世界観良し、BGM良し、シナリオ良しの3拍子がそろったSFサスペンス的な作品
FANZAセールで安いし、評価も高いため少々古い作品であるものの購入。
【キャラ・CV・システム】
・立ち絵はやはり古さが出ていますが、個人的には特に
問題ありませんでした。
・背景に同化する立ち絵(←何て呼ぶかわからない)の
くらめが無邪気で、どの描写も大好きでした。
・CVは豪華。
かわしまりのさんとかこの頃から出演されていたのですね!
・システムは、選択肢スキップ等あり、この時代の作品にしては
破格の快適さでした。
しかし、初めはUIが良くわからない等がありましたのでなれれば
快適という感じです。
・BGMは世界観に合っていてめちゃくちゃ良かったです。
【感想(ネタバレ注意)】
<全体>
・最初からはじめるに騙されました。
あれ?BAD?っと思って最初からはじめるを選びしばらく進んで、
こんなの読んでないな→BAD・・・となるため、何度かプレイして
ループものと気が付きます。
・段々と謎が解けていく楽しみと、それに伴って見えてくる
過去の事情、現実の主人公の周りのメンバーが替えられていく
3軸でかなり惹き込まれ、一気にプレイしてしまいました。
・そしてラストはがっつりSFでした。個人的にはここを謎のままでも
よかったので、もう少し各キャラや樹里への描写に回してほしかったな。
・しかし、全体的にきれいに纏まった作品で、予想以上に楽しめました。
ひぐらしと沙耶の唄の中間のような設定かな。
<きりこ>
・主人公の記憶喪失前の彼女。
・主人公が心配で、過去の記憶を呼び戻して心が壊れることを避けるために
遠ざけようとするので、プレーヤー目線だとうーんという感じでした。
・もう少し記憶喪失前の回想描写があり、二人が過ごしてきた時間があれば
感情移入しやすかったかもしれません。
<夏生>
・従姉のお姉さん。
・性格は明るいですが、シナリオでは結構主人公の心にトラウマを
与えるだろうキャラです。(個人的には主人公がうらやま...)
・ずっと過去の過ちを謝りたい思いがあり、最後まで暴走気味だったかな。
・むしろ青滋さんが良い人で夏生さんが抜け殻になった後も、
主人公を心配してくれて、好きでした。
<芳野>
・父親の義母。
・まさかのショタ属性(?)ですが、基本的にはおっとりで少し天然な
良い母親です。
・背徳感やラストの、ずっと詰め込んできた精神を開放したシーンは
印象的でした。
<潤>
・芳野の連れ子(つまり義妹)
・なんと複雑な。ちょっと時系列がわかりにくかった(忘れた)のですが、
友だちでもあり幼馴染でもあり義妹でもあり、実妹の樹里との
関係も難しそうな不憫なキャラです。
・樹里無き今も樹里におびえるが故、主人公に対しては近づくなオーラが
前回ですが、随所に優しが見え隠れし良いキャラでした。
・後、ラジオやドラマはサますが、サフィズムをプレイしているとかなり
くすっとできます。
<樹里>
・お兄ちゃん大好きな実妹。
・すでに亡くなっていますが、兄が好きすぎるが故に家族を崩壊させた
元凶です。
・兄のためであれば他人(家族含む)や自分がどうなっても良いサイコっぷり。
・でもなぜか嫌いにはなれない、そんな独特で印象深い妹キャラでした。
・もう少し兄との日常描写が欲しかったですが、最後は幸せだったでしょう。
・行為的なものは夢おちですが、現実での有無は明言されていません。
後2,3年遅く発売されていれば、表現や描写も変わっていたかと思いますが、
これはこれでよかったです。
<くらめ>
・見た目は樹里そっくりな少女ですが、その正体は人の欲望を満たし、
腐らせる謎の生命体。
・主人公もこの謎の生命体になってしまっており、主人公のループ、
周りの人々を腐らせている張本人です。
・基本的には見た目に反して大人びており怖い雰囲気がありますが、
行動が一つ一つ幼いところがあり、憎めない。
・エンディングも3つありましたが、くらめとどうなるか(どうするか)
の選択をしてラストを迎え、THE SF!でした。
【さいごに】
・キャラゲーというよりシナリオゲーです。
・ただ、ギャグゲーでもあり、最後のおまけや、盲点オンで見る、
通常シナリオを副音声で見るような遊び心にはプレイヤーも
にっこりです。
・急展開もあったので、もう少し各掘り下げがあったらもっと高得点に
なりましたが、それでもかなり面白かったので万人におすすめできます。