ。

・花丸蘭
妹のキャラがガン立ちした影響で不憫萌えを極めてしまった姉。
他の連中になんて言われても委員長は妹を甘やかしてやれよ→凜がそう言うならきっとそうなんでしょうねえ→そうやって甘やかすから妹がつけあがるんだろ!!
すき
礼ちゃんが風紀委員長ならこの娘は空気委員長だなくらいの認識だった前作と比べると、
どんだけ悲惨な目に遭っても凜ちゃん大好きを貫くその姿勢が段々愛おしくなってきて今では割と好きな娘です。
りーん! はなまれー!
かわいい
絶対に幸せになれないと思うけど幸せな人生を歩んでほしいと思う

・仙波光姫
31歳…31歳かあ…。

・那賀伊波
『ぬきたしをすべて終わらせる(ユーザーからこれがほしいと言われるものをなくす)』
「ぬきたし」FDプロジェクト発足時に掲げられたテーマがこちらだそうですが、
ある意味誰よりもこのテーマをぶち壊してしまった少女がこのSS五番隊電子戦担当オペレーター通称スス子。
立場に物怖じせず積極的なスキンシップを仕掛けてくる大型犬…もとい子犬系後輩。
童貞を勘違いさせる要素で全身武装したこの大悪魔…もとい小悪魔の前に、クソ雑魚ぬきたしユーザー一同はあえなく陥落した。
無印におけるモブキャラクターに立ち絵を用意しメイン格へと昇格させる、
そんなファンサービスがかえってユーザーの欲望を刺激してしまったことは皮肉である。
そして無印の頃はシューベルトに気があるんじゃないかと思っていた私もまたタイプの違う童貞である。
無印に凜スス子シューベルトの立ち絵追加パッチとか出ないかなあ…。

・中村シュウ
不可能の文字が載ってないナポレオンの辞書も裸足で逃げ出すレベルの欠陥データベース。どことなく声が石田彰チック。
大判焼き呼称決定戦のオチに使われてとうとう淳之介君からデータキャラやめちまえって怒鳴られるところが狂おしいほどに好きです。
ちなみにWikipediaの野郎は今川厨でした。主語のデカい連中はこれだから…。

・仁浦俊明
前作でシリアス頑張ったツケを今作で纏めて支払う羽目になった感のある元県知事。
背後に流れる野郎共の鳴き声から狂気しか感じない青藍島の闇の象徴バブみ幼稚園ですが、その中にはきっととしあきちゃんの声も紛れているのでしょう。
絶対この人文乃に対してもバブみ感じてるに違いないですよ。声だってたまに池田秀一っぽいときありますもん。
出番はそこそこあっても情けないシーンで溢れているのと少ない出番の全部が美味しいのはどっちが幸せなんでしょうねって
次の人のことを思うと考えてしまいます。

・手嶋俊英
ヒナミルートの三下っぷりはどこへやら、すっかり師匠ムーブが板に付いたマニラ住まいの元チンピラ。シコ清十郎。東方不敗マスターベーション。
この人について言いたいことはPaccomanの時に言ったのでそれ以上は特に無し。ボツシナリオの方がひょっとしたら台詞量多かったのでは…。

防人老人についても手嶋に同じということで、とりあえず一通りサブキャラ達について触れました。ここからが本題です。
エロゲ―やった以上ヒロインの話しなきゃ始まらないというのに水引ちゃんの話に意識を割き過ぎました。そこに力入れたかった訳じゃないんです。
誰から行きましょう。ルートクリア順でもいいのですが彼女の話はもう少し後に回したい、ということでやっぱり前回同様トップバッターは彼女から。

・畔美岬

>「美岬の存在自体が人類に対する冒涜だろ」

ドスケベ中に主人公からこんなこと言われるヒロインがかつて存在したでしょうか。
前作ではまだかろうじて人間として扱われていたような気がしたんですが、今作では完全に畔美岬という地球外生命体の一種に成り果てた感があります。
これで本人が少しでもダメージ受けてたら良心が痛むこともあったのでしょうが、
完全に乗っかってたり場合によってはこの扱いが美味しいとまで思ってそうな節がある辺り、やはり彼女は爪先からアナルまで生粋の芸人なのでしょう。
こいつが口を開く度にその場の流れが全部こいつに持っていかれるの本当凄いと思います。畔美岬は空気です。空気のように薄い存在という意味ではありません、
畔美岬が存在するとき世界は畔美岬のものになるのです。空気そのものが畔美岬になるのです。最早一種の神様みたいなものかもしれません。
そして芸人畔美岬を語る上で欠かせないのが相方である橘麻沙音ちゃんの存在です。他ルートにおいてもそのキレッキレのツッコミは健在なのですが、
美岬アフターにおいてはこの頭のおかしい生き物が大好きな兄の彼女であること、
そして大好きな兄までもが精神を汚染され目の前でキチガイ固有結界創り出す地獄絵図に苦しむ様がなんとも不憫であり、
ただでさえ奈々瀬アフターと続けてプレイしたものだから
『ぬきたし2はバカップルの狂気に日常を脅かされるアサちゃんの苦難を描く物語なのか…?』という疑惑まで抱いたものです。

>「こいつらの会話ずっと聞いてると脳がこれを日常会話として受け入れるようになってくるのマジで怖いんだよ……」
>「大丈夫だいじょうぶ。最初は怖いけど、次第になんでも受け入れられるのが気持ちよくなってきますから!」
>「アナルの話はしてねんだよ……!
> ああぁっ……! 今のが一瞬でアナルの話って分かっちゃったぁ……! もうダメだ脳細胞がミサキウムに冒されてるぅ兄ぃ助けてぇ~……!」
>「お兄ちゃんにアナル開発頼んじゃめーでしょ」
>「頼んでないんですけど……この家系もうダメだな……私たちの代で終わりだわ……」

>「アサちゃん、美岬を一言で表すタイトルないか?」
>「ワガママクソスペック」
>「窓から突き落とされたいのか……?」
>「私から連想される単語を適当に並べていくのはどうですか? 何かいいのを思いつくかも!」
>「デブ、ピザ、肥満、力士、横綱、どすこい、贅肉、ごんぶと、ちゃんこ、ドラム缶、
> うんこ、モブナスビ、カロリー、油、豚、ドラム担当、地球ゴミ、デブリ」
>「おほっ、いっぱい出てきましたね! その中からどれか選んでタイトルに使いましょう!」
>「正気か……?」
>「今の『いっぱい出てきましたね!』ってセリフ……なんかえっちだったな」
>「はへっ!? も、もう! なに言ってるんですか! 淳之介くんのえっちっ!」
>「は?」

可哀想に…強く生きて…。
また『出演声優は家族を人質に取られている』という噂もまことしやかに流れているぬきたしですが、
アサちゃん担当のそらまめ。さんと礼ちゃん担当の水野七海さんに並んで、家族を取り返すために頑張っておられたのが畔美岬の中の人であるこはる凪さん。
前作に比べて変声ネタが増えたような気がする今作の畔美岬を見事に演じきって下さいました。ぬきデブ製作中に彼女の口から放たれた
『できねぇわこんなん!! 声優殺す気か!!!!!!!』という叫びの中に、いくらかの本音が込められていても不思議ではないと私は考えます。ファムトウァロスァーン…
とはいえ腐っても太っても彼女もれっきとしたヒロインの一人ということで、
おじいちゃんおばあちゃんになっても今と変わらずバカやってる二人でいられたらいいですねーと笑顔で語りながら淳之介君の腕を抱いている時の彼女は、
お笑いプレデター畔美岬ではない恋する少女畔美岬ちゃんとして立派に輝いていたと思います。実際美岬アフターのような毎日が続く人生というのは、
とても愉快で退屈しない素敵な一生でしょう。そしてこの二人ならきっと、当たり前のようにそれが出来るのだと思います。
美岬アフターはそんな安心感を与えてくれる、フルスロットルで大変満足な内容でございました。でもアサちゃんが首括りそうになったら止めてやれよ。

・渡会ヒナミ
平坦である。
彼女の後日譚はその胸のように起伏のない内容である。
海で泳いで、肝試しをして、デートをして、熱を出して。なんだこれエロゲ―か…? エロゲ―だわ…畔美岬とかいるけどエロゲ―だわ…。
人によっては退屈と切って捨ててしまいかねない緩やかな内容、それを父親のような目線で暖かく見守る気持ちになれたのは、
この光景こそ二人の横に並ぶもう一人の少女が望んでいたものだと知っているから。
ヒナミアフターは糺川礼の理想の世界です。人に愛される資格のない自分の代わりに大好きな二人が結ばれて、
かつての自分が夢見た少女漫画のような優しい愛を育んでいく。コンプレックスに苦しむ者もなく、隕石のような災厄も訪れない。
15個の眼魂がどうだの突如飛んできたキツツキがどうだのと彼女の大好きな特撮ネタも適度に散りばめられた、幼い願望がそのまま保たれ続けた一つの夢物語。
ドスケベ条例が失われ、彼氏が筋肉に目覚めることもなければ彼女が畔美岬である訳でもないこの三人のお話は
どことなく『ぬきたし』の中で浮いているようにも思えますが、言ってみればそれはヒナミアフターの世界が
『ぬきたし』におけるマイノリティであると解釈することも出来る訳で、最後までその独自の空気感が崩されなかったことに意味があるのだと私は思っています。
ヒナミアフターのパロネタの使い方はなんとなくくすっとくる笑いを誘う感じなのが好きです。
ゴリ押しで無理矢理笑わせにかかってくるように見せかけて元ネタの「へぇ」をオチに持ってくるんほぉボタンとか、
黄緑色の球体をキャベツと称して本当にこれがキャベツなのかどうかオーガストに訊ねようとするところとか、
しょうもないって言ったらしょうもないんですけど、ふふってなる。そういう笑い。
そして『2』における渡会ヒナミを語る上で欠かせないのが、進化を遂げたバブみ。
淳之介君が彼女のことを大人の女性として見るようになった故か、ヒナミアフターの彼女は聖母力がマシマシになっています。
淳之介君、礼ちゃん、そしてアサちゃんまでもを幼児退行させるその魔性の包容力にはとしあきちゃんもきっとニッコリ。
で、そんな内面に外見がとうとう追いついたのか、アフターラストのウェディングドレス姿、
そして例のタイトル画面における大人バージョンの雰囲気が学生時代と比べてもっとも変化しているのも彼女になります。
満面の笑みで礼ちゃんの腕を取るその余裕に満ちた姿は完全に成熟した女性のそれであり、
この彼女を見てロリだなんだと囃し立てる輩はもういないでしょう。髪縛るだけでこうも印象変わるんだなあ…。
そんな彼女とは対照的に、成長という概念に縁のない真のロリだったのが次のこの人。

・冷泉院桐香

>「思ってたんと違う……」

こっちの台詞である。
無印の頃はSS三人娘の精神年齢は桐香>礼>郁子の順だと思っていたのだけれど蓋を開けたら真逆でした。
しかし思えば、前作の時点で淳之介君がこんなことを言っていました。

>「だいたい誰にでも自分を理解してほしいなんていうのはなあ! 生まれたての赤ん坊が言うことなんだよ!」
>「甘ったれが!! 大人じゃないんだよ!!」
>「ただの寂しがり屋のガキだ!」
>「周囲に答えを求めすぎる、よくできた嫌味な子供が――!」

"とーかちゃん係"なんてものには縁のない、NLNSのリーダーとSS生徒会長として最後の最後まで敵対しきった世界線においても、
彼女の本質を完全に言い当てていた橘淳之介。生まれたての赤ん坊。無欲の少女と謳われながら、誰よりも強い願望を胸に抱いていたワガママ娘。
他人を理解したいと言いながら、それ以上に自分のことを理解してもらいたかった。相互理解。それだけを求めていた少女の実態に、
より直接的な形で踏み込んでいくことになったのが桐香ルートの内容な訳なのですが――
ダメ! できない! オロロロロ!!
ポンコツコンボスキャニングチャージ。朝に弱い、着替えは出来ない、歯も磨けない、飯はポロポロこぼす、階段も登れない、
そして出来ないことを無理矢理やろうとすると、吐く。保護指定動物。一人では生きられない女。生活能力/zero。
冷泉院桐香は愛されています。何に愛されているかって世界に愛されています。ゲロインだなんて属性に当て嵌めて愛玩動物扱い出来るのは、
彼女の吐瀉物にモザイクが掛かっていて吐き出す本人もデフォルメ化されてゲロ自体も虹みたいな加工が成されているからです。
どうして私はこんなに可愛らしい言動しかしない彼女にそこまで乗っかり切れなかったのかなーという理由が自分でもよく分かっていなかったのですが、
ここの部分で嘘吐いてるせいだったのかもしれません。いや吐いてるのはゲロか。でも私の眼には虹のような何かが映っている。やっぱり嘘だな。
いや本当に可愛いんですよ。好きか嫌いかで言ったら間違いなく好きなんですよ。でも愛するところまで行くかって言われたらそうでもなくて、
それは何でなのかなあっていうのがずっと引っかかってたところにふっと答えが見つかったような気分。
いやまあ分かってますけどね。本当に汚いのは桐香ちゃんの吐いてるゲロじゃなくてそういうところに意識が行ってしまう私の方だって。
そんなんだから水引ちゃんのおちんちんからも目を逸らせなかったんです。そういうことを気にしない人間になりたかったです。
己の人間性を見つめ直す機会を与えられるゲーム、ぬきたし2。なんか桐香ちゃんの話から逸れてきたから次行こう次。

・女部田郁子
桐香ちゃんの話をしていたらこの娘について思うところがあったので順番変更。

>「それいけイクちゃん伝説、はじまりはじまり~!」

桐香ちゃんは自分の汚い部分がくっきりとプレイヤーに映らないよう世界に保護されている娘だという話をしました。
一方この娘は世界のモザイクに頼らず、パペットイクちゃんとチュパちゃんの力を借りた人形劇という加工を自ら施すことで、
壮絶な自分の過去を面白おかしく伝えることに腐心しました。
それが楽しくない話だと知っているから、ありのまま伝えても愉快な気分にならないことが分かっているから、おどけた語り口で悲壮感を包み込む。
それは吐瀉物を虹に書き換える行為に似ています。『ジジイ逝った! パパも逝ったぁああああああ!! 2ランホームラン!!』そんな風にゲロで虹を描きます。
楽しんでやってる訳がありません。全部聞き手のためにやっているんです。自分の過去が抱える重苦しさが少しでも軽くなるように、
少なくとも話を聞いている大好きな彼だけにはそう思ってもらえるように。でもやっぱりどれだけ虹のようなものに見せかけようともゲロはゲロのままで、
ぶっかけられた方は笑おうにも笑えなくて、でも最初に吐けって言ったのは男の方で、じゃあ吐くけど怒らないでね? ってきちんと前置きもしたのに、
全てをぶち撒けた後の二人には気まずい空気が流れているもんだから、当然彼女の方にも怒る権利が生まれる訳です。
『こういう雰囲気になるのがヤだったから気を遣って話したのにさ。そんな顔しないでよ』と。

それがSS一番隊隊長女部田郁子。
私が今作ヒロインの中で、最も『女の子』を感じた娘。

今作における女部田郁子に、実は良い子だったという意味での驚きはありません。それは既に前作美岬ルートで通った道です。
むしろその逆で、いわゆる『良い子ちゃん』的なキャラクターが口にしないようなことを口にするのが今作の彼女です。
自力じゃ何も出来ない赤ん坊が嫌い。悲劇のヒロインぶってる女が嫌い。人生舐めてる31歳を見てると腹が立つ。
『何が嫌いかより何が好きかで自分を語れよ!!』とか言ってる人が聞いたら青筋立てて怒りそうなことをぽんぽんと口にしていきます。
しかしこの『嫌い』というのが拒絶の意味を表している訳ではないことは、仙波光姫との気心知れた絡みを見ていれば理解出来ます。
先に語った『自力じゃ何も出来ない赤ん坊』とも仲良くやっていますし、そして別の世界線、嘘つくのが下手過ぎて逆に構ってちゃんみたいになってる娘、
それこそ郁子の目から見れば『悲劇のヒロインぶってる女』を前にした時、郁子がその娘にどう接したのかは周知の通り。
彼女にとっての『嫌い』という言葉は、戒めの意味合いが強いのではないかと思います。自分はこうはならないぞという意思表示、
自身のスタンスを確認するために、きっちりとした線引きをする。白黒はっきりつける。
それは彼女の自意識の強さの表れであり、異様なほど勝ち負けに拘る性質もそこから来ているものだと思われます。
イクが一番強い。イクは誰にも負けない。それはきっと幼少期に受けた厳しい躾――を通り越した体罰の日々で培われたものであり、
同時に幼少期の彼女をオナニーにドハマりさせた理由でもあるのだと思います。
男児として育てているはずの郁くんがおまんこでイくことは許さんということで父親にボコられた郁子でありますが、
『だって気持ちよかったんだもーん』の一言でその記憶を一蹴した通り、当時の彼女にはこういう意識があった筈です。
こんなに気持ちいいことをどうして他人の指図でやめなければいけないのか。私はオナニーをやめない。誰にどんなことを言われてもオナニーをやめない。
女部田郁子にとってオナニーとは戦いでした。お前は男だ。男として生きろ。父と祖父、たった二人であってもそれだけが世界の全てであった彼女にとって、
それは紛れもない同調圧力。オナニーという行為で女の自分を思い出し、それに抗う。精神と肉体を一致させる。そうすることが一層、
女部田郁子という存在を強固にする。
4-26において、淳之介君とシューベルトの二人が話しているのを見るとテンション上がってくるという話をする郁子。
そんな彼女に、心と体の性が一致していないあの人は訊ねます。

>「ちなみに……ワタシと橘くんが一緒だと、どうなるの?」
>「んー……それは特にないかなぁ。ミズヒキちゃん、おちんちんはついてるけど女の子だし」
>「そっか……うん、ありがと」
>「……? どういたしまして?」

『ワタシは女だ』という思いを強く胸に抱き続けた、二人のマイノリティのささやかな邂逅。
何気ないワンシーンだけれど、『彼女』が新たな理解者を見つけたその瞬間が、理解者になれなかった私の目にはとても尊いものに映ります。

……でもこの二人がいざドスケベするようなことになったら『うふふ…イクがミズヒキちゃんに思い出させてあげる…おちんちんでイっちゃえ、オンナのコ♪』
『イ…イヤだ…おちんちんでイきたくない…! メスイキさせて…! あああああ…!』みたいな流れになりそうな感じがしなくもないんだよなあ…。
そして水引ちゃんは改めて自分に生えているおちんちんの存在に絶望しながら
それをシゴかれて気持ち良くなる屈辱と興奮で悔しイキするんだ…可哀想に…(妄想)

・橘麻沙音
妹属性に加えて母属性と姉属性まで盛ってきた近親ジェットストリームアタック。橘淳之介の半身。マイティシスターズXX。
NLNSのオペレーター担当、いわゆる『アリアドネの糸』として迷える淳之介君を陰から導く役割を担っていたのが前作の彼女なのですが、
反交尾勢力としての戦いを終え、青藍島が迷宮ではなくなった『2』の世界において、彼女の役割は失われます。
淳之介君の手を引く役割は彼が愛したそれぞれのひとが担うこととなり、彼女が出来て気持ち悪さ増し増しになった兄の姿にドン引きしたり、
時には畔美岬に引きずり込まれて悶え苦しんだりする羽目になるのが『2』のアサちゃんの立ち位置です。
が、それ以外の可能性を描いた物語が二つ。最初に語った『Senzuripoint:Paccoman』と、ルート05麻沙音ミニシナリオ。私自身がヒロインになることだ…。
ゲーム開始時に麻沙音ルートはロックが掛かっており、『Paccoman』を通過しない限り解放することは出来ません。
そしてその『Paccoman』において描かれたのが、橘淳之介が橘麻沙音を突き放した世界。二人で生きていく、そう誓い合った筈の兄妹が分かたれた結果、
淳之介君は『性帝』という地位と引き換えに心を閉ざし、秋野水引と手を組み『トリ公』の中枢メンバーとなったアサちゃんもまた、
A世界以上に病的な熱意で反交尾勢力活動へと身を投じることになります。
そうやってこの二人が離れ離れになったらこうなりますよという事例を見た後だからこそ、
麻沙音ルートにおける彼女の異常とも言える献身をプレイヤーは受け入れることが出来るのです。
あ、でもガチで薬キメちゃった催淫ペンのノリにだけは付いていけなかったな…。

>「……私ね、兄が別の世界に行っちゃってた時……向こうの兄がこっち来た時、すぐ違う人だって分かったよ……」
>「だって……いきなり、昔の兄に戻っちゃったみたいだったから……ひとりで辛そうな時の、兄みたいに……」
>「けど、その兄もちょっとずつ元気になって……それで、今の兄が戻ってきてくれたんだ……だから……」
>「……私には、お兄ちゃんがいてくれれば……それでいいんだよ……」

麻沙音ルートに入っても、橘淳之介と橘麻沙音の関係に変化はありません。どちらかがどちらかに告白することもなければ恋人同士になる訳でもなく、
単なる兄と妹のままで体を重ねて、一つになる。二人にとってそれは自然なことで、特別なことと言えば末っ子が一人増えたことくらい。
故に彼女は、手紙の返事をこの一言で済ませるのです。

>「家族は増えましたが、とくに何事もなく、本日も橘家は平和です……だよ」

…それで結局この"会ったことないけどなんかどちゃくそ良い人"の正体は誰なんだよォ!! 孕めオーガスト教えて!!
豚のシールなんか見せられても郁子か畔美岬しか連想出来ないんぐぐぐぐぐ…実は美岬母が親戚だったりしないのかな…

・片桐奈々瀬
今作で誰よりも報われて誰よりも損な役回りを担うことになった娘。

『Paccoman』の話の際に語らなかった今作最高の名シーン、橘淳之介とB世界奈々瀬の和解。
B世界の橘淳之介が『性帝』と化してイチモツを振るうことに誰よりも心を痛め責任感を感じていた彼女に、
片桐奈々瀬と出会ったからこそ歪まなかった橘淳之介が俺なんだ、そう告げた時の淳之介君は最高に主人公してました。
幼少期の淳之介君にコンプレックスを植え付けてしまったというトラウマに囚われ続けていたB世界の奈々瀬にとって、
その言葉はどれほどの救いになったことでしょう。A世界から帰還した『性帝』淳之介君と彼女の再会が描かれることはありませんでしたが、
自分がいない間のB世界で起こった出来事を知り、自分が『性帝』となったことがどれだけアサちゃんを苦しめていたかを知ったとき、
B世界の淳之介君はきっと深い後悔の念を抱くのだと思います。しかしそうして塞ぎ込みかけた彼の心は、すぐにでも開かれる筈です。
その時彼女は、彼のことをなんと呼ぶでしょうか。今まで通りの『橘くん』でしょうか。そうではないかな、と私は思います。
片桐奈々瀬が橘淳之介を叱りつける時の第一声、それはどの世界においても、
『おいこら淳!』がしっくりきます。きっと『性帝』は目をぱちくりさせることでしょうが、
そんな彼の頬をぺちりと叩き、『しっかりしなさいよ』と言える彼女がそこにはいる筈です。

> だって俺にとって、片桐奈々瀬は。
>「いつでも、どの世界でも、俺の幼馴染で――」

>「――最高の相棒なんだから」

とっぴんぱらりのぷう。
…で、終われたら良かったんですけど。ですけど。

このシーンで報われたのはB世界の片桐奈々瀬です。我々の知っている橘淳之介君が本当に感謝を返さなければならないのはA世界の片桐奈々瀬の方の筈です。
『ははーん、さてはA奈々瀬への感謝のシーンがあっさり流されたことにこいつはキレてるんだな?』と思われた方、
そうではありません。A世界の片桐奈々瀬にとって自分が橘淳之介の相棒であることは当然のことであり、
『そんなの、今更改まって言われるまでもないわよ』くらいのことはさらりと言ってのけるのが
B世界と比べてイケメン補正入ってる感のあるA世界の片桐奈々瀬でしょう。
いやまあ改めて考えるとそれはそれとして本気で感謝してるんだったらもっとちゃんとした形で伝えなさいよ
あんなそうだ思い出したみたいな勢いで伝えんなよという気持ちもやっぱり湧いてきたのですが、とりあえず『Paccoman』における二人の話はもういいんです。
片桐奈々瀬はヒロインです。前作におけるチュートリアル担当、いわゆる初手攻略推奨であろうとれっきとしたヒロインの一人です。
で、ヒロインである以上主人公である橘淳之介君と相棒を越えた関係になる世界が存在する訳で、
FDである今作においても当然その世界の物語は用意されています。
言うまでもなく奈々瀬アフターの話です。この世界の橘淳之介と片桐奈々瀬は恋人同士です。相棒でもありますが彼氏彼女でもあります。
即ち他の世界以上に片桐奈々瀬と深い関係で結ばれている以上、
この世界の橘淳之介は『Paccoman』で相棒としての片桐奈々瀬に与えた以上のものを彼女に与える義務が存在します。
そうでなくては筋が通りません。彼女になった片桐奈々瀬が相棒の片桐奈々瀬が受け取った以上のものを貰えないのでは不憫にも程があります。
は? 愛しの淳之介君と恋人同士になれた時点で充分報われてるだろ?
ふざけんじゃないですよそりゃ男側に余りにも都合の良い物の見方ってなもんですよでも当の奈々瀬自身がそれだけで幸せ感じてそうなのが尚更不憫なんですけど
大体男としてそれでいいのか橘淳之介? 彼氏という立場に甘んじて彼女の愛を一方的に享受するだけの関係で満足なのか?
その愛に報いたいという気持ちは湧いてこないのか? 愛されるよりも愛したくならないのか?
股間の堂本兄弟の声が聞こえないのか? キンキキッズは一体何歳までキッズを名乗り続けるんだ?

>「というわけで、ご本人にもお話を聞いてみることにしました」

そう思って奈々瀬アフターにおけるサブヒロイン一堂の如き心境で上がり込んだ先に待っているのが、
なんか筋肉と会話したり奈々瀬のうなじ見てるだけで射精したり腋に興奮しておちんぽ擦り付け始める全ルート中最高に気持ち悪い橘淳之介君であるという。

そんなのってある?

奈々瀬アフターは大変良く出来た物語です。前作奈々瀬ルートにおいて語られた片桐奈々瀬の思想、
『本当のことは大切な人にだけ理解してもらえればそれでいい』というテーマを描くために、
この物語の主人公とヒロインはどこまでも閉じた幸福に傾倒していくことを求められました。
その結果片桐奈々瀬に与えられたのが『なんでこんな男にそこまで尽くせるのか理解出来ない女』という役割です。
奈々瀬アフターにおいて、NLNSやSSの面々は繰り返し繰り返し奈々瀬に絡んでいきます。
あんな男のどこがいいんだ、自分の母親みたいな甘え方する男は絶対に駄目だ、そういうのはちゃんとおっきくなれない、似非インポ筋肉ダルマ駄目男、デ感。
集団が同じ意見を抱いて個人に詰め寄るその光景は、紛れもない同調圧力です。なればこそ、
橘淳之介の最高の相棒である片桐奈々瀬がそれに屈することは許されません。
故に彼女は抗います。『じゃあこのまま奈々瀬さんに甘えっぱなしで将来仕事とかしなくなってもいいんですか!?』『まぁアタシも稼げると思うし……』
『家事の手伝いをしなくても?』『家事は好きだから……』『ギャンブルにのめりこんでも?』『お小遣いくらいならアタシが……』
『ずっと家でゴロゴロしてても?』『外で浮気するよりは……?』『暴言吐いても?』『いつか分かってくれるはずだから……』
で、沈黙したマジョリティ達に向けて放たれるマイノリティの勝利宣言。『だって、ほらぁ……淳のことは、アタシがお世話してあげたいから……』
完全論破。マイノリティの矜持は守られました。マジョリティが持つ偏見と独善の押し付けを跳ね除け、
戦いを終えた彼女は一層、橘淳之介との二人だけの世界に没入していくことになります。

>『……頭がおかしくなるっ!!』

二人の狂気を最も間近で見せつけられたアサちゃんが、そう泣き言を漏らすほどに。
美岬アフターにおけるアサちゃんの苦しみは先に語った通りですが、
向こうのアサちゃんは狂気の源が畔美岬であったが故に遠慮なく全力で殴り返すことが出来ました。
しかしこの物語で彼女を苦しめているのは、彼女の初恋の人にして信仰の対象たるクソビッチ片桐奈々瀬その人なのです。
愛する奈々瀬さんが畔美岬になってしまった、その時の彼女の絶望たるや如何ほどのものか。
貴方も想像してみましょう。誰でもいいから貴方の大好きなヒロインを一人頭に思い浮かべてみて下さい。
今日からその娘が畔美岬になりました。よろしくお願いします。
最高じゃねーか、そんな訳ないだろお前頭メルクオリアか? 世界中のデブが全て畔美岬に見えたら幸せか? 幸せだな。
多分こんな感じの精神異常を抱えた結果、睡眠食事という三大欲求のうち二つを満たすことが出来なくなってしまったアサちゃん。
じゃあ残された最後の一つで彼女を救ってあげよう! ということで
ごく当たり前のように3Pへと流れていくあたりがまさに『ぬきたし』といった感じなのですが、
他人には理解されなくてもいいから二人だけの幸せを共有していきたい、そんな思想を掲げる一方、
その二人だけの幸せを育む過程に苦しめられてしまったアサちゃんに対しても手を差し伸べてしまうあたりが片桐奈々瀬の魅力であり良い女たる所以なのですが、
同時に彼女が今作、いえひいては前作から今に至るまで損な役回りを担い続ける理由の最たる例でもあったりしまして。

片桐奈々瀬は橘淳之介にとっての『始まりの女』です。幼少期における彼女との交流が橘淳之介の核となる部分を構成し、
青藍島という同調圧力の波を泳ぎ切るために彼が作り上げたNLNS、その最初の構成メンバーに名を連ねたのも彼女です。
そして繰り返しになりますが、彼女は『ぬきたし』における第一ヒロイン的ポジションを与えられています。
橘淳之介という主人公に限りなく近い存在でありながら、『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?』という物語の核、
即ちグランド√担当ヒロインにはなれなかったのが彼女です。故に彼女の物語は、グランド√で回収された多くのものを取りこぼす内容となっています。
最後まで敵対関係のままだったSS、登場すらしない仁浦俊明、最後まで防人老人の掌の上で転がされ続けるNLNS、
そして防人老人の手に堕ち主人公達の前から姿を消すこととなった真ヒロイン、琴寄文乃。
奈々瀬アフターという奈々瀬ルートのその後を描くにあたり、この多くの取りこぼしはプレイヤーにとっての引っ掛かりになります。
仮に奈々瀬アフターの内容がこれらの一切に目もくれない内容であったとしたら、プレイヤー達は絶対にこう思ったことでしょう。
『奈々瀬が幸せそうで良かったな。でもその裏で文乃は防人に拷問されて目を潰されたりしてるんだよな…』と。
片桐奈々瀬の幸福を描かなければならないのに、この物語におけるヒロインではない筈の琴寄文乃の存在が奈々瀬の幸福を追求するための足枷となっている。
本当に何処までも二人だけの幸せを追求するのであれば、片桐奈々瀬はそのことを気に掛ける必要が無い筈なのです。
彼女の思想はある意味で誰よりもエゴに満ちています。
他人に理解も共感も求めない自分だけの理想の世界があって、
それを唯一の理解者である橘淳之介と二人だけで築いていければそれでいい。それが彼女の根幹にある思想の筈なのです。
しかし彼女は、その思想に拘泥しませんでした。自分の幸福を追い求めるために、他人の不幸を見て見ぬふりすることが出来ない少女でした。
その結果『2』において描かれたのが、あの奈々瀬アフターの内容になります。
SSと和解し、条例を失った怒りに立ち上がるドスケベ信者達に謝罪し、防人老人の下へと殴り込み、
そして奈々瀬ルートにおける一番の犠牲者である彼女に二人で手を差し伸べて、こう言うのです。

『……さぁ、迎えに来たわよ』
『――……文乃』

素晴らしい。完璧な内容です。奈々瀬アフターは確かに『忘れ物を取り戻す』ことに成功しました。奈々瀬ルートのハッピーエンド率が0.5だったとして、
奈々瀬アフターの存在をもって、奈々瀬ルートはようやく完璧な1へと至ったといえます。
そのことは諸手を挙げて讃えられるべきです。前作において取りこぼしたものを拾い上げ、
最早二人が幸せを育むことに何の憂いもありません。奈々瀬ルートを完璧な形で終わらせたこの瞬間になって初めて、
橘淳之介と片桐奈々瀬は今度こそ二人だけの幸せを追い求める真なる奈々瀬アフターを始めることが出来るのです!!

おわり。

それが片桐奈々瀬という女です。奈々瀬アフター、彼女の幸福な未来を描くために用意された舞台を、
自分以外の大切なものを救うために費やして、終わらせることを良しとした女。
或いはこの先を描くことは蛇足なのかもしれません。この結末こそが片桐奈々瀬の在り方そのものであり、
完成された『1』に何かを継ぎ足す必要はないのかもしれません。
それでもこの作品は『2』なのです。誰もが未来に向かう物語を描いてきました。
ある者は結婚し、ある者は老後に想いを馳せ、ある者は家庭を築き、ある者は子を宿し、ある者は理想の自分を身に纏い、ある者は永久不変の関係を良しとする。
そんな中で片桐奈々瀬ただ一人だけが、不完全であろうとも少しでも『2』に近づこうとする物語ではなく、忘れ物を取り戻す物語、
0.5を1にするための時間に全てを捧げてしまったということがただただやるせなく、
しかしその悶々をそのままぶつけるには奈々瀬アフターの二人の笑顔は余りにも眩しくて、
結局のところ奈々瀬自身がもう少しだけ報われたところが見たかったなんていうのはどうしようもなく私個人のエゴでしかなくて、
でもそれはそれとしてやっぱり奈々瀬アフターの淳之介君は余りにも気持ち悪くて、
ダメ男製造機だなんて称号を与えられていかにも奈々瀬のせいで淳之介君はこうなっているんだぞみたいな感じになっている奈々瀬アフターですが、
淳之介君は淳之介君でそのダメ男の立場に甘んじていていいのかという気持ちはどうしても拭えなくて、
ぶっちゃけ奈々瀬アフターの二人がこういう関係になったのって桐香ルートの対比なんだろみたいな邪推もあったりして(逆かもしれないけど)、
でも桐香ちゃんですら階段登るために努力しようとしたんだぞ、ゲロ吐かないで済むように頑張ろうとしたんだぞ、
愛する人の献身に報いようとする誠意を見せたんだぞ、
そのままダメ男で居続けたらお前桐香ちゃん以下だぞみたいな気持ちがいつまでも腹の底にこびり付いたまま消えなくて、
結局のところ何が言いたいのかというと奈々瀬アフターの淳之介君が余りにもキモい。
それだけ。それだけを言いたかった。私がまたマイノリティと分かり合えなかった瞬間である。

おまけ:奈々瀬話の最初の方で『淳之介君が彼氏になっただけでは恋人の奈々瀬に何かを与えたことにはならない』みたいな感じのことを言いましたが、
あれはちょっとだけ嘘を吐きました。奈々瀬アフターではなく前作奈々瀬ルート、淳之介君の告白シーン。
感謝の念とは違いますが、紛れもない橘淳之介の本心を、彼の恋人となった片桐奈々瀬は既に受け取っています。だからこの件に関しては彼は許されました。
でもそれはそれとして奈々瀬アフターの淳之介君はキモい。Hシーンとか直視に堪えない。
そんな淳之介君のノリに付き合ってる時の奈々瀬も余りにも遠い存在に感じる。
私の心の中のアサちゃんはいつまでも泣いていた。美岬アフターにおけるアサちゃんのその後を案じた私であるが、
3Pがなければ多分こっちのアサちゃんの方が先に身を投げていたと思う。文乃と手を取り合って強く生きてほしい。ただそれだけを願う。

さて。

・糺川礼
ゲロをそのまま吐いたらいけませんということで世界にモザイクをかけてもらった冷泉院桐香。
ゲロをそのまま吐いたら汚いということが分かっていたので自分でモザイクをかけた女部田郁子。
じゃあゲロをそのまま吐いてモザイクかける人が誰もいないとどうなるのかな?

>『はじめまして。私はヘブンズゲート。これよりあなたを心地よい快楽の世界に案内するサポーターです。よろしくお願いします』

『ぬきたし2』をプレイする中で、浮いている、そう感じなかったでしょうか。この一連のシーンを。
ヘブンズゲートによるロリス川礼ちゃんの拷問シーンは、『ぬきたし』において唯一描かれた『楽しくないドスケベ』になります。
青藍島では誰もがドスケベを楽しんでいました。前作序盤において淳之介君が逆レイプされた際も相手の女の子達は誰もが心からセックスに興じていましたし、
花丸姉妹を責め立てる時の淳之介君は何かかんだ言ってノリノリだったりもしました。
翻ってこのシーンはどうでしょう。セックスは楽しく幸せなものでなければなりません、そう語るヘブンズゲートに楽しいとか幸せとかいう感情は存在しません。
にも関わらず、相手の反応や機械測定という外部情報を全ての判断基準として、ヘブンズゲートは礼ちゃんに押し付けます。楽しいセックスの在り方を。
こうでなくてはならない、という一方的な思想を相手に押し付け、従わせる。それはこの『ぬきたし』が散々描いてきたマジョリティによる同調圧力であり、
橘淳之介を始めとするマイノリティ達が必死に抗い続けてきたものなのですが――

> こんな島に来ても、汚れた体になってしまっても、心だけは折りたくないと――そう思っていた。
> 私にも、どうしても守りたい一線があったのに。
> 所詮自分はまだまだ力のない子供に過ぎなくて。
> こんな責め苦に耐えられるほど強い意志も信念も持ってはいないのだと、このとき思い知らされた。
> 何度目かも分からない寸止めを食らい、追い打つように溶液を注入され――
> 恐怖なのか快感なのか、それすらも分からない体の震えに耐えられなくなり、とうとう折れてしまった。
>「んぉっ、ほおぉっ……イっ、イかせて! おちんぽで、おまんこイかせてくださいっ……!」
>『おねだりの言葉を確認。絶頂のサポートをおこないます。ピストン運動が加速します。ピストン運動が加速します』
>「んオッ……! はっ、あぁっ! あっあっあっあっ! おっ、オぉッんっ! イくっ! イくっ、イくっ……!」
>『コレクトスピークを使用してください。コレクトスピークを使用してください』
>「はっ、ほおぉっ! イくっ、まんこイく! 勃起ちんぽたまらなくて、エロまんこイくっ! イくイくイくっ! ああああァアアアアァああっ!!」

はいこれが無修正ゲロの味。
相手がキモデブオッサンとかじゃなくて機械なだけまだ温情あると思いますけどね。でも見えないところでそういうのもきっと相手にしてきたんでしょうね。
で、郁子みたいに相手を気遣う余裕もなくありのままの嘔吐見せちゃうアナルでイきの女王なところが礼ちゃんの不器用さを表しているのですが、
ここを茶化してしまうとその後の展開に説得力が生まれないため致し方なし。
何故ならこのヘブンズゲートによる拷問シーンこそ、糺川礼の犯してきた罪の形でもあるからです。
彼女が淳之介君の告白を断った背景には、『自分はこれと同じことを彼の仲間になる筈だった者たちに行ってきた人間なのだ』という罪の意識があること。
そのことを念頭に念頭に置いておかないと、それこそその後の彼女のことが『悲劇のヒロインぶってる女』にしか見えなくなってしまうでしょう。

>「はいはい、たっぷり泣けー。やれやれ……面倒くさい子だよねぇ……レイちゃんは」

ほんとそれな。
SSとして反交尾勢力を弾圧してきたのは礼ちゃん一人だけの話ではありません。礼ちゃんほど熱心ではなかったというだけで、
桐香ちゃんや郁子だって同じことをしてきたのです。しかし二人がそのことを気に病んでいる様子は微塵もありません。
いや桐香ちゃんはどっかで少しだけあったかもしれない。だとしてもそのせいで淳之介君と付き合えない、
そこまで拗らせてしまったのは三人の中で礼ちゃん一人だけです。幸せになるのが下手な娘です。
そんな彼女だからこそ、誰かが言ってあげなければならないのです。

>「幸せにならなきゃダメなんだよ」

と。
渡会ヒナミはいつだって、糺川礼にとっての天使でした。

礼ちゃん幸せになってハメでとうキャンペーンを開催するとここから更に二万文字くらい費やすハメになってしまいそうなので、
とりあえず要点を二つに絞って語ることにします。

①礼ちゃんルートに流れる平成ライダー愛の話

>シコルハメルシャブルジュルルパコルクエスト

こんなん絶対笑う奴やん…。
サブタイトルは勿論のこと作中、ひいては自身のルート外においてもしょっちゅうライダーネタをぶっ込んでくる痛い特撮オタクこと糺川礼。
ですが、礼ちゃんルートにおけるライダーネタは単なる小ネタに留まりません。まずは淳之介君失恋後に起こったハメドリくん大量発生イベント。
これによってメインキャラ一同がハメドリくんの着ぐるみを被り、各々の表情を外から窺い知ることは出来なくなります。まるで仮面を被ったように。
そしてイベント休憩中、着ぐるみを着た奈々瀬と二人きりになる淳之介君。礼ちゃんにフられて前に進めない淳之介君の背中を押す奈々瀬。

>奈々瀬が、着ぐるみの中で笑った気がした。
>着ぐるみの中で、いつもの笑みを浮かべる奈々瀬の顔がたしかに見えた。

顔は見えない。けれど奈々瀬はきっと笑っているだろう。淳之介君がそう思えたのはきっと、彼自身もまた笑って彼女と別れることが出来たから。
けれど、淳之介君が笑顔を取り戻すことが出来たのは、そうなれるように奈々瀬が明るく振る舞ったおかげです。
大切な人の笑顔が見たいから、仮面の下の涙を隠して戦った最初の人。
『全部区切りもついちゃったかな』という言葉からは涙のperiodも連想されます。まあこの辺は正直ちょっとこじつけ入ってるかもしれません。
本題は3-15、今度こそ隠す気のない仮面ライダー鎧武リスペクト回。『変身だよ、礼ちゃん』。

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>「ミッチに伝えてほしい。どんな過去を背負っていようと、新しい道を探して、先に進むことが出来るって」
>「それは……私にも、出来なかったことだ」
>「――諦めないでほしいんだ。人は変わることが出来る。俺みたいな奴でさえ、違った自分になれたんだ。変身だよ貴虎」
>「葛葉……」
>「今の自分が許せないなら、新しい自分に変わればいい。……それが出来るってことを、ミッチにも教えてやってくれ。貴虎――アンタ自身が、変わることで」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

>「不安がることないよ。これまでどんなことをやってきたとしても、それがとってもつらいことだったとしても……
> 淳くんとふたりなら、きっと変えていけるから。
> ふふ……礼ちゃんは得意でしょ? 変身!」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

世界を守るためにあえて悪役を担っていた者の背中を押す神様。
なんかこうしてシーン比較のために46話見返してみると久保田悠来さんとの身長差もあってかどことなく佐野岳さんがわたちゃんに見えてきて…いやいやいや。
ぬきたし2発売から一ヶ月が経とうとしている今日、平成ライダーもとうとう完全に歴史の幕を閉じました。
9月1日からは初の令和ライダー、仮面ライダーゼロワンがスタートします。
エロスケの皆も9時になったらTVの前で礼ちゃんと一緒に待機して叫びましょう。プログライズ!!

②ヘブンズゲート拷問と二回目の淳之介君と礼ちゃんのHシーンの関連性について

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>『卑語を使用してください。卑語を使用してください』
>「あっ、んはぁっ……! お、おまんこに、硬いおちんぽぶち込まれて、
> 無茶苦茶にぐちゅぐちゅされて、気持ちいい……もう、おまんこイっちゃいそう……!」
> ただただペナルティを課せられたくなくて――普段見ている島の人たちを真似るように、口から卑猥な言葉を吐いた。
> 本来であれば、誰も聞いていなくても口にするのが恥ずかしい言葉。
> あんな連中と同じような言葉、死んでも言いたくなかったのに。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

>「んっ……淳之介、どうしたぁ? ほら、そのまま腰を密着させれば、気持ちいいおまんこが味わえるぞぉ……?」
> 礼が腰をくねらせながら、淫らな言葉で俺を誘う。
> この姿も十分すぎるほどに卑猥だが――礼をもっと乱れさせたい。
> 誰かの真似事や演技ではなく、心から――なりふり構わず求めてほしい。
>「……礼のほうが、このチンポがほしいんだろう?」
>「え……?」
>「指だけのオナニーじゃ物足りないって言ってただろう? こいつを入れてほしかったんだろう?
> だったら、もっとその気持ちを聞かせてほしいな」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

>『プログラムを進めます。よりよいドスケベセックスをおこなうためには、さらなる積極性が必要です。
> 自ら快感を求めましょう。コレクトスピークを使用し、おねだりをしてください』

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

>「あ……う、ん……ちんぽ欲しい……淳之介の勃起ちんぽ、私のおまんこに入れてほしい……♪ ね、早く……♪」
>「まだ足りないな……礼の思いがチンポに伝わってこない」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

> ヘブンズゲートは、無機質な声で容赦なく促してくる。
> こんなことをまだ続けないといけないのか。
> 一度絶頂し、ほんの少しでも日頃の感情を取り戻してしまうと、もうダメだった。
> さっきみたいに性に狂うような真似はもうしたくない。こんなことは嫌だ。
>『おねだりをしてください。おねだりをしてください』
>「うっ……ううぅ……うううううぅ……!!」
> それでも、言わなければダメなんだ。私が頑張らなきゃダメなんだ。
> きちんとセックスできないと、お母さんに怒られる。お金が貰えなくなる。弟と妹につらい思いをさせてしまう。
> だから、どんなに嫌でもやらないといけないんだ。
> そう、思うのに。
>「あっ……うぅ……うああぁ……!」
> どうしようもなく拒否感が先行して、まともに声が出てこない。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

>「ううぅ……あぁ、淳之介のちんぽ、本当に欲しいんだ……大きく勃起して、血管ビキビキ浮き出てて、
> キンタマも大きくて、そこにたっぷりザーメン溜め込んでる……。
> あぁ……入れてほしいんだ……はぁ……オス臭くて逞しい君のデカちんぽ、ほしいんだよぉ……」
>「この逞しいデカちんぽとやらを、どこに入れてほしいんだ?」
>「おまんこ……おちんぽ入れてほしくてずっとマン汁垂れ流してる私のエロまんこ……
> トロトロに熱く火照ってるメスまんこに……ちんぽぶち込んでほしいよぉ……」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

あまりにむごい、礼ちゃんの告白を聞いた際にそう断じたヘブンズゲートと同じようにいやらしい言葉を用いてのおねだりを要求する橘淳之介。
家族の生活が懸かっている、そんな責任感を背負いながらも口にすることが出来なかったいつかの言葉をノリノリで口にする糺川礼。
橘淳之介はヘブンズゲートと同種の人の心がないサイコパスだったのか? 糺川礼は身も心も完全にヘブンズゲートの価値観に染まってしまったのか?
そういう訳ではないでしょう。いや淳之介君はたまにちょっとそういうとこあるかもしれませんが少なくとも今回に関しては違う筈です。
二人はヘブンズゲートの思想に染められた訳ではありません。機械の説いた『楽しいセックス論』という奴に、
愛する人との血の通ったセックスを行うことで自ら辿り着いたのです。押し付けられたのではなく、自分の意思で考えた結果、同じ価値観を抱くに至ったのです。

>「んぁっ、はっ、ああぁっ……♪ どこまでも届くカリ高チンポでマンコめちゃくちゃに犯されてぇ……おかひく、おかしくなるぅ……♪」
> 日常で聞けばどうかしているとしか思えないような喘ぎ声が、セックスしている最中だと不思議なほどに興奮する。
>「あぁ……礼のマンコ最高だぞ……! 俺のチンポにぬるぬる絡みついて、半端ない気持ちよさだ……!」
> 礼を真似るように口に出して言ってみると、下半身からクラクラするような熱い疼きが込み上げてくる。
> そうか……どうしてこの島の人間がいちいちセックスを実況するのか理解できなかったが……いま理解した。
> 敢えて状況を口に出して言うことで、自分のやっている好意をはっきりと認識させられ――それが興奮を高めていくのだ。

これもまた一つの相互理解。マイノリティ側がマジョリティの価値観を理解するという、
『ぬきたし』においてはある意味貴重かつ重要なシーンであるとも言えるかもしれません。
まあHシーンに関してはやっぱり前作3-27の空気の方が好きだったんですけども。
でも浣腸構文で笑ってしまったから私の負け。当て嵌まる言葉が読めてしまったばっかりに…。

・琴寄文乃

「よいよいでございますよ」←かわいい
「良いのです……! 文乃は淳之介さんにお料理を美味しく召し上がって頂ければ、それが一番なのです……ふんす……っ」←かわいい
「いきまするいきまする……!」←かわいい
「歳もそう離れてはいない麻沙音さんですらびっくらおっきかったのに……わたしときたら、こう、すとーんと……してございましてございます……」←かわいい
「やはり文乃の小さな胸は成長しないのでしょうか……!?」←抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか? タイトル回収シーンだぞ泣けよ
「これ以上は……何卒、ご寛恕ください……文乃にそのようなこと、させないでください……」←シコれる
「ど、どうして斯様に勃起なさっているのですか……旦那様として恥ずかしくはないのですか……っ!」←負けそう
「もうすでになっておりますよ……っ! あなた様は降伏を宣言したお腹出しわんちゃんさんなのです……!」←負けてた
「なんでもござりませぬことはなはなだたしい故、文乃にはなんのお気遣いなくござる……!」←声上擦っててかわいい
「その欲情の限りをわたしに思い切りぶつけて頂く、というのは……?」←唐突に何言ってんだこの娘
「「ぬっへっへっへっへ……」」←変態だった
「まだ乳飲み子のようですね……お前、どうしたのですか……? お母さんと離れてしまったのですか……?」←誰にでも敬称使う文乃が唐突にお前とか言い出すと最高に興奮する
「芸は身を助けるといいます……もしわたしたちに何かあった時、お前はひとりで生きていかなければなりません……」←猫相手にガチ説教を始める娘
「よいですか、たまタマさん……これがお手、です……!」←何ドヤ顔してんだ孕ませるぞ
「ほあぅ……なんと心地良いお日様の香りでしょう……文乃はこの癒やしに屈服してしまったわ……」←だから唐突にしまったわとかそういうこと言うと興奮するって言ってるだろ
「お前は可愛いですねぇ……そんなに可愛いと、悪い人に食べられてしまうのではないですか……?」←絶対これ淳之介君が聞いてたら可愛いのはお前だよって言う奴じゃん…案の定後で言ってた…
「そんなことない、ですか……? むっべっべっ、ここにおりますよ悪い人が……食べてしまいますよぉ~……!」←キレそう
「狩りが得意な子なのです……ふんすっ……こんなに聡い猫さんは見たことがありません……!」←郁子が大体言いたいこと言ってくれて言うことがない
「た、たとえトシアキちゃんだったとしても……! この子はうちの子にございます……っ!」←元県知事に聞かせたら一生これだけをオカズに生きていけそうな台詞

無印時代スナイパーライフル持って山の中を駆けずり回りながらパンチドランカー寸前まで戦い続けていた彼女が
御主人様の足に完全に信頼しきってる感じでくてっと頭をもたれさせて眠っているこの一枚絵が余りにも尊過ぎてキレそう
えっちな動画を観たがる淫乱女事件の全てが可愛すぎてキレそう

>これまでは、感情表現の乏しい子だったから。
>こうして気持ちを表に出してくれることが嬉しい。
ほんとそれな



「たまタマさん……これを見てください……」
「どうでしょう……似合います、でしょうか……?」
「これ……淳之介さんがくれたんですよ……わたしに、って……文乃への、贈り物だって……」
「わたしったら、本当に……まだ、笑顔が……下手で……」
「たまタマさん……ええ、そうです……その通りです……」
「ふふっ……嬉しいね……嬉しいね……」
「淳之介さんが指輪をくれて……嬉しいねぇ……」



淳之介君・私『結婚しよう……』



『文乃アフターは絶対最後に回せ!』っていうネットの声と私の中の礼ちゃん愛が数時間くらい死闘を重ねた末に
結局敗北した結果この娘が最後を飾ることになったのだけれど
そしたらなんかめちゃくそ可愛い生き物が住んでた。こんな娘前作にいなかったと思うんですけどどこから拾ってきたんでしょうか。初めて見た気がします。
しかし最後のヒロインのレビューがこんなただの語彙力喪失台詞垂れ流し空間でいいのか。なんかそれっぽいこと言っとけ私。
えーと淳之介君とのデートを終えた文乃ちゃんが淳之介君の服がダサいって言うじゃないですか。
相手の価値観を理解出来なくても理解しようと努めましょうそして存在を許容してあげましょうという話を描いた後に、
黄金乃秋の存在的にも最後に攻略することを推奨されているであろう文乃アフターで
『でもそれはそれとしてダメだと思ったらはっきりダメって言え!』ってオチを用意したのが
私としては最高にはなまるでしたみたいなそんな感じ。いやまあ主題は最後にダメ出ししたことよりも
そういうことを気兼ねなく言い合えるような関係を築けるようになりましょうってことだと思うんですけども。
どれだけ相手のことを想っていたとしてもその上で言わないといけない本当のことっていうのはきっとあって、
同時にそれだけ自分のことを想ってくれる相手の言うことだからこそ、価値観が揺らぐほどの一言もすんなりと受け入れることが出来る。
嘘偽りのない誠実な関係。それこそがちょっとだけ成長した琴寄文乃と、橘淳之介が築いていく共存の形。

>「だって俺は……これから先も、ずっと傍にいるからさ」
>「はい……不束者ではございますが、よろしくお願いします……淳之介さん……っ」



さて、それではそろそろ思い出しましょう。
私が本当は橘淳之介ではないことを。



~ED:非実在系のわたし達~
「きっと君は忘れてく、ここにわたしがいたこと」。
NLNSメンバーのルートにおいて献身的なサビの歌詞が実に印象的だったEDテーマは、『黄金乃秋』を迎えた私達に向けてこう言います。
"非実在系のわたし達"。片桐奈々瀬も渡会ヒナミも畔美岬も橘麻沙音も冷泉院桐香も女部田郁子も糺川礼も琴寄文乃も
誰もが現実の存在じゃないんだよ。そして君は彼女たちのことを忘れてしまうんだよ。
最初にはっきりとそう突きつけることで、この歌は私達を現実の世界へと引き戻してくれます。
現実と非現実。その境界線をはっきりと引いて、『ぬきたし2』の世界を去ることになる私達に向けて、その上で"彼女"はこう続けます。
「だけどいつかわたしは、また会える日を待ってる」。

『ぬきたし2』は終わりました。こんなクソ長ったらしい感想を書くことでいつまでも青藍島にしがみ付こうとしている私の足掻きもそろそろ終わります。
次のエロゲをプレイする時、その世界には街中や学校の廊下でセックスに明け暮れている人々もいなければ、
なんか上手いこと言いながら喘ぐ娘もおちんちんとツッコミの二つをぶち込みながら『孕めオラァ!!』と叫ぶ男もいないのだという現実を、
今の私はまだ受け入れることが出来ません。いや嘘です。でもちょっとは寂しく感じるんじゃないかなとは思います。
というか現実に帰りますという話をした直後に他のエロゲという別の非現実を持ち出すのも何か間違っているような気がしますが、
私がエロゲーマーだということもまた目を逸らしようのない現実のお話なので仕方がありません。
でも非現実にどれだけ浸かり続けようとしても現実が非現実になるようなことはなくて、
『実在系の私達』と『非実在系のわたし達』が同じ時間を生きることはないのです。それは絶望でもあり希望でもあります。
決して向こうから会いに来てはくれないけれど、こっちから会いに行こうと思えばいつでも会える。
言ってみればエロゲーとは故郷のようなものです。帰りたいときに帰ってくればいいんです。
この歌の"彼女"はそんな私のエロゲーに対する向き合い方を、全身全霊で肯定してくれるような存在です。

>作品でキャラクター達と触れられる時間はどうしたって僕らが生きている時間よりも短くて、
>たくさんのゲームがある中で絶対に埋もれてしまうし、忘れてしまうと思います。
>作った自分自身でさえ、いつか忘れてしまうと思います。

>それでも、きっとキャラクターという存在は僕らを楽しませるために、辛い現実や悲しい出来事と向き合ったり、
>忘れさせてくれるエンターテイメントとしてその存在すべてを使って、全力を尽くして僕らの心を動かしたくて一生懸命生きていて、そのために生まれてくる。

>そう思ってます。

『非実在系のわたし達』作詞作曲をなされたえびかれー伯爵様のnoteより抜粋。
エロゲヒロインはどこまで行っても非実在系。だからこそ現実に疲れた私達の拠り所になってくれる存在なのだと、この歌は改めて私達に教えてくれます。
「辛いコトも悲しいコトも、きっと現実(そっち)のほうが多いんでしょ?」非実在系(あっち)の彼女はそう言って、優しく私達を突き放してくれます。
そろそろ私も、そんな彼女の愛情に報いることにしましょう。コーラスが終わって、弦の音が聞こえなくなり、タイトル画面へと帰ってきます。
歌声のない『May day+^2』。読み方は『めでたし めでたし』。心地良いメロディに包まれながら、成長したNLNSとSSの面々が笑っています。
ここから去らなくてはならない、そう思うとこの畔美岬のアホ面すらも愛おしく見えてくるから不思議な物です。
でもどれだけ待っていたって画面の向こうの彼女たちが動き出す訳でも新たな物語が紡がれ始める訳でもありません。
指先一つで閉じられる、非実在系の存在だということを、私はもう知っているから。

EXIT。
! ゲームを終了しますか? YES/NO

YES。



おつかれさまでした。