スプラッタがダメな人はNGだと思うけど、シナリオは楽しめた。肩肘張って生きてるような人にやってもらいたい作品。
最初のプレイは猟奇的な内容ばかりで正直気持ち悪くなるものだった。
異常なまでの行動に主人公と同じように恐怖・嫌悪・怒りを覚えた。
そればかりが脳裏に焼きつき、事件の真相に全く近づくことが出来なかった。
実際にこんな事件に巻き込まれれば誰しもがそうなるのではないか。
2周目からのプレイで徐々に真相に近づき、
どうして彼女はあんな行動をしたのか、何が彼女をあそこまで追い詰めたのか、
それが解ったときのやるせなさと、それでも彼女を抱擁しようとした彼・彼女の気持ちに心動かされた。
甘えが許されない環境に育ち、故に甘えることなく頑なに生き、
敵しかいないが故に周り全てを叩き潰すだけの力をつけ、
それでもどうすることも出来ない現実に叩きのめされ、
そんな中自分を包み込んでくれる存在に出会い、
それ故に新たなる嫉みの感情に包まれ、故にその存在さえも自らの手で壊し、
それでも自分を想っていてくれたことを思い知り、
その想いに応えようと思い込んだがために、さらに自らを追い詰め・・・。
そんな不器用な生き方しか出来なかった人間の哀しい顛末。
しかしそんな不器用な人間でも信じてくれる人間がいて、
そんな人間の為に涙を流してくれる人がいる・・・。
そういった小さな希望があるということが自分にとって嬉しかった。
現実に於いては、そんな泣いてくれるヤツなんかいるとは限らないかも知れない、
心無くそんなヤツに泣いてくれる人間なんている筈がないだろうと煽る人間もいる、
でもそんな風に自分の為に泣いてくれる人がいると思って生きてる方がずっと楽しい。
肩肘張って生きるのもいいけど、そんな人にも想ってくれる人がいて、
時には甘えることだってしても良いんだよ、って。そんな温かい気持ちにさせてくれた。
現実とかネットとかだとそんな事考えるのはお前だけだよm9(^Д^)プギャーみたいな事も多々在るけど、
それでもそんな人間ばかりじゃないよ、って。