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marg2-2さんの南十字星恋歌 Southern Cross Love Songの長文感想

ユーザー
marg2-2
ゲーム
南十字星恋歌 Southern Cross Love Song
ブランド
すたじお緑茶
得点
73
参照数
115

一言コメント

共通”は”よかったよ!

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

 恋色空模様をリアタイで攻略し、2014年当時にも本製品を購入し途中までプレイしていたが、
仕事が忙しく途中で積んでいたため、一から始めた。
 確かに恋色空模様の劣化版かもしれないが、いい意味で今回のプレイ時には恋色空模様自体の
記憶も薄まっていたため、先入観や期待値がフラットなため普通に楽しめました。共通までは。。

【システム】
 ・すたじお緑茶のゲームは軽い!よく動く!個人的には好きです。
 ・全22話(香乃梨は23話だったかも)をそれぞれOP、EDでアニメっぽく区切っているのも、GOOD!
 ・シーンスキップ機能はないが、そもそも選択肢が1つなので全然気にならない。

【曲】
 ・3曲ともよいですが、個人的には「君に出逢って恋をして」(ED)の歌詞と
  曲調がマッチしていて好きでした。

【キャラデザ・CV関連】
 ・みんなかわいいし、性格も声もあっていた。
 ・声優が豪華すぎます!
 ・個人的なお気に入り(キャラ)は咲弥

【設定】
 ・世界観は大好きです。キャラの立ち回りもよかった。
 ・伏線等の設定は奇抜ですが個人的にはそこまで気にならなかった。(一部後述します。)

【シナリオ】
 ・キャラ設定はかなりよかったと思う。
 ・共通パートは楽しめたが、ほぼ全ルート(特にTRUE)ではラストはどうしてこうなった状態でした。。。

【テキスト】
 ・キャラの個性がうまくいかされていたと思う。ただし個別ではキャラを活かし切れていなかったですね。
 ・シリアスシーンや緊迫シーンでお色気発動する部分だけはテンポが悪く感じた。
  また、シリアス・日常・行為へのメリハリもつけてもらわないと、感情移入しきれんのですよ。
 ・同じ話題に対して、シーンによって反応や若干の受け答えが変わるのは気にしてはだめだと
  思ってます。。。

【プレイ順】
 魅月→咲弥→エリーゼ→都→香乃梨

【個人的おすすめ攻略順】
 魅月→都→咲弥→エリーゼ→香乃梨
 ※香乃梨はラストでないと攻略不可

【個別感想(ネタバレ注意)】
◆共通・全体
 ・世界観はとてもよかったし、キャラの掛け合いもよかった。
 ・相変わらず共通は長いですが、個人的にはキャラゲーとして楽しめたのであまり気になりません。
 ・主人公の屁理屈や必殺「過去の経験」のまたか感はありましたが、プレイを投げ出すほどではなかったです。
 ・悪役(特に学校長)はとっっても不愉快ですが、むしろあそこまで清々しくヘイトを集めるからこそ
  最後の最後でスカっとしました。
 ・ただし、個別に入ると短いし、TRUEに向けた伏線ばらまきに専念する感じで、
  キャラの魅力を生かし切れていない点は非常にもったいなかったです。

◆魅月
 ・亮輔がいないとどうなってしまうんだこの人って思います。
 ・声は言わずもがな、キャラとしてもずぼらな天才が出ててよかったです。
 ・一番目に攻略してもらうためのエピソードだったのではないかというくらい、
  謎などを残して終了していきますが、話としてはハッピーエンドですね。
  ※公国側のその後は見えませんが。。。
 ・ただ、個人的に納得いかなかったのは、魅月先輩を卒業させることに対して、あそこまで
  言える理由と、学校長を退任させても家族側の問題が残っているのでは?という
  部分が解消されず不完全燃焼でした。

◆咲弥
 ・キャラはマジかわいい。「ぶー、ぶー」は反則ですね。
 ・ただ、シナリオはTRUEに向けて伏線をばらまくことだけに特化しすぎて、
  主人公や咲弥の行動には危機管理能力がなさすぎて、そこが不満です。
 ・また、明らかに生活していく上での謎もなぜか解消しようともせずにエンディング。。。
  キャラがよいだけに、シナリオが残念でした。

◆エリーゼ
 ・この騎士さまエロいですよ、まったく!
 ・マスコットとしてかわいさ満点でした。
 ・シナリオは他メンバーよりは優遇された結末でしたね。
 ・まあ、各々の行動原理などは気になる点はありましたが、伏線という意味では
  十分にまけていたと思いますが、もっと純粋にキャラゲー楽しみたかったなあ。

◆都
 ・素直になれず一途に思ってくれる従妹としてとてもよかった。
 ・声もばっちりですね。(容姿は違うが前世を思い出します。)
 ・主人公の母親への対応が個人的には納得できずでした。
  母親が車を奪って妹たちを誘拐した部分についても、どうやってなど理屈が不明ですね。
 ・また、ラストに都が波佐見家を抜ける宣言から撤回するまでの理由が謎です。
 ・伏線を結構捨てている感じもしたのでもったいないです。

◆香乃梨
 ・よし!伏線をすべて回収していけ!!ということで開始し、前半は二人の交際まで
  よかった。
 ・対決編において、若干の粗さはあるものの、伏線の程よい回収やクライマックスに向けて
  新たな伏線や準備も万端!
 ・しかし、、、いざ公爵と対峙してみればただの雑魚。
 ・コクーン編では、今までの疑問点が一部解消されたものの、最後、みんなの見せ場はすべて
  カットされ行為を行い終了!
 ・遥香さんやその後の香乃梨以外のキャラとの掛け合いもなく終了し、マジでどうしてこうなった
  のかという感じでした。
 ・あ、キャラはとてもかわいかったですよ。

◆総評
 ・よいキャラゲーでした。ただ、共通がなんだかんだ悪くなかったがために、
  個別ルートは伏線や憂いをとっぱらいキャラゲー特化で見たかったです。
 ・特に香乃梨ルート以外は、違和感のあるシナリオや唐突な終了、香乃梨ルートも
  結局話の閉じ方が雑すぎて、今まで温めてきた情報たちやキャラが活かされずに
  終了し、悲しかった。
 ・これであれば、もっと純粋なキャラゲーとしてくれればもっと評価は高かったのにな~。
  初期の構想をシナリオ化できなかった悲しき最後でした。
 ・文句多めですが、せっかく途中までよかったのに無理して身の丈以上を臨んでしまった
  メーカー(解散済みですが)への叱咤も含んでします。。。

【その他】
 ・タイトルに意味はあったのだろうか。無理やり星要素付いてますが。。。
 ・何やらとあるルートの行為の文章に疑惑があるみたいですが、そういった外野は
  評価対象にしていません。